2022年の美術館・芸術祭の鑑賞

2022年は美術館に行く機会があった。

東京都現代美術館「ユージーン・スタジオ 新しい海」「Viva Video! 久保田成子展」「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」「MOTコレクション Journals 日々、記す vol.2」

www.mot-art-museum.jp
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「ユージーン・スタジオ 新しい海」は映画のセットの中にいるような感覚になリ、現実との乖離を感じた。一方で、芸術と現実が乖離していることが芸術の価値を必ずしも毀損しないのは言うまでも無い。むしろ何故そのような問いが自分に生まれたのかということが問題であろう。ウェブを通じてあらゆる情報が得られるなか、我々は自分ができる経験が極々狭いものであることを知っている。その中で如何に想像力を持ち、人々の経験や心情に迫り、寄り添えるのか。逆に言えば、ウェブを通じて得られるぼんやりとした想像力、これこそ、思慮深さに欠けるものの、普遍性と捉えられるのではないのか。ただし、単純化することは、複雑なもの、都合の悪いものを描かない、もしくはあらゆるものを包含した体裁を整えられるということである。作品がもたらすカタルシスの前に個人の経験や違和感を失念する必要は無い。これらを区別して言語化することこそ物事を考える基礎になる。まずはそれからだ。
「Viva Video! 久保田成子展」は作品の一つである大晦日の死期が迫る父親を撮影した作品に見入ってしまった。個人的な経験こそ、翻って普遍性を持ち得るという具体的な証左ではないかと思った。
「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」「MOTコレクション Journals 日々、記す vol.2」は疲労できちんと鑑賞できなかった。

国際芸術祭「あいち2022」

aichitriennale.jp
シルバーウィークを利用して鑑賞。愛知県の各地区で開催されており、私が訪問したのは愛知芸術文化センターと有松地区の展示になる。
多くの作品を鑑賞してすぐに挙げることができるのは有松地区のAKI INOMATA、愛知芸術文化センターのPablo Dávila(パブロ=ダヴィラ)になる。
AKI INOMATAの有松生地を使用したミノムシの展示になり、ミノムシが作り出した色鮮やかな生地の蓑に心を奪われることになった。
Pablo Dávilaは特にオープンリールを使用したフレンドリー・リマインダーというミニマルな音楽作品をずっと聴いていた。以下はYou Tubeで確認できるPablo Dávilaのフレンドリー・リマインダーの映像になる。
youtu.be