鈴木三重吉の諸作品を読む

鈴木三重吉の諸作品を読んだ。

鈴木三重吉は小説家・児童文学者となる。東京帝国大学では夏目漱石の講義を受け、夏目漱石の推薦により作品を発表したという。大学卒業後は中学校教諭等を務める傍ら、作品を発表して小説家としての評価を高める一方、娘のために児童文学を読み漁ったことをきっかけに児童文学作品を発表、その後は児童文学に集中し、児童文芸誌「赤い鳥」を創刊する。
芥川龍之介の蜘蛛の糸、新美南吉のごんぎつねは「赤い鳥」が初出となっており、鈴木三重吉は児童文学や教育界に与えた影響は多大との評価が与えられているそうだ。

さて、鈴木三重吉の諸作品を読むに至った理由は「走れメロス」を読んだところ、その末尾に「(古伝説と、シルレルの詩から。)」とあったためである。一体どんな伝説や詩なのかと調べた結果(主にWikipediaである)、ピタゴラス学派の教団員の団結力を示す逸話が「古伝説」であり、シルレルことフリードヒ=フォン=シラーが逸話を下に発表した「人質」という詩が「シルレルの詩」であることが判った。そこでピタゴラス学派の教団員の団結力を示す逸話を鈴木三重吉が「デイモンとピシアス」として発表していることを知ったという訳である。

私が読んだ鈴木三重吉の作品は以下の通りになる。児童文学ということもあり、作品は短時間で読み切ることができる。改めて「デイモンとピシアス」や「ダマスカスの賢者」を読んだが、テンポと小気味の良さ、子どもに媚びない文章が良い。何より物語に初めて触れた喜びを再発見できるような気がする。加えて青空文庫で読めるのが素晴らしい。

デイモンとピシアス

デイモンとピシアス

黄金鳥

黄金鳥

金魚

金魚

パナマ運河を開いた話

パナマ運河を開いた話