『ドラゴンボール』と『葬送のフリーレン』の投げキッス

鳥山明の急逝を受け『ドラゴンボール』を読み直した。わかりやすい絵、テンポの良い展開が傑作だと思う。そんななか、コメディリリーフとして登場する世界征服を目論むピラフ一味のピラフがブルマに対して投げキッスをするシーンがあった。ピラフ一味は投げキッスをエッチなことと表現していた。この一連のシーンで思い出すのは『葬送のフリーレン』の主人公フリーレンが僧侶ザインをパーティーに勧誘する際の投げキッスである。こちらもフリーレンの投げキッスをエッチなことと表現していた。投げキッスをエッチなことと表現した初出が『ドラゴンボール』かは不明になるものの、フリーレンの投げキッスはピラフの投げキッスへのオマージュではないかと思われる。また更に言えば、ピラフ一味は3人(ピラフ、シュウ、マイ)とフリーレンパーティー(フリーレン、フェルン、シュタルク)の人数も一致しており、コメディパートそのものを参考にしている可能性がある。

『葬送のフリーレン』の時間経過(1~11巻)

『葬送のフリーレン』【原作】山田鐘人【作画】アベツカサが面白い。繰り返し読んでいる。この物語は最初に結末が語られているため、読み進めた後に再読することで新たな感慨がある。11巻が発売して内容的に一区切りを迎えアニメも始まる。そこで作品内の時間経過を整理して年表を作成した。エルフや魔族、ドワーフは長命の設定になり、エルフのフリーレンは1,000年以上生きている。末尾の巻数は年数を算出する根拠の説明があったところ。

神話の時代

  • 天地創造の女神が姿を現す。(3巻)
  • 女神が自らの魔法を込めた10の石碑を大陸に残す。(11巻)
  • 賢者エーヴィヒが魔族の心を操る支配の石環を作る。(9巻)
  • 大魔法使いゼーリエが活躍する。(10巻)

1,000年前

  • ゼ―リエがフランメを弟子に取る。(6~7巻)
  • フリーレン、大魔法使いフランメの弟子になる。(2~3巻)
  • フランメ、言葉を話す魔物を魔族と定義付ける(2巻)
  • フリーレン、フランメの元で50年修行する。(3巻)
  • フランメ、フリーレンをゼ―リエに紹介する。(5巻)
  • フランメが亡くなる。(6巻)
  • フリーレンがゼ―リエにフランメの遺言状を届ける。(6巻)

600年前

  • フリーレン、七崩賢の黄金郷のマハトと戦い敗北する。(9巻)

500年前

  • フリーレン、七崩賢の黄金郷のマハトによって黄金に変えられた右手を元に戻す。(11巻)
  • 断頭台のアウラが七崩賢の座に着く(500年以上前)。(3巻)

勇者ヒンメル一行の魔王討伐

魔王討伐の20年前(勇者ヒンメルの死から30年後の1世紀前)

  • 七崩賢の黄金郷のマハトが大魔族ソリテールを訪ねる。(10巻)

魔王討伐の10年前

  • ヒンメル(16歳)、ハイター、アイゼン、フリーレン、魔王討伐の旅に出る。(1巻)

魔王討伐の3年前(勇者ヒンメルの死の53年前、勇者一行の旅立ちから7年後)

  • 北部高原キーノ峠、ヒンメル一行(ヒンメル23歳)、女神の石碑に立ち寄る。(11巻)

魔王討伐の数年前(勇者ヒンメルの死から30年後の80年以上前)

  • 七崩賢の黄金郷のマハトが城塞都市ヴァイゼの領主グリュックに仕える。(9巻)

魔王討伐後の勇者の凱旋

  • 王都、 ヒンメル一行(ヒンメル26歳)、魔王討伐後の凱旋、50年に一度のエーラ(半世紀)流星を観る。(1巻)
  • フリーレン、魔法の収集のため、中央諸国を巡る旅に出る。(1巻)
  • 城塞都市ヴァイゼの領主グリュックが七崩賢の黄金郷のマハトにグリュック家お抱えの魔法使いの地位を与える。(10巻)

魔王討伐の20年後

  • 城塞都市ヴァイゼの領主グリュックが七崩賢の黄金郷のマハトに対して支配の石環を使用する。(9巻)

魔王討伐の28年後(勇者ヒンメルの死から28年後の半世紀以上前)

  • 大魔法使いゼーリエが歴史の表舞台に現れ、大陸魔法協会を発足する。(3巻、5巻)

魔王討伐の30年後

  • 七崩賢の黄金郷のマハトが城塞都市ヴァイゼを黄金に変える。(9巻)
  • 大陸魔法協会の一級魔法使いたちが七崩賢の黄金郷のマハトもろとも城塞都市ヴァイゼに結界を張る。(9巻)

魔王討伐の39年後(勇者ヒンメルの死から29年後の40年未満)

  • 人類が魔族の魔法術式をそのまま転用して飛行魔法を使用するようになる。(4巻)

魔王討伐の50年後

  • フリーレン、ヒンメル、ハイター、アイゼンと共にエーラ(半世紀)流星を観る。(1巻)
  • ヒンメルが亡くなる(享年76)。(1巻)

