スローターハウス5/仮面の告白/高い城/web小説

年末年始の読書記録。web小説を除くと過去を振り返る物語を読んでいた。しかし過去の振り返り方も一様では無かった。

スローターハウス5

カート=ヴォネガットジュニア著、伊藤典夫 訳『スローターハウス5』。
今年は結果的に第二次世界大戦を扱った映画作品を観た。これを機に第二次世界大戦におけるドレスデン爆撃を扱った本書を手に取った。
スローターハウス(Slaughterhouse)は動物を屠殺する建物を意味し、本書の題名はアメリカ人捕虜が過ごした食肉処理場を指す。
直線的な過去の振り返りの物語では無い。昨今で言えばテッド=チャン著「あなたの人生の物語」のように通常とは異なる時間軸から人生が振り返られる。

仮面の告白

三島由紀夫 著「仮面の告白」。
平野啓一郎「三島由紀夫論」を読むにあたり、三島の著作を複数購入し、手始めに本書から手に取ったものの、序盤を読んでは最初から読み返すという状況に陥っていた。そのため、最後にはおそらく第二次世界大戦に関する話題が出るだろうという当て推量で一気に読み進めた。序盤は三島の性的指向等に関する話題が続き難儀だった。後半は第二次世界大戦と友人の妹の女学生に関する話題が増え読み易い。

『高い城・文学エッセイ』

スタニスワフ=レム著『高い城・文学エッセイ』より芝田文乃 訳「高い城」、沼野充義 訳「偶然と秩序の間で―自伝」を読む。
年末年始の休みを機に手に取った。

高い城

著者の幼年期からギムナジウム時代の記憶を言及した作品。
いわゆる自伝ではなく、主に物や何やらについての記憶であり、最終的に著者の思想等が語られるに至る

「偶然と秩序の間で―自伝」

題名の通り簡単な自伝。レムの自著に関する評価や執筆経過等が語られる。

web小説

『バスタード・ソードマン』

308~311話まで読む。
遂に主人公モングレルのギフト(能力)の一端が明らかになった。

「バスタード・ソードマン」作品情報

『落ちこぼれ衛士見習いの少年。(実は)最強最悪の暗殺者。』

第一章(33話)まで読む。
必殺仕事人と忍法帖シリーズ的ファンタジー小説。コミカライズ版あり。
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