篠田節子著「ハルモニア」を読んだ。
クラシックギター奏者である猪居亜美の「Black Star」を聴いていたところ、日本テレビ系の土曜ドラマとして放送されていた「ハルモニア この愛の涯て」で演奏されていたフレーズを耳にした。テレビドラマではチェロの演奏だったが、印象的なフレーズが耳に残っていた。猪井亜美の演奏の楽曲を確認したところ、ニコロ=パガニーニの「24のカプリース(奇想曲)」とあり、福田進一の編曲によるものだった。
ニコロ=パガニーニはヴァイオリニスト・ヴィオリスト・ギタリスト・作曲家である。「24のカプリース(奇想曲)」はヴァイオリン無伴奏曲であるという。
テレビドラマでは堂本光一と中谷美紀が主人公とヒロインを演じていた。今日たまたまジムのテレビで堂本光一を見掛けたのだが、昔の容姿とほとんど変わりが無いことに驚いた。一方、中谷美紀について調べてみたところ、ヴィオラ奏者と国際結婚をしていた。
「24のカプリース(奇想曲)」を聴き、原作はどのような物語だったのかと本書を手に取った。著者の作品を読むのは初めてのことである。なお、テレビドラマの結末がどのようなものだったかは忘れてしまった。
後天的な脳障害で超感覚的知覚保持者の女性をチェリストの男性が個人教授をすることになる。女性は驚異的な才能を示していく一方、女性の周りで不可解な事象が発生する。作品紹介等を見るとホラー小説と記載されており、女性が音楽の才能と共に超能力を発揮する。しかし、この小説の面白さはそういった状況において、チェリストの男性と女性が「天上の音楽」のために全てを捧げ殉じる姿を描いているところにある。
- 作者: 篠田節子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/09/20
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