2022年3月下旬~6月上旬

3月末、忙しさをどうにか誤魔化していたものの、初歩的な仕事のミスに気が付き、一気に気落ちしてしまった。こうなるともうどうしようもないのだが、一人で抱え込んで沈むことはもう何度も繰り返している。そこで友人たちに相談したところ、好きな作品を読んだり観たりして元気を出すというアドバイスを貰った。友人の一人のお勧めはアニメのSHIROBAKOと響けユーフォニアムを観ることだった。

せっかく勧めてくれたのだからとSHIROBAKOの視聴を開始した。アニメの制作現場の話となるため仕事の締切の話題が良く挙がる。仕事で常に締切に追われている立場からすると全く気が休まらなかった。とは言え視聴さえ開始すれば夢中になるのは容易い。終盤の23話を観て号泣した。そして泣くために何度も同じシーンを繰り返し観た。最後は涙が出ず、顔から肩に掛けての筋肉の痙攣だけが残った。映画版も観た。失敗しても成功しても、仕事は明日も続いていくという終わりに納得することはできたものの、物語の中だけでも幸せなラストで幕を降ろして欲しいと思うことは勝手過ぎるのだろうか?

響けユーフォニアムを調べたところ、アニメから原作まで堪能したい欲求に駆られそうになったため、次に落ち込んだ時のために取っておくことにした。

今年の2月頃から良い加減に読んで置こうと、ホビットの冒険と指輪物語を読み進めていた。指輪の魔力に魅せられて苦しむフロドの様子が自分の精神的な落ち込みと重なった。映画は未見であったため、大団円を迎えた後に役割を終えた者たちが世界を去っていくことを知らず驚くこととなった。物語の世界であれば役割を終えた者たちの幕引きが用意されている。しかし我々は?そんな気持ちにもなった。なお、原作読了後にホビットの冒険を除く映画版を観た。映画版は王族系の登場人物が底の浅い設定になっており、この点に関してがっかりした。

精神的低空飛行はゴールデンウィーク後も続いた。観ようと思っていたシン・ウルトラマンの公開も始まった。しかし映画館に脚を運ぶ気になれない。健康診断の追加検査を予約し結果に異常が無いことを知る。5月の終わり頃、晴天の朝に気持ち良く目を覚ました。この時、ようやく精神的に復調したことが実感できた。シン・ウルトラマンを観るためにウルトラマンとウルトラQの視聴を開始した。シン・ウルトラマンの内容が徐々に公開され始めた。決定的なネタバレを避けるため、6月の初めに映画館に赴いた。シン・ゴジラの精神的続編として楽しむことができた。ウルトラマンやウルトラQを視聴してテンポの遅さに慣れ、小ネタに反応できる状態だったことが功を奏したかもしれない。

そうやって新年度の2ヶ月が過ぎて行った。