新世界より

貴志祐介 著『新世界より』を読んだ。第29回日本SF大賞受賞作。漫画やアニメ版もある。

人間は呪力と呼ばれるサイコキネシス能力を身に着けており、主人公の渡辺早季は神栖66町という注連縄で隔てられた集落で暮らしていた。しかしながら、主人公と同級生の仲間はふとした好奇心から自分たちの住む世界の歴史や成り立ちを知ることになる。

会社の同僚に貴志祐介の愛好者がおり、勧めれられて読んだ。
著者の作品は『黒い家』のみしか読んでいない。著者はサイコパスを題材にしたホラー作家という印象だが、元々は本作「新世界より」の原型をハヤカワSFコンテストに応募して佳作となったという経歴があるという*1
『黒い家』一冊しか著者の作品を読んでいないにも関わらず、主人公たちが情け容赦無いサイコパスに追いかけ回される印象が強かったが、本作も同様の展開がある。これはホラーの王道の展開なのだろう。悪意盛り沢山の設定や仏教(密教)に基にした怪しげなサイコキネシス能力等、湿度高めのジメジメとした日本的な不快感が味わえる。