ゴジラVSキングギドラ

大森一樹 (本編)川北紘一 (特撮)監督作品『ゴジラVSキングギドラ』を観た。
この作品から劇場で観ているので再観賞という事になる。
23世紀の未来人の登場、ゴジラ出生の秘密、キングギドラ及びメカキングギドラ登場と見どころが多い。しかし今考えるとキングギドラ出生の秘密が舐めているような気もする。またタイムトラベルという厄介なものに手を出しているという印象。

ゴジラはマーシャル諸島沖に住んでいた恐竜であり、ビキニ環礁での核実験で誕生したという事になっている。これを未来人は別の場所に移動させゴジラは消滅するはずだった。しかし、移動させた場所にも核廃棄物があり、その影響によってゴジラが誕生してしまう。未来人はこれを知り言う。ゴジラの誕生は必然だったのだと。
一方、未来人は23世紀に経済的に覇権主義化する日本を消耗させるべく、遺伝子操作されたペット3匹をラゴス島に放ち怪獣化させる。これがキングギドラである。なんで核実験でキングギドラ化するのかさっぱり判らん、マンダではないのか?未来から来る前にシミュレーションしていたと取り敢えず好意的に解釈しておこう。
キングギドラ出現によって日本が破壊されるなか、ラゴス島で恐竜出現によって米軍の攻撃から生き残り、戦後日本有数の企業をつくりあげた男は、私的な原子力潜水艦を恐竜へ移動させた場所に送り込む。男はゴジラを復活させキングギドラに対抗しようとしたのだ。しかし、ゴジラは既に出現しており、原子力潜水艦は破壊される。挙句放射能の影響でゴジラは更にパワーアップする。ちなみにこの男はゴジラに高層ビル内で対峙し、放射火炎によって死ぬ。その死の際は恐竜と対峙したシーンが相まっている。よく考えれば、戦争の記憶とゴジラを結びつけたという点で本作は「ゴジラ」 (1954年版)以来のものなのでは無いだろうか。
ゴジラはキングギドラを倒す。またキングギドラで日本を疲弊させようとする事に離反した未来人はそれに協力する仲間と共にUFOをゴジラに破壊させる事に成功する。未来人はゴジラ打倒の為、未来へ帰り、倒されたキングギドラをサイボーグ化したメカキングギドラでゴジラと東京都庁で対峙する。

このメカキングギドラの造形が非常に格好良い。特にメカ化した頭部のデザインが素晴らしい。尚、友人からの指摘で知ったが、後のメカゴジラはメカキングギドラのオーバーテクノロジーを参考にしており、頭部が似通っているのもこの為らしい。尚、メカキングギドラは搭乗タイプの操縦。コクピットはミニ型タイムトラベルマシンだ。

出演はゴジラ出生の秘密を探っていたライター役に豊原功補、編集者でライターの婚約者役原田貴和子。尚、原田貴和子は原田知世の姉らしい、紺野まひるを思わせる美人だった。尚、協力的な未来人エミー=カノーは彼らの子孫らしい。その他未来人にチャック=ウィルソン等が出ている。アンドロイドも出て来たりする。

未来人が現代の人々を称していう台詞に「核兵器を信奉する野蛮人が」というのがある。刺激的な台詞である。なぜなら核兵器を忌避しようにも、その有用性がちらつく限り、評価し認めている事になるからだ。これを逃れる方法はその有用性を評価しないという態度しかない。またこれを原子力発電の利用として広く取った場合、別エネルギー源の確保を算段をしなければならないだろう。

メカキングギドラの塩ビ人形は持っていたと思う。首がうねうねして無秩序で適当に光線吐いて街を壊している感じが好きだったのだ。
再度見るとバブル前後の記憶の影響があるが、日本が経済的に大国化するなんて今なら面白い冗談だが、ここまで娯楽路線なので特に文句は無い。


ゴジラvsキングギドラ [60周年記念版] [DVD]

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