勇者ヒンメルの死後

勇者ヒンメルの死から20年後

  • 中央諸国聖都シュトラール郊外、フリーレンがハイターの自宅を訪ね、ハイターが引き取った南側諸国の戦災孤児で魔法使い見習いのフェルンに出会う。(1巻)
  • フリーレン、ハイターの依頼で賢者エーヴィヒの魔導書の解読を開始する。また、フェルンに魔法の手解きをする。(1巻)

勇者ヒンメルの死から24年後

  • フェルン、常人なら10年掛かる魔法の道を4年で超える。(1巻)

勇者ヒンメルの死から24~26年後

  • フリーレン、賢者エーヴィヒの魔導書の解読を終える(偽書だった)。(1巻)
  • ハイターが亡くなる。(1巻)
  • 中央諸国聖都シュトラール、フェルン、大陸魔法協会の三級魔法使いの試験を受け、史上最年少のトップの成績で合格する。(3~4巻)
  • フリーレン、フェルンと共に旅に出る。(1巻)

勇者ヒンメルの死から26年後

  • 中央諸国ターク地方、フリーレン、フェルンと共にヒンメルの故郷の花である蒼月草を見つける。(1巻)

勇者ヒンメルの死から27年後

  • 交易都市ヴァルム、フリーレン、フェルン16歳の誕生日を祝う。(1巻)
  • 中央諸国グレーセ森林、フリーレン一行、ヒンメル一行が過去に封印した腐敗の賢老クヴァールを倒す。(1巻)

勇者ヒンメルの死から28年後

  • 中央諸国グランツ海峡、フリーレン一行、新年祭を迎えて日の出を観る。(1巻)
  • 中央諸国ブレット地方、フリーレン一行、30年振りにアイゼンに会う。アイゼンの依頼を受け、アイゼンと共にフォル盆地で師である大魔法使いフランメの手記を発見、オレオール(魂の眠る地)がある大陸北部エンデ(魔王城)を目指すことになる。アイゼンと別れる。(1~2巻)
  • 中央諸国ヴィレ地方、フリーレン一行、アインザーム(幻影鬼)を倒す。(2巻)
  • 中央諸国リーゲル峡谷、フリーレン一行、アイゼンの弟子シュタルクと出会う。シュタルクが紅鏡竜を倒す。シュタルクが仲間になる。(2巻)
  • 中央諸国リーゲル峡谷、城塞都市ヴァール、フリーレン一行、関所を通過する。(2巻)
  • 北側諸国エング街道、フリーレン一行、開放祭に参加する。(2巻)
  • 北側諸国グラナト伯爵領、フリーレン一行、七崩賢の断頭台のアウラとその配下の首切り役人リュグナー、リーニエ、ドラートを倒す。(2~3巻)
  • 北側諸国デッケ地方、フリーレン一行、武道僧(モンク)のエルフであるクラフトに出会い、長い冬(半年)を山小屋で過ごす。(3巻)

勇者ヒンメルの死から29年後

  • 北側諸国シュヴェア山脈、剣の里、フリーレン一行、山の主を倒す。(3巻)
  • 北側諸国アペティート地方、フリーレン一行、シュタルク18歳の誕生日を祝う。(3巻)
  • 北側諸国アルト森林、フリーレン一行、僧侶ザインを仲間にする。(3~4巻)
  • 北側諸国ラート地方、フリーレン一行、フェルンの誕生日を祝う。(4巻)
  • 北側諸国パンデ森林、フリーレン一行、鳥型の魔物の襲撃に遭い、フリーレンがヒンメルから貰った指輪を探す。(4巻)
  • 北側諸国ラオブ丘陵、フリーレン一行、混沌花の亜種を倒す。(4巻)
  • 北側諸国、要塞都市フォーリヒ、フリーレン一行、北側諸国の三大騎士オルデン家の依頼を受け、英雄の息子の死を隠すため、瓜二つのシュタルクが息子に偽装して社交会に出席する。(4巻)
  • 北側諸国クラ―地方、フリーレン一行、ドワーフのフォル爺を訊ねる。(4巻)
  • 北側諸国ローア街道、フリーレン一行、戦士ゴリラの行先とされる交易都市テューアを目指す僧侶ザインと別れる。(4巻)
  • 北側諸国オッフェン群峰、フリーレン一行、フェルンの風邪の治療をする。(4巻)
  • 北側諸国キュール地方、魔法都市オイサースト、フリーレン一行、フリーレンとフェルンが大陸魔法協会の一級魔法使いの試験を受け、フェルンが合格する。(4~7巻)
  • 北側諸国ザオム湿原、フリーレン一行、封魔鉱の洞窟を探索する。(7巻)
  • 北側諸国ザンフト大森林、フリーレン一行、シュタルクが一級魔法使いヴィアベルに勧誘される。(7巻)
  • 北側諸国ファーベル村、フリーレン一行、南の勇者の銅像を磨く依頼を受ける。(7巻)
  • 北側諸国ダッハ伯爵領、フリーレン一行、ダッハ伯爵の依頼を受け、剣の魔族を倒して宝剣を奪還する。(7巻)
  • 北側諸国エトヴァス山地、フリーレン一行、秘湯を訪れる。(7巻)
  • 北側諸国、城塞都市ハイス、フリーレン一行、フェルンとシュタルクがデートをする。(7巻)
  • 北側諸国ナーハリヒト地方、フリーレン一行、関所を越えて北部高原に入る。(8巻)
  • 北部高原ビーア地方、フリーレン一行、ドワーフのファスの依頼を受け、皇帝酒(ボースハフト)の遺跡の封印を解く。(8巻)

