アナと雪の女王

クリス=バック、ジェニファー=リー監督作品『アナと雪の女王』を観た。
その内容に話題が読んでいる事を知り興味を持った。おそらくディズニー映画をきちんと映画館で観るのは初めての事だったと思う。

雪と氷の魔力を持つ女王エルサとその妹アナを描いた作品であるが、最終的に見出される真実の愛は、姉エルサが妹アナを想う愛である事が示される。
果たして他のディズニー作品が愛をどのように描いているか知らないが、典型的な王子様と女性のような異性愛を描かないのは小気味良いと思った。多様な愛の形を認めた本作が同性愛等を示唆していると捉える向きがあるらしい。しかし本作を観た子どもたちは家族愛としてある意味保守的に受け取る事が多いのでは無いかと思う。また男女の恋愛とそこから続く生活というものを考えた時、このご時世では男だけでは頼り無いものであり、価値観だけで無く経済的にも合理的だと思う。一方、異性愛として妹エルサがその役割を引き受け、他国の王子と氷売りの男の関係が描かれる。最終的にエルサが氷売りの男を選ぶのだが、これを「男は業者」だったとする解釈があり、自分の日頃の立場からしても共感するところが大きかった*1
本作のような価値観が普遍的である方が生きやすいのでは無いかと思う。しかし劇中歌とか非常に気持ちよく、面白く観たというのが映画を観終わった時の感想である。また『かぐや姫の物語』が価値観の抑圧による変えように変え難い内面を描いたとするなら、本作はその価値観と内面の変化を肯定しており、共感と気持ちよさを呼んだのではないかと思う。



*1:端的に今の仕事を言えば、内勤の女性に対する支援業務であり、卑下して言えば下請業者として管理職や一般職の女性に頭を下げながら働いている訳である。もちろん彼女らの昇進と幸せを心から願って止まないのは言うまでも無い。