伊藤邦武著『物語 哲学の歴史 自分と世界を考えるために』を読んだ。
本書は哲学史を一つの物語として古代から現代、そして将来を見通そうとしており、
(省略)本書で展開しようとする哲学史のストーリーは、主として「人間の精神」をどのようなものとして捉えるか、というテーマを軸に古代から現代へと進んでいこうとするものであり、その点では、本書は人間の精神、あるいは「心」の存在論を軸にして語られた哲学の歴史ということになるからである。つまり、この本は存在論一般というよりも、人間存在論を中心軸に据えて語られた哲学史ということになる。 伊藤邦武著『物語 哲学の歴史』pⅵ
というものだ。
本書を読んで改めて思うのは、プラトン、アリストテレスの哲学の後の影響力であり、その影響は近世、そして現在に至る。
興味深く読んだのは、第三章言語の哲学―二〇世紀、第四章生命の哲学―二一世紀であり、論理学、生の哲学、心の哲学などが論じられている。
そしてそこで鍵になる、展開の余地が示されるのはベルクソンである。
哲学史というのは大学の講義等でヘーゲル位までは学んだ訳ではあるが、今となってはすっかり忘れており、哲学史を扱った本は何冊か所持しているのだが、なかなか読むタイミングが判らず放置している。本書は新書という事もあり、読む事が出来た。本書を端緒に、シュペングラーの「西洋哲学史」やら三省堂の「哲学大図鑑」位読めればなと思う。

物語 哲学の歴史 - 自分と世界を考えるために (中公新書)
- 作者: 伊藤邦武
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/10/24
- メディア: 新書
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