勇者ヒンメルの死から30年後

  • 北部高原ノルム商会領、商会本部、フリーレン一行、80年前の借金返済のため、フリーレンが鉱山にて銀鉱を発見する。(8巻)
  • 北部高原ルーフェン地方、フリーレン一行、フェルンが大陸魔法協会から魔族討伐依頼を受け、北部高原の魔族討伐任務をこなす一級魔法使いのゲナウとメトーデと共に魔族の将軍である神技のレヴォルテとその配下を倒す。(8巻)
  • 北部高原ドラッヘ地方、フリーレン一行、村人の依頼を受け竜の群れを倒す。(8巻)
  • 北部高原コリドーア湖、フリーレン一行、船賃を稼ぐため、勇者ヒンメルの日記を見つけ、結果的に日記はフリーレンが受け取り、湖を渡る。(9巻)
  • 北部高原トーア大渓谷、フリーレン一行、ドワーフのゲーエンの依頼を受け、大型の鳥の魔物たちを倒し、ゲーエンの作った橋を渡る。(9巻)
  • 北部高原シュマール雪原、フリーレン一行、路銀を稼ぐために聖雪結晶の鉱脈に結界を張る依頼をこなす。(9巻)
  • 北部高原ヴァイゼ地方、フリーレン一行、一級魔法使いレルネンの依頼を受け、七崩賢の黄金郷のマハトによって黄金に変えられた城塞都市ヴァイゼの結界を管理する一級魔法使いデンケンに協力し、マハトとマハトに協力する大魔族ソリテールを倒し、城塞都市ヴァイゼの黄金の呪いを解く。(9~11巻)

勇者ヒンメルの死から31年後

  • 北部高原エルンスト地方、フリーレン一行、村人の依頼を受け、統一帝国時代(1,000年前)の大魔法使いフランメが作ったゴーレムを機能停止にする。(11巻)
  • 北部高原ヴィッセン山脈、フリーレン一行、薬草家の依頼を受け、出自不明の木の実が天脈竜の背の独自の生態系に由来することを突き止める。(11巻)
  • 北部高原キーノ峠、フリーレン一行、女神の石碑に立ち寄る。(11巻)

「RTA in Japan Summer 2023」鑑賞

「RTA in Japan Summer 2023」の鑑賞メモ。



FF6。バグ技が面白い。よくわからん。スゴイ。



ロックマンX4。恒例のゼロ滅多斬り(SDC)が爽快。



スーパーメトロイド。針の穴を通すような精密プレイ。



ダークソウル リマスタード。飛んでいるカラミットを魔法で倒す…。

2023年8月11日/アイスコーヒー

土曜日と日曜日の午前中に連続で屋外のランニング兼散歩をしたところ、翌日に疲れを持ち越してしまった。最近は日焼けで顔にシミが出きるようになったため、キャップを被っている。年齢によって物事のやり方は変わるものである。

7月末から客先がお盆休みに入ったのか、大雨の影響なのか、事務所の電話が鳴らなくなった。冷房の効いた静かな空間は良いものである。処理しなければならない仕事は多くあるが、とりあえず連休の素晴らしさを感じている。

朝の出勤の際、住宅街にある相撲部屋の前を通っている。最近は道路でまわしを付けた力士がホースの水を身体に浴びている。

セブンイレブンとファミリーマートのアイスコーヒーを美味しく飲む。最近はエチオピアがトレンドなのだろうか。自宅ではホットしか淹れないつもりだったが、我慢できずに氷をつくってアイスコーヒーやアイスカフェオレを飲むようにした。生き方のクオリティが少し上がった。一方、冷たいものの飲み過ぎで腹を下した。

セブンイレブンのカレーフェス、全ての種類のカレーを食べた。今回のエリックサウスと魯珈は以前より美味しく感じた。カシミールカレーは辛かった。

今月はBandcamp Fridayがあったので音源をまとめて購入する。今回はクラシックの声楽に興味を持ちソプラノ歌手の音源を購入してみた。声の高さがヒンヤリとした印象で夏に合う。

勝田文のホットでクールなグルーヴィン・ラブコメディ「バードランドの皿」を第2話をクッキー2023年9月号にて読む。雑誌の表紙はときめきトゥナイト(りぼんに連載をしていたことは知っているが当時は読んでいなかった)。今回はフランス料理が登場し、秋生の本名も明らかに。今更気が付いたが、主人公の名前はサラで題名に掛かっていた。話の流れはファジーに感じるものの、わかりやすい絵とディテールが相まって何とも言えない世界観が表現されている。

岩本ナオ「マロニエ王国の7人の騎士」8巻を読む。ハラペコ編のクライマックス。ハラベコのみ他の兄弟と比較して異形が過ぎるのではないかと思ったものの、そもそも眠くないは夜そのもので、獣使いは動物的な冷酷さと孤独を併せ持っていた。今後の兄弟もどのような変化を見せるか判らず、驚くほどのことではないのかもしれない。

