2017年に聴いた音楽を以下にまとめた(→2016年の音楽)。
アルバムをCDなりダウンロードで聴いており、未だにApple Musicなり、Spotifyと言った有料配信サービスは利用していないが、twitter等を閲覧する限り音源が充実してきたという評判を目にするようになった。おそらく、今後は有料配信サービスを使用することになるのではと考える一方、Bandcampの使い勝手が非常に良く、大手配信サービスでは聴けない楽曲をBandcampでダウンロードして聴いていくのではないかと思う。
何というか、非常にわかりやすいベタなメロディに心が奪われることが多くなっている気がしており、それがどういった理由なのかは判っていない。
今年は小埜涼子のNEW DUO seriesを聴いた。また、去年から引き続きバッハの楽曲をクラシックギタリストの益田展行、河野智美、打楽器奏者の加藤訓子、五嶋みどりの演奏で聴いた。
なお、聴取回数を確認したところ、トップはけもの『めたもるシティ』より「めたもるセブン」、次点はJeff Parker『The New Breed』、後は横並びに猪居亜美『Black Star』、Frederic Hand『Odyssey』、ねごと『ETERNALBEAT』だった。印象と結構違う。
大西順子のアルバム2枚のリリースも嬉しく、過去に遡って聴いていきたいと思っている。
アルトサックス奏者の吉田野乃子が参加しているトリオ深海の窓『目ヲ閉ジテ 見ル映画』の印象も非常に強い。
今年聴いたもので特に印象に残った作品は以下の通り。
猪居亜美『Black Star』
ねごと『ETERNALBEAT』
Frederic Hand『Odyssey』
三村奈々恵『マリンバ・クリスタル~祈り~』
Jeff Parker『The New Breed』
小田朋美『グッバイブルー』
河野智美『The BACH』
三舩優子/堀越彰『OBSESSION』
Keiichiro Shibuya『ATAK015 for maria』
けもの『めたもるシティ』
大西順子トリオ『Glamorous Life』
Daijiro Matsuda,Ryoko Ono『NEWDUO series 002』
Christian Scott aTunde Adjuah『The Centennial Trilogy CD Set』
トリオ深海ノ窓『目ヲ閉ジテ 見ル映画』
以下、聴取順の47曲の目次。クリックにて該当箇所へ。引用内の画像はAmazon、楽曲名はYou Tubeへのリンクとなっている。感想の程度は概ね聴き込み具合と比例する。
- Homei Yanagawa,Ryoko Ono『NEWDUO series 001』
- 益田展行『バッハ作品集』
- 猪居亜美『Black Star』
- ファジル=サイ『モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集』
- 五嶋みどり『バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ 全曲』
- ねごと『ETERNALBEAT』
- 宇多田ヒカル『Fantôme』
- 土岐麻子『PINK』
- SHAI MAESTRO TRIO『The Stone Skipper』
- Frederic Hand『Odyssey』
- クーベリック・トリオ/石川静、カレル=フィアラ、クヴィータ=ビリンスカ『ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第3番 & 第7番「大公」』
- 平野玲音/ペーター=バルツァバ『ピアニストのチェロ―ショパン:チェロ・ソナタ 他―』
- ECD + 空間現代『Live at Waseda 2010』
- 三村奈々恵『マリンバ・クリスタル~祈り~』
- 北村陽子『ドビュッシー:前奏曲 第1集 & 第2集』
- Jeff Parker『The New Breed』
- D.A.N.『TEMPEST』
- 小田朋美『グッバイブルー』
- 前田啓太『I Ching』
- 福田進一『マズルカ・アパシオナータ』
- Pablo Casals『Bach:Cello Suites』
- JAZZ DOMMUNISTERS『Cupid & Bataille, Dirty Microphone』
- 挾間美帆『Time River』
- Nik Bärtsch's Ronin『Holon』
- 河野智美『The BACH』
- 猪居亜美『Moonlight』
- 三舩優子/堀越彰『OBSESSION』
- Steve Lehman Octet『Mise en Abîme』
- Keiichiro Shibuya『ATAK015 for maria』
- GRAPEVINE『ROADSIDE PROPHET』
- 高橋悠治『エリック=サティ:新・ピアノ作品集』
- 加藤訓子『Bach:Solo Works For Marimba』
- ものんくる『世界はここにしかないって上手に言って』
- けもの『めたもるシティ』
