2013-01-01から1年間の記事一覧

ノルウェイの森

トラン=アン=ユン監督作品『ノルウェイの森』を観た。 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読み、映画になった本作を観ようと思いたった。 公開当時の感想をTwitterで観る機会はあったのだけど「直子の足が早い」、「ハイコンテクスト」、「当…

潜勢力―『バートルビー 偶然性について』

ジョルジョ=アガンベン著高桑和巳訳『バートルビー 偶然性について』[附]ハーマン=メルヴィル著『バートルビー』を読んだ。 「バートルビーと仲間たち」を読み終え、改めて『バートルビー』と、未読だったアガンベンの『バートルビー 偶然性について』に目…

描かない『バートルビーと仲間たち』

エンリーケ・ビラ=マタス著木村螢一訳『バートルビーと仲間たち』を読んだ。 こちらの本も「文学地図」同様、購入してから放置していたものだが、発売当初は非常に話題になっており「文学地図」の時評でも取り上げられている。その時評では「自分は何者でも…

2013年上半期の音楽

今年上半期に聴いた音楽リストと感想。 Xinlisupreme「4 Bombs」 XINLISUPREME - Seaside Voice Guitar B.C. (Lyrics ...今年、というより年末に音楽評論家等が去年のベストソングとして挙げていたもの。その来歴等については無知だが、ノイズ・ミュージック…

「関係の原的負荷」を中心に―『文学地図』

加藤典洋著『文学地図』を読んだ。 本書は、著者の文芸時評と文芸評論が収められたものである。 文芸時評は第一部として「文芸時評の二十年」と題されており、三つの期間に別れている。 一九八九年~一九九〇年の共同通信配信のもので著者曰く「地方新聞に掲…

ポストモダンの共産主義

スラヴォイ=ジジェク著栗原百代訳『ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として』を読んだ。 題名にある悲劇と笑劇は2001年9・11同時多発テロと2008年の金融大崩壊を指す。 本書は、ベルリンの壁崩壊以降、リベラル民主主義と資本主義…

ほうかごのロケッティア

大樹連司著『ほうかごのロケッティア』を読んだ。 友人からライトノベルを勧められ読んだ次第。以前からこの友人にライトノベルを読めと言われていたものの、特に興味がある訳でも無いという状況だった。過去に「ブギーポップ」シリーズをやはりライトノベル…

物語 哲学の歴史

伊藤邦武著『物語 哲学の歴史 自分と世界を考えるために』を読んだ。 本書は哲学史を一つの物語として古代から現代、そして将来を見通そうとしており、 (省略)本書で展開しようとする哲学史のストーリーは、主として「人間の精神」をどのようなものとして…

光るふともも

そういえば光る太ももの話をご存じですか?私は偶然にも見たことがあります。 あれは二、三年位前の事でした。 私は同期の社員と一緒に神奈川県のある道路を計測する仕事をしていました。 夏の日の事でしたから、ワイシャツに汗が染み、転がすコロは原人の通…

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

村上春樹著『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んだ。

The Elder Scrolls Ⅴ:Skyrim

今年1月から無職になり、時間があったので「The Elder Scrolls Ⅴ:Skyrim」というアクションRPGゲームをプレイしていた。 テレビゲーム自体、中学生までは熱心にしていたのだが、高校生以降が部活やら何やらでする事はなかった。大学時代には、スーパーファミ…

振り返るという事『横道世之介』

『横道世之介』を観た。原作吉田修一、沖田修一監督作品。

Boy's Surface

円城塔著『Boy's Surface』を読んだ。

服はなぜ音楽を必要とするのか?

菊地成孔著『服はなぜ音楽を必要とするのか?「ウォーキング・ミュージックという存在しないジャンルに召喚された音楽たちについての考察」』を読んだ。

ワーカホリック『ゼロ・ダーク・サーティ』

『ゼロ・ダーク・サーティ』を観た。キャスリン=ビグロー監督作品。 同監督作品の『ハート・ロッカー』鑑賞後劇場にて。

作家性と大衆性『サマーウォーズ』

『サマーウォーズ』を観た。 とても面白かった。ああ、これ、学生時代に夏休みとかで観たら最高だろうなと思った。 そして細田守が「おおかみこどもの雨と雪」の前にこういった作品を発表していたという事が重要だったのかなと思った。 細田守の作品に対して…

熱狂の爆弾処理『ハート・ロッカー』

『ハート・ロッカー』を観た。 『ゼロ・ダーク・サーティ』が面白そうだったので監督のキャスリン=ビグローの前作である本作を観賞した。 爆弾処理班の話と聴いていたので「爆弾が爆発するまであと3秒、どうする?」というような話を想像していたのだが、そ…