絹田村子「数学であそぼ。」10巻を読む。流し読みになったので改めて再読したい。

2023年6月18日/サラのスキャット

帰宅途中にYOASOBIのアイドルのピアノの旋律が聴こえた。


仕事で秩父に行き、秩父と言えば『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』だと思いアニメを観た。めんまが蘇った理由は主人公のためであったことに複雑な気持ちになった。私が観た仕様だとオープニングがGalileo Galileiのサークルゲームになり、爽やかで良かった。


町田洋の『砂の都』『日食ステレオサウンド』を読んだ。『惑星9の休日』が気に入って以来、著者の作品は楽しみにしている。


『ボロボロのエルフさんを幸せにする薬売り』という漫画を読んだ。無料である。1枚絵の情報量が多く、読み難さがあるものの、面白かった。


『その着せ替え人形は恋をする』の影響で魔法少女ものの作品を楽しんだことがあるのかと思い、過去にアニメを観ていたCLAMPの『カードキャプターさくら』を読んだ。現在も続編が連載されており、一先ず「クロウカード編」「さくらカード編」を読んだ。安心して読める王道の展開が素晴らしいと思った。


勝田文の新作『バードランドの皿』を読んだ。連載雑誌は「クッキー」。勝田文らしい展開のようだが題名の通りジャズが盛り込まれており、絵の雰囲気も含めてクールな印象である。なお「クッキー」にはいくえみ綾『ローズ ローズィ ローズフル バッド』が連載されている。また、日高ショーコ『日に流れて橋に行く』が面白かった。

2023年5月のコンテンツ

福田晋一『その着せ替え人形は恋をする』を読んだ。着せ替え人形と書いてビスク・ドールと読む。適度な伏線をきちんと回収していく小気味良さがある。主人公の海夢(まりん)は前向きだが恋に臆病になるオタクなギャル。すっかり夢中になり、アニメも全話観た。期末テスト後に行く海や最終話の花火のシーンは圧巻だった。なお、動きが多い回の前後に止め絵が多くなるのは予算の影響だろうか等と友人に勧められて読んだ東洋経済のアニメ特集を読んで考えた。マンガの続きとアニメの続編が楽しみである。



ゴールデンウィーク後、仕事に追われることになり、アニメやゲームの音楽を聴いてやり過ごすことになった。NES BAND/SUPER NES BANDの演奏が良い。また、FF4とFF6のピクセルリマスターのサウンドトラックも聴いた。FF6の「仲間を求めて」が好きなのだが、歌詞付きがあることは知らなかった。





推しの子はアニメの第1話を観た。きちんとYOASOBIを聴いた。スキップとローファーのオープニングの須田景凪を含めて、ボカロの影響を受けた音楽をアニメを通じて聴けたと感慨深い。




2023年5月16日/コーヒー・余生・青春・慰め

コーヒー豆を購入して飲むようになり、約5ヶ月が過ぎた。別に数えている訳ではないのだが、コーヒーフィルターの使用量からコーヒー200杯を飲んでいることが判っている(喫茶店で飲むこともあるから200杯以上だ)。さて、職場や自宅の近くの焙煎所、喫茶店等でコーヒー豆を買うようになり、最初に困ったのは浅煎りのコーヒーの強烈な渋みだった。喫茶店店主の友人に相談したところ、お湯を通常より多めに使用すると美味しく飲めるとのアドバイスを貰った。確かにお湯を多め、もしくは豆の量を少し減らすと飲みやすい。


ゴールデンウィークは読書とランニングと動画鑑賞(仮面ライダー)で終わった。素晴らしい時間だったのだが、これを友人に話したところ、「まるで余生じゃん」との指摘を受けた(その直後に友人は「失礼な発言で申し訳ない」と謝罪した)。むしろ私は友人の発言に納得してしまった。


初代仮面ライダーを14話まで観た。途中から本郷猛の出演が無くなった。これは本郷猛を演じる藤岡弘が怪我で出演ができなくなったためらしい。なお、仮面ライダーのスタントも藤岡弘がしていたという。シン・仮面ライダーはそういった点も踏襲しているのだろうか?ワンクール(13話)が終わると本郷猛はショッカーを追って国外へ、緑川ルリ子も本郷を追って国外に赴いたとの説明がなされる。そして登場するのが仮面ライダー2号である。また、取り巻きの1人に山本リンダが演じる女性が登場、非常にクネクネとして動きを見せる。


友人からスキップとローファー、推しの子、PSYCHO-PASS劇場版を観たとの報告を受ける。その中でお勧めとして紹介されたのがスキップとローファーである。試しに観たところ、高校生たちの感情の機微が丁寧に描かれており、非常に面白かったため、アニメを全話観て原作の既刊も全て読んでしまった。青春は束の間である故に描かれるべきである。


三島由紀夫の著作を適当に購入し、まずは仮面の告白を読んでみたものの、興が乗らない。そのため、久しぶりに平野啓一郎の日蝕を手に取ったものの、やはり、そこまで読む気にならない。こういうこともある。


子供の頃、自宅に小さなシンセサイザーがあった。シンセサイザーには楽曲が収録されており、その中で非常にノリの良い面白い音楽があった。それは後に気が付くことではあるが、YMOのRYDEENだった。その後、リゲインEB錠のCMで流れるenergy flowを何度も聴いた(当時は音源を購入するお金が無かったため、テレビ等で能動的に聴いたのだと思う)。energy flowのヒットに際して、当時のメディアでは癒やしという言葉がよく使われていたと思うのだが、矢野顕子はenergy flowを癒やしでなく慰めだと評したという(ただし、今となって矢野顕子の発言の出典は不明である)。


