100,000年後の安全

マイケル=マドセン監督作品『100,000年後の安全』を観た。
都知事選にて脱原発が争点化した事を理由に、配給会社であるアップリンクが都知事選中のみYouTubeにて無料配信した。
当初、都知事選にて脱原発が争点になっていると聴いた時、なぜ?という思いを抱いた。一首長が国政に意見出来るのか?というのが理由である。しかし都知事選の情報を集めるなか、主に閲覧した「ポリタス」を観たところ、争点になり得る事が判った。尚、本作の監督へのインタビュー記事もあり、この記事を読んだ事が本作を観るきっかけになった。

本作はドキュメンタリーであり、フィンランドの放射性廃棄物処理問題を扱ったものである。
フィンランドは放射性廃棄物を永久地層処分をする事を決定しており、オンカロなる強固な岩盤に掘削しコンクリートで封鎖する事になっているという。
しかし放射性廃棄物の影響が無くなるまでには10万年を要し、人類はこの長い年月を安全に管理する事が出来るのか?
これが本作の問いであり、それは誰も約束出来ないという答えを観た者は得ると思う。

10万年という想像不能な期間に対して責任を持とうとする人類の傲慢さ。それでも仕方ないと言えるのか。結局開き直るしかないないのでは無いか。
コンセプチュアルな映像、仕事場から帰宅した後に観た事が原因なのか眠気に誘われた。
最終的な原子力発電所の撤退という考えも安易な思考停止なのではと導き出される、
しかし、それでは脱原発と叫べば免罪符となるのか。
他に方法は、考えは、技術は?
そう問われる映画である。


100,000年後の安全 [DVD]

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