キングコング対ゴジラ

本多猪四郎(本編)円谷英二(特撮)監督作品『キングコング対ゴジラ』を観た。
キングコングゴジラ、大ダコが登場。
そもそもゴジラはアメリカの「原子怪獣現わる」、「キング・コング」の影響によって制作されたものであり、本作は夢の競演と言ったところなのだろうか。
キング・コングといえばニューヨークを舞台とし、エンパイアステートビルに昇る姿が思い出される。そこで繋がるのはレム=コールハース「錯乱のニューヨーク」であり、摩天楼という繋がりだけでなく、建築物と音響装置≒映画の発展の関係性を考えた時、映画「キング・コング」とニューヨーク・マンハッタンの繋がりが見えるのは無いかと思う。

広告不振の製薬会社は薬学者から聞きつけた南洋の「巨大なる魔神*1」でヒットを打って出ようと、現地にテレビ制作会社社員を送り込む。そこで発見されたのはキングコング。原住民を襲った大ダコを追っ払う。原住民は赤い酒と踊りをキングコングに捧げこれを眠らせる。これを良い事に社員たちはキングコングを海上から運び出そうとする。一方。北の海ではチェレンコフ光を発する氷山を調査する潜水艦が沈没する。氷山の中に眠っていたゴジラが目覚めたのだ。ゴジラは日本を目指し移動する。
船の上で目覚めたキングコングゴジラは日本にて激突、ゴジラの放射火炎にてキングコングは退散してしまう。しかしゴジラ回避の為に用いられた高圧線と接触した結果、帯電体質化、再びゴジラと富士山麓にて再戦を行う事になる*2

キング・コングのオマージュである美女と野獣の演出があり、本作のヒロインである浜美枝、若林映子はこれによって「007は二度死ぬ」の出演するきっかけとなったらしい*3
ゴジラの造形はやや直線的な形態になっており、昭和ゴジラシリーズでは結構好きな部類。



*1:「ましん」と読む。

*2:帯電体質になるとなぜゴジラの放射火炎の効果が薄れるのかは判らない。尚、体質変化により戦況が変わるという展開は昭和ゴジラシリーズではゴジラVSメカゴジラでも見受けられる。

*3:007は二度死ぬ」は一度観賞したが、ボンドが「柔道の組手だ」と言ってヒロインをベッドの上で抱き竦めるシーンに吹き出した記憶がある。