4月に聴いた音楽について調べ始めたところ、全く終わる気がしない。今後は個別に記事化した方が良いのかもしれない。

『「かっこいい」とは何か?』『サロメ』

平野啓一郎著『「かっこいい」とは何か?』、オスカー=ワイルド著、平野啓一郎訳『サロメ』を読んだ。

『「かっこいい」とは何か?』

著者の『三島由紀夫論』を読むにあたり、まず本書を読んだ。
本書は書名の通り「かっこいい」を論じており、その基準は「しびれる」という体感になるという。しかし、本書の面白さは「かっこいい」を論じるにあたり、著者自身がこれまでの作品やエッセイ、評論等で言及したきた三島由紀夫、マイルス=ディヴィス、ドラクロワ、ワイルド、ジャズ、ロック、モード等の多岐に渡る話題を扱っている点にある。2010年代中盤まで著者の話題をフォローしていたつもりだが、台詞を諳んじることができるほど映画「仁義なき戦い」が好きなことは知らなかった(平野啓一郎の「仁義なき戦い」論を読めるのは本書だけ?)。著者の思想は「分人主義」を論じた『私とは何か「個人」から「分人」へ』(2012年)にまとめられているが、文化論は本書が重要な役割を担っていると思う(「かっこいい」という観点からにはなるものの)。


『サロメ』

『「かっこいい」とは何か?』が面白く、同書でも論じられているオスカー=ワイルドの本書も読んだ。
本書は宮本亜門が舞台演出をするにあたり、格調高い旧訳の扱いが困難と考え、依頼を受けた平野啓一郎が現代語訳を手掛けることになったという。宮本亜門が演出した「サロメ」(2012年)の主演は多部未華子。
本書は聖書マタイ伝の領主ヘロデ王とヘロディアの結婚(近親相姦)を非難した洗礼者ヨハネ(本書ではヘブライ語表記の「ヨカナーン」)の斬首を題材としており、ヘロディアの娘のサロメがヨカナーンに恋するも拒否されたためにヘロデ王の前で踊る代わりにヨカナーンの首を欲して斬首に至るまでが描かれる。
私は国際芸術祭「あいち2022」でオペラのサロメをモチーフにした百瀬文「Jokanaan」を鑑賞して「サロメ」に興味を持った。「Jokanaan」は映像が左右2つある。左の映像ではモーションキャプチャーを付けた男性がオペラに合わせて歌い踊るように振る舞う。そして、右の映像ではCGの女性が男性のモーションキャプチャーのデータを元に歌い踊るように振る舞う。男性とCG女性が呼応しているように見えて呼応していない。高らかにオペラが歌い上げられるなか作品の理解に努めようと試みるものの、生身の男性の振る舞い、滑らかな質感のCGの女性がヨカナーンの首の血に染まる映像が先に展開してしまう。リアルタイムで作品の生成と事後を味わう得難い体験だった。

aichitriennale.jp
ayamomose.com

2023年5月1日/ゾゾの町・令和4周年

『ファイナルファンタジー6 ピクセルリマスター』をプレイしている。コーリンゲン村でシャドウを発見。ここでパーティーに空きがあれば仲間にできるようだ。ロックのレイチェルのイベントが発生。ロックがやたらと「守る」と連呼するのはここに理由があるらしい。ジドールを経由してゾゾに到着。過去のプレイではここで長居していたのだがあっという間にボスのダダルマー戦になった。時計の謎解きは一から行った。てっきり嘘つきの住人の話をまとめると時計の時刻が判るのかと思いきや消去法で複数の答えが残った(俺が馬鹿なだけで住人の回答で1つの回答を導き出せるのかもしれない)。ノートに住人の説明と時計の選択肢をまとめ、残った選択肢をしらみつぶしに答えていき、回転のこぎりを手に入れた。今までは特に気にしなかったが、魔石が手に入ったため、ここから各キャラクターの育成が可能になる。セリスとロックの固定枠があるものの、ナルシェまで戻ってカイエンとガウ、あとはシャドウの育成をしても良いのかもしれない。

store.steampowered.com

FINAL FANTASY VI

FINAL FANTASY VI

  • SQUARE ENIX
  • ゲーム
  • ¥2,600


三島由紀夫の著作がKindleにあるのかと思いきや電子書籍化されていないことを知った。インターネット上で調べた限り、TPPによる著作権の期間延長の影響もあるらしい。これから文庫本を買い集めることにする。


佐賀崎しげる (原作), 鍋島テツヒロ (イラスト), 乍藤和樹 (漫画)『片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~』の漫画版を読む。原作も少し読んでいるものの、漫画版には絵の表現によるテンポの良さがある。


令和5年5月1日、令和が始まってちょうど4年が経過した。別に令和にこだわりは無く、この日は友人が喫茶店を開店した日になるため覚えている。友人に開店5周年おめでとうとメッセージを送ったら4周年だと訂正があった。友人の店の情報は以下のInstagramを参考にして欲しい。