- CP Unit『Before the Heat Death』
- Shuta Hiraki『Unicursal』
- 大西順子トリオ『Glamorous Life』
- 大西順子『Very Special』
- Daijiro Matsuda,Ryoko Ono『NEWDUO series 002』
- Christian Scott aTunde Adjuah『Stretch Music』
- Chris Pitsiokos,Ryoko Ono『NEWDUO series 003』
- Christian Scott aTunde Adjuah『The Centennial Trilogy CD Set』
- トリオ深海ノ窓『目ヲ閉ジテ 見ル映画』
- James McVinnie『Wesley: Organ Music』
- High Risk『Dark Territory』
- ねごと『SOAK』
- ねごと『Mizuki Masuda Remixes - EP』
Homei Yanagawa,Ryoko Ono『NEWDUO series 001』
- アルトサックスによる即興演奏で知られる柳川芳命と音楽家でアルトサックス奏者の小埜涼子によるデュオ。
- 即興演奏の妙を理解できているのかと言われると、理解できてはいない。しかしながら、やけに聴くタイミングによっては良くハマることもある。おそらくライブに行くのが一番の近道なのだと思う。
益田展行『バッハ作品集』
- クラシックギタリストの益田展行のバッハ作品集。 上記の引用楽曲に聞き惚れて聴いた。
- 去年からバッハのギター演奏を聴いていたため、山下和仁、福田進一のBWV1012を聴き比べてみたが、三者三様の解釈の違いが浮き彫りになる。その中でより優美さと端正さを感じるのは本作のように感じる。
猪居亜美『Black Star』
- はちすずめをきっかけに本作を聴いた。
- おそらく超絶技巧な楽曲を演奏している模様。
- パガニーニの24のカプリースを聴き、堂本光一と中谷美紀が主演のテレビドラマの「ハルモニア」を思い出し、篠田節子の同名の原作を読むという機会を得た。
- You Tubeの猪井亜美の動画を探すとファイナルファンタジーやニーア ゲシュタルト/レプリカントのBGMをギター用に編曲して公開しているようだ。
ファジル=サイ『モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集』
五嶋みどり『バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ 全曲』
パルティータ第3番ホ長調 BWV1006: III. Gavotte en rondeau
パルティータ第2番ニ短調 BWV1004: V. Chaconne
- 五嶋みどりバッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの全曲初録音のアルバム。
- とりあえず五嶋みどりと堀米ゆず子の演奏を聴き比べてみたが、音の伸ばし方とかに若干の違いが感じられた。
ねごと『ETERNALBEAT』
- BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之とROVOの益子樹がサウンドプロデューサーとして参加したねごとのアルバム。
- エレクトロニカなアルバムとなっており、「ETERNALBEAT」、「アシメントリ」、「Ribbon」を良く聴く。特にアシメントリのエコーが好き。
- ロックバンド的な路線はどのように継続するのだろうと考えていたら、何と年内に新たなアルバム『SOAK』が発表されて驚いた次第。
宇多田ヒカル『Fantôme』
花束を君に
二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎
真夏の通り雨
忘却 featuring KOHH
桜流し
- 当初は感情移入することは無かったものの、改めて聴くと良いなと思う。
- 「二時間だけのバカンス」、「桜流し」は良く聴いた。
- 「二時間だけのバカンス」のMVがスター・ウォーズだった。あと、宇多田ヒカルと椎名林檎が綺麗だなと月並みに思った。
土岐麻子『PINK』
SHAI MAESTRO TRIO『The Stone Skipper』
Frederic Hand『Odyssey』
- クラシックギタリストにして作曲家であるフレデリック=ハンドの作品。
- 表題曲の問い掛けのようなギターの旋律に心奪われる。
ECD + 空間現代『Live at Waseda 2010』
- 空間現代を聴くようになったのは、本作の動画を観たことが理由になっている。
- 本作はECDの闘病を支援するために空間現代がリリースした作品になるらしい。
- 「関係ねー」
小田朋美『グッバイブルー』
- 小田朋美のソロアルバム。
- 演奏・歌唱・歌詞に耳が離せない。前作『シャーマン狩り』と比較してより聴かせてくれる。
- 「北へ」、「マリーアントワネットのうた」は聴く度に鳥肌が立つ。
- 「陣痛かもしれない」