過去を改変する倫理とか『時をかける少女』

細田守監督作品『時をかける少女』を観た。 細田守監督が『おおかみこどもの雨と雪』が日本アカデミー賞最優秀アニメ作品賞を受賞したという事で、という訳でもないのだが、というか『ゼロ・ダーク・サーティ』の予習の為に『ハート・ロッカー』を観ようと思…

港湾の光景

実家から帰り、転職サイトやハローワークであらかじめ目星をつけていた会社に履歴書を送った。 翌週には連絡があり、面接に向かう事になった。 横浜まで赴き、面接をした。面接を待つ間、会議室の窓から広がる東京湾の眺めがなかなか良かった。 帰りがてら港…

『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』

YouTubeで全話公開されている『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』を観た。 押井守による攻殻機動隊は観ていたがTV版は未見だった。 映画版とパラレルな関係にある作品になり、笑い男事件に関する物語と一話完結による事件が描かれていく。 面白いのは都市郊…

実家に帰る。

実家を尋ねた。 実家に帰るといえば盆暮れ正月と決まっている。しかし正直特に用事が無ければ帰ろうとは思わない親不孝者だ。おそらく一年振り位ではなかろうか。そもそも父が早期退職後、勤務先を変え母と共に埼玉県のアパートで暮らしていたところを訪ねた…

触を描く『ベルセルク黄金時代篇Ⅲ 降臨』

『ベルセルク黄金時代篇Ⅲ 降臨』(原作:三浦建太郎、監督:窪岡俊之)を観た。 原作に於ける「黄金時代」篇を長編三部作で描くプロジェクトとなり、最終章である本作はグリフィス救出から触までが描かれる。 本作はガッツとキャスカの馴れ初め、それに呼応…

井の頭公園

離職した事により保険証が必要になったので役所を尋ねる。我ながら呆れるのだが仕事を辞めるのは初めてではない。記憶を便りに国民健康保険の手続きが出来る課に行き、呼ばれるのを待つ。受付の向こうに座る職員を眺めながら、なぜあのように私は仕事が出来…

ネットリとした『ドライヴ』

『ドライヴ』を観た。 年末のブログ界隈で面白い映画として紹介されていたのでレンタル店から借りてきて観た。 非常に静かな映画なのだが、どのシーンもネットリとした情感に支配されており、スタイリッシュながら重々しさもある。かつB級映画っぽい雰囲気も…

加齢臭漂う『裏切りのサーカス』

『裏切りのサーカス』を観た。 年末のブログ映画好きの界隈で『裏切りのサーカス』が面白いと評判だったのでレンタル店で借りてきた。 バットマンのゴードン役の人が主人公。イギリス諜報機関「サーカス」にソ連に情報を流している幹部がいる。既に解雇され…

ももいろクローバーZから始まるUNIQLOCKの話

当ブログのアクセス数が常時あるのはUNIQLOCKについての記事である。散々映画やら漫画やら日常について俺が語ろうが美女に勝る事は無いのである。かくいう私も美しい女性が好きだ、っていうか女性が好きだ。 さてUNIQLOCKとは何か。それはユニクロが作成した…

夏の野球観戦

野球はするのも見るのも得意ではないが一度だけ神宮球場で観戦した事がある。 あれは大学生の時だった。前期テスト前の補講期間中、友人と一緒に閑散とした校内を歩いていたところ、野球部の試合が神宮球場でこれから行われると校内放送が流れた。 私が在学…

凧あげの思い出

スーパーからの買い物帰りがてら、空にひらひらと舞う影を見つけた。 最初は飛行機かと思ったが、ふと凧だなと判った。自宅に戻り荷物を置き。凧揚げがされているであろう公園に散歩がてら出向いた。 高さは様々ながら小さな子どもから大人まで凧あげをして…

『007 カジノ・ロワイヤル』『007 慰めの報酬』

『007 スカイフォール』が面白かったので、ダニエル=クレイグが演じる『007 カジノ・ロワイヤル』『007 慰めの報酬』を観た。 『007 カジノ・ロワイヤル』がテンポの良い話でとても面白かった。『007 慰めの報酬』はちょっと気怠い。 両作は若きボンドを描…

『007 スカイフォール』

『007 スカイフォール』を観た。 『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』を観ておらず、ダニエル=クレイグ主演の007は初めて見る。 『ドラゴン・タトゥーの女』でダニエル=クレイグが非常に格好良かったので楽しみにしていた。 007の思い出といえば友人の家…