2023年4月15日/変化

春の風はこんなに強いものだったか?シャツがバルコニーの床に散らばっていた。


スパイスを使用するカレーを作る一方、ルーを使用したカレーを食べたくなることもある。市販のルーだと最近はジャワカレーを食べている。よく行くチェーン店はカレーショップC&C。ここでカレーを食べると更に空腹になることが多い笑。先月はセブンイレブンのカレーフェスの新商品を色々と食べた。店舗で食べたことがあるものはエリックサウスのみだった。味に再現性があるかは判らなかった。しかし、スパイスの味わいを感じることができた。外出先のレンタカーでカレーを食べた際、トレイからこぼれたカレーの匂いが車内に満ち、食い意地を張るものでは無いと思った。


統一地方選挙の前半戦が終わる。維新が増えた印象を受ける。維新について色々と書こうと思い、ふと昔の選挙を調べたところ、以前から維新が議席を増やす度に話題が上がっていた。人はよく忘れるものである。一方、西田亮介氏の維新は政策ではなく雰囲気が支持されていることを示唆する発言を見掛けた。そして、ふと、出掛けた先の駅前で車椅子を使用した障害のある男性が維新のチラシを配っており、少なくとも彼にとって維新は支持すべき政党と認識されているのだなと意外に思ったことを思い出した。結局のところ、内実ではなく印象だけで物事を判断しているのは自分なのだと反省した。


新年度の慌ただしさに精神的な落ち込みの予兆を感じ、自分を慰めるため、『僕の奥さんはちょっと怖い』『年上エリート女騎士が僕の前でだけ可愛い』『アリスさんちの囲炉裏端』を読んだ。『アリスさんちの囲炉裏端』は以前に何話か読んでおり、ふと最新話を読んだところ、主人公たちの関係がかなり進んでいることに驚き、何があったのか物語を追うことになった。また、『黒と誠』の最新刊も読む。


仕事で外出したところ、ドタキャンがあった。時間を持て余したので本屋で帰りに購入しようと思っていた『本の雑誌 2023年5月 活字吹雪でお別れ号 No.479』を手に入れる。本号は目黒考二の追悼特集がある。「本の雑誌」を購入するのは初めてのことだ。レジに赴いたところ、村上春樹の最新作「街とその不確かな壁」が積まれており、今日が発売日だったことに気が付く。未だに『騎士団長殺し』や短編集を読んでおらず、直ぐに読む必要は無いと考えている。そして目下「ねじまき鳥クロニクル」を読み直そうと思っていたため、これを機に「ねじまき鳥クロニクル」のKindle版を購入して読み始めた。その他、藤田直哉の『新海誠論』を探すも在庫が無かったため、翌日の仕事の帰りに別の本屋に寄って手に入れた。


最寄りのジャズ喫茶で購入した本をパラパラとめくる。Chet Baker『Baby Breeze』収録「Born to Be Blue」が流れる。UA×菊地成孔以外の「Born to Be Blue」を聴くのは初めてだ。非常にセクシーな雰囲気である。ブルーは貧困を意味するらしい。勝手に悲しみや透明感を連想していた。


気分的な落ち込みから回復し、自分の中で変化を起こすことにした。まず、現状のTwitterに不満を感じたため、思い切ってSNSを辞めることにした。とりあえず、TwitterやInstagramのアカウントを削除した。その他、アカウントや閲覧サイトを整理して主体的な時間を取り戻そうと思う。

2023年4月2日/在りよう

3月に聴いた音楽をブログにまとめる時間が掛かった。


友人に勧められ「すずめの戸締まり」について話し合われている文化系トークラジオLife「文化系大忘年会2022 Part5」のポッドキャストを聴いた。数年振りの視聴になる。同番組の初期クルーである津田大介氏も久々に参加していたらしく「Lifeってこういう番組だったな」との発言に笑って共感した。今では毎回の司会をしていないらしいものの、Charlieこと鈴木謙介の話の切り分けやまとめる力に改めて感心してしまった。「すずめの戸締まり」は未だ考えることがあり、観て良かったと思う。
www.tbsradio.jp


絹田村子「数学であそぼ。」、wako「サチコと神ねこ様」、山田鐘人(原作)アベツカサ(画)「葬送のフリーレン」の新刊を読む。「葬送のフリーレン」は黄金のマハト編が長編になっている。本巻で終わると思っていた。


近藤康太郎「三行で撃つ」を読んだ。副題は「〈善く、生きる〉ための文章塾」。文章を書くことが生き方に繋がるという考えの下、文章の書き方が指南されている。本書を読み終え、意識してブログを書いている。お陰でこれまでの冗長な文章は減ったと思う。本書を念頭に紋切り型の言葉を選ばないようにするだけで考える時間が増えた。読了後に「百冊で耕す」が出版されていることを知った。


スティーブン=スピルバーグ監督「フェイブルマンズ」、庵野秀明監督「シン・仮面ライダー」を観た。どちらも作品に没入できず、自分の感性を疑うことになった。フェイブルマンズは映画を撮ること、撮らないではいられないことについて、スピルバーグの思想が明らかにされている。「シン・仮面ライダー」は面白く無いと思った。しかし原作を途中まで観てから臨んだ「シン・ウルトラマン」は面白かった。もしやと思い、You Tubeで無料公開されている初代仮面ライダーの1~2話を観た。やはり、原作を視聴の有無で印象が違う。仮面ライダーがそこに立ち、ジャンプをするとそこにいる理由、答えは初代仮面ライダーにあった。つまらないと感じた原因は教養不足だった。煩わしいと思われても言う。初代仮面ライダーの1~2話だけでも観て映画を楽しめ。私は4話まで観た。なお98話まである。