JAZZ DOMMUNISTERS『Cupid & Bataille, Dirty Microphone』
- 良かったのだが、そもそも余りラップを聴く訳では無いので比較ができない。
- I.C.Iは前作から引き続き登場。朗読に近いラップの間隙に切り裂くように登場するサックスが最高。
- 大谷能生こと谷王は「相模横浜オリジナルフロー」
河野智美『The BACH』
- クラシックギタリスト河野智美のバッハの演奏。聴かない訳にはいかない。
- 河野智美の編曲が多数を占めている。
- 柔らかな落ち着きのある演奏はバッハに対して親しみを感じさせてくれる。
猪居亜美『Moonlight』
三舩優子/堀越彰『OBSESSION』
- ピアノとドラムスによるクラシック演奏。
- 「ポロヴェツ人(ダッタン人)の踊り」をしっかりと聴くのは初めてだったのだが、その旋律に感銘を受けた。
- ファイナルファンタジーのBGMに似たようなメロディの曲があった気がする。
Steve Lehman Octet『Mise en Abîme』
- 以前ジャズを愛好する方々が年間のベストに挙げていた作品。
Keiichiro Shibuya『ATAK015 for maria』
- 渋谷慶一郎のATAKレーベルの配信解禁を機に聴いた。
- 久しぶりに感情移入して聴いて涙腺をうるませることを許した。
- 上記の掲載曲と比較して本作の「for maria」は相当意図的に重く演奏されている印象。
加藤訓子『Bach:Solo Works For Marimba』
- 加藤訓子の解説に「天上の音楽」という言葉があり、篠田節子の「ハルモニア」にも散見された。
- 音楽を直観することにより私が真理を得ることはできないだろう。おそらく私は感極まって得た状態を以て真理と勘違いするだけだろう。
- 教会で録音されており、響きがちょっと違う。
ものんくる『世界はここにしかないって上手に言って』
- 前作より洗練された印象で、一曲目の[Driving Out Of Town」から高揚感がある。
- 「透明なセイウチ」の間奏のキーボードが最高。
けもの『めたもるシティ』
- 表題曲「めたもるセブン」に感情を掻き立てられた。今を生かされているという所与を「時が私を選んだようです」と表現し、現在/2017年と近い将来に対する不安と期待を丁寧に描く一方、懐かしい印象も受ける。歌詞自体は東村アキコの東京タラレバ娘の影響があるらしい。
- その他だと「第六感コンピューター」が面白い。
- フィッシュ京子ちゃんのテーマも前作から引き続き収録。
CP Unit『Before the Heat Death』
- 今年来日したクリス=ピッツィオコス。やっと聴いたクリス=ピッツィオコス。
Daijiro Matsuda,Ryoko Ono『NEWDUO series 002』
- デス声とアルトサックスの競演。聴くと元気になる。
Christian Scott aTunde Adjuah『Stretch Music』
- トランペッターであるクリスチャン=スコットのアルバム。
- 本作と次の三部作『The Centennial Trilogy』で色々と挑戦しているらしいが、すんなりと聴けた。
Chris Pitsiokos,Ryoko Ono『NEWDUO series 003』
- 来日したクリス=ピッツィオコスと小埜涼子の競演。
Christian Scott aTunde Adjuah『The Centennial Trilogy CD Set』
- 『The Centennial Trilogy』は『Ruler Rebel』、『Diaspora』、『The Emancipation Procrastination』の三部作。本作はセット販売(ダウンロード版)。
トリオ深海ノ窓『目ヲ閉ジテ 見ル映画』
- 吉田野乃子が組んだトリオになり、映画のBGMのような音楽を演奏するグルーブらしいのだが、あれっと言う間にドライブするサックスが快感である。
James McVinnie『Wesley: Organ Music』
- 年の瀬にパイプオルガンで精神を清め、物事を省みようと「怖い絵展」で提供されたというSamuel Sebastian Wesleyの作品を聴いた。
- Samuel Sebastian Wesleyはオルガニストで作曲家となる。
High Risk『Dark Territory』
- 以前、Dave Douglasの『High Risk』を聴いたのだが、どうやらユニット名でもあったらしい。
- 『High Risk』と同様にドラムスはMark Guiliana。
- NEU!っぽい感じがする。
ねごと『SOAK』
- 前作『ETERNALBEAT』と同路線の作品だったため意外に思ったのだが、果たして次作はどうなるのだろう。
- 「WORLDEND」、「サタデーナイト」が好き。
- 本作を聴きながら、今村昌弘の「屍人荘の殺人」や弘綾辻行人の「十角館の殺人」といった新本格ミステリーを読んでいたため、聴いているとミステリーな気分になる副次効果が付いている。