料理研究家リョウジのトマトパスタの作り方を参考にフライパン1つでスパゲティーを作っている。私は鷹の爪、にんにく(チューブ入り)、ひき肉、塩、カレーパウダー(ひき肉の臭みの除去を目的としている)、生姜(チューブ入り。これはお好み)、トマト缶のカットトマトを炒め、コップ2杯半程度の水を入れてパスタを煮詰めている。洗い物が少ない。パスタとソースが分離しない。味が染みる。美味い。


終わった仕事にクレームが2件連続で入る。悪いことは続くものである。これからも客の心をえぐり引き裂く仕事を心掛けて生きたいと思う。

2023年2月19日/愛すべき存在

Fallout4をプレイしている。シルバー・シュラウドのクエストをクリアする。以前のプレイでは衣装を手に入れるところまでしか進めていなかったらしい。こんなに長いクエストだったかという感想。シンジンがケントを人質に取った戦闘では会話を何度も繰り返しようやくシンジンを一撃で屠ることができた。また、カボット邸の人々に由来するスペシャルデリバリーのクエストもクリアする。長生きをしているのは主人公だけでは無かったらしい。その後、ドッグミート以外のコンパニオンを連れて行動しようと思い、パイパーと共に行動を開始する。正直、口喧しい印象だったが、一緒に行動すると素直で、ミニッツメンのお使いをこなしたところ、あっという間にロマンスを起こすことができた。唯一パイパーを仲間にして反感を買ったのはUSSコンスティチューションのクエストでスカベンジャーでは無くロボットの味方をした時のみだった。パイパーは人間中心主義らしい。その後、パイパーと共にコーサーを追いかけて始末し、コーサーチップを手に入れ、テレポーテーション装置の制作に取り掛かる。パイパーの次はなかなか癖が強いと評判のケイトと共に行動を開始し、バンカーのお使いやUSSコンスティチューションのクエストをこなす。USSコンスティテューションのオチはコミカルだった。現在の状態を整理するとミニッツメンはオールドガンのクエストまでクリア済みになる。なお、友好拠点の防衛要請に気が付かず、防衛に失敗することも増えてきた。BOSはプリドゥエンの傍にあるストロング砦のクエストをクリア済みになる。レイルロードはデリバラーやバリスティック・ウィーブは入手済みになり、ちまちまMILAを設置している。レベルは42になり、思い出せる限りだと、ガンナット、アーマー、スニーク、スクラッパー、アクアボーイのパークは最大まで強化している。現在はサイエンスとストロングバックの強化中。そろそろカリスマを育てて友好拠点の供給を繋げたいとも思っている。

目黒考二の急逝を知る。漫画「黒と誠」の影響を受け、目黒考二の「1人が3人」を読んでおり、次は「本の雑誌風雲録」を読もうと思っていたところだった。残念である。哀悼の意を込め、「本の雑誌風雲録」と椎名誠の「本の雑誌血風録」が収められた「社史 本の雑誌」を購入し、現在は「本の雑誌風雲録」の部分を読み進めている。

東京藝術大学の卒業・修了展に赴く。久しぶりに大学の構内に入り、箱庭は大事だなと思っていたところ、各作品にコロナの影響が見受けられ、彼らは自分が思い描いたような大学生活を送れなかったことを知る。各作品の才気と熱量に圧倒されながら、卒業後にこの才気と熱量は一体どこに向かっていくのだろうか等と考えた。

Twitterの漫画広告を入口に冬月光輝の「完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる」を第一部まで読む。

「修羅の紋」第6巻を読み終える。金剛やら無刀金的破が有能過ぎる。

2022年の美術館・芸術祭の鑑賞

2022年は美術館に行く機会があった。

東京都現代美術館「ユージーン・スタジオ 新しい海」「Viva Video! 久保田成子展」「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」「MOTコレクション Journals 日々、記す vol.2」

www.mot-art-museum.jp
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「ユージーン・スタジオ 新しい海」は映画のセットの中にいるような感覚になリ、現実との乖離を感じた。一方で、芸術と現実が乖離していることが芸術の価値を必ずしも毀損しないのは言うまでも無い。むしろ何故そのような問いが自分に生まれたのかということが問題であろう。ウェブを通じてあらゆる情報が得られるなか、我々は自分ができる経験が極々狭いものであることを知っている。その中で如何に想像力を持ち、人々の経験や心情に迫り、寄り添えるのか。逆に言えば、ウェブを通じて得られるぼんやりとした想像力、これこそ、思慮深さに欠けるものの、普遍性と捉えられるのではないのか。ただし、単純化することは、複雑なもの、都合の悪いものを描かない、もしくはあらゆるものを包含した体裁を整えられるということである。作品がもたらすカタルシスの前に個人の経験や違和感を失念する必要は無い。これらを区別して言語化することこそ物事を考える基礎になる。まずはそれからだ。
「Viva Video! 久保田成子展」は作品の一つである大晦日の死期が迫る父親を撮影した作品に見入ってしまった。個人的な経験こそ、翻って普遍性を持ち得るという具体的な証左ではないかと思った。
「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」「MOTコレクション Journals 日々、記す vol.2」は疲労できちんと鑑賞できなかった。

国際芸術祭「あいち2022」

aichitriennale.jp
シルバーウィークを利用して鑑賞。愛知県の各地区で開催されており、私が訪問したのは愛知芸術文化センターと有松地区の展示になる。
多くの作品を鑑賞してすぐに挙げることができるのは有松地区のAKI INOMATA、愛知芸術文化センターのPablo Dávila(パブロ=ダヴィラ)になる。
AKI INOMATAの有松生地を使用したミノムシの展示になり、ミノムシが作り出した色鮮やかな生地の蓑に心を奪われることになった。
Pablo Dávilaは特にオープンリールを使用したフレンドリー・リマインダーというミニマルな音楽作品をずっと聴いていた。以下はYou Tubeで確認できるPablo Dávilaのフレンドリー・リマインダーの映像になる。
youtu.be

2023年1月22日/政治性の希薄な労働生産性

村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を読み終えて、スマートフォンから目を離し、窓を除くと雲の隙間から太陽の光が差し込んでいる。名古屋を向かう新幹線の中、本を読み終えた高揚感の影響で、陽射しに生の喜びのようなものを感じる。物語の主人公である計算士の主人公は、とある事情で自らの意識が消滅することになっており、意味の無い人生だったと言いつつも、この現実に愛着があったことを示していたことも影響していた。私たちが生きている世界の素晴らしさ、この世界は既に満ち足りているのだ等と言葉にしつつ、高揚感が冷めていく中、この言葉はこの瞬間の自分にしか通用しないのだと思う。おそらく、このような精神状態の持続は傍から見れば、宗教的で自己啓発的なものでしかない。一時的に有用でこそあれ、経済性や公共性を伴う社会においては、この世界に満ち足りている存在は例外なのだ。少なくとも私のような個人に社会が求めているのは労働生産性といった経済的なものだけだろう。しかも、公共性と言っても、その内の政治性はおそらく無ければ無いほど良いのだ。つまり、私に求められているのは、世の中にタダ乗りしない個人なのでは無いだろうか…言い換えれば、私が社会から求められていると想定するのは政治性の希薄な労働生産性だけである。このような帰結に至るのは、私の社会性といえる部分が仕事による形でしか無いためであろう。社会学の本を読めば、日本という国は仕事に従事することが前提となった社会であり、公共の福利厚生は会社員になることで受けられるという。これが思想と言えるかは不明になるものの、こういった思想があと二、三歩で行き着く先は、公共性が無いもの、経済性の無いもの、そういった存在を排除する差別的な思想であったとしても驚かない。そもそも、個人に求められるのが経済性だけであるという時点で偏りがあるのではないか?このような状態から逃れるために私は本やゲーム等にのめり込むのかもしれない。

2023年1月13日/2022年を振り返る

2022年の大きな出来事は長年住んでいたアパートの取り壊しに伴い引越をしたことが挙げられる。大学卒業に伴い、職場近くのアパートに引越をした。結局その職場は3ヶ月で辞めたものの、特に貯金ができる訳でもない20代を過ごしたため、自分の年齢と同じ築年数のアパートに長年住み続けることになった。アパートの取り壊しは近隣の土地・建物を所持するオーナーが死亡したことによる。オーナーには法定相続人がおらず、国選弁護人が財産を管理することになり、土地・建物は競売に掛けられたという。気が付けば近隣の複数のアパートの住人がいなくなり、近くの家主の自宅もあっという間に更地になり、更地に立つ低層マンション建築の説明会に関する知らせがポストに投函されていた。街の風景が変わるのは資産を持つ1人の生き死にに由来するものなのだと感慨深かった。

引越等の環境の変化の影響か、気分の波の影響か、割りと気落ちしている期間が多く、仕事でも客からクレームが入った影響で、2022年終盤から現在、仕事量が減った。ある意味、助かるものの、現状の仕事でしくじると後が無いとも言える。この辺りはなるようしかならないだろう。

読書に関しては、指輪物語を読み終えたこと、村上春樹の初期作品を再読したことが良かった。10代の頃に背伸びをして手に取った本を改めて読み直して理解を深める時間は喜びが多かった。今後は10代の頃に多読した椎名誠の作品等を再読しようかと考えている。後はどれだけ積んでいる本を読めるかといったところか。

昨年は映画館で観た作品はシン・ウルトラマンとすずめの戸締まりのみだった。映画に関しては、今後は古い作品等を暇があれば観たいと考えている。

ゲームに関してはようやくDARK SOULS REMASTEREDをクリアしたことは感慨深い。とりあえず、今後はクリアをしていないFallout4とFINAL FANTASY4(3D Remake)をクリアしたいと考えている。

友人の影響を受け、ここ数年は喫茶店等でよくコーヒーを飲んでいたのだが、年末にようやく、手動のコーヒーミルを購入し、自宅で焙煎豆のコーヒーを淹れて飲むようになった。今後は沼に陥らない程度に美味いコーヒーを淹れることができるようになりたいと考えている。