ゴジラの逆襲

小田基義(本編)円谷英二(特撮)監督作品『ゴジラの逆襲』を観た。
前作『ゴジラ』(1954年版)の続編。舞台は大阪。ゴジラ、そしてゴジラの盟友アンギラスが登場する。本作も前作に引き続き第二次世界大戦を意識した、戦後の日本が描かれている。尚、この後の昭和ゴジラシリーズを観る限り、これらは本作までしか描かれていない。

漁業会社に勤める元日本軍のパイロットが魚群探査の為、海を飛んでいる。社長令嬢の娘と無線で冗談を交わし合う。そんななか同僚は機体のトラブルに遭う。同僚を発見した島で偶然にもゴジラとアンギラスの戦いを目撃する二人。二人の報告を基に山根博士が招聘され協議されるも、芹沢博士しか知らない化学兵器が無き今、ゴジラを倒す方法は無い。しかしゴジラは水爆実験の影響により光に向かう習性があり、徹底した灯火管制によってゴジラの上陸を阻止出来るのでは無いかという。
パイロットと社長令嬢がダンスホールで踊るなかゴジラが現れる。灯火管制と自衛隊の照明弾によってゴジラの上陸は免れたかと思われたが、脱走した囚人たちが警察に追跡されるなか石油タンクに突っ込み炎上。その炎に魅せられたゴジラは大阪に上陸する。続いてアンギラスも上陸。大阪城周辺で戦闘を始める。ゴジラはアンギラスをなぎ倒し放射火炎を浴びせ焼き殺した後、海に消える。
ゴジラの上陸によって漁業会社は壊滅的な打撃を受け、北海道に人員を送り込む。北海道にて元日本軍で現在は航空自衛隊に勤める友人たちと再開を果たすパイロットたち。しかしゴジラが近海に姿を現す。ゴジラが上陸した島で足止めしていた魚群探査のパイロットはゴジラの放射火炎を浴び山並みに墜落する。墜落した飛行機で引き起こされた雪崩はゴジラを巻き込む。友人の死がもたらした好機を利用し、航空自衛隊、それに志願した魚群探査パイロットは山並みへの攻撃、ゴジラを雪崩に埋める事に成功するのだった。

ゴジラがダンス中に現れるという前作と同じかたちを取る。元日本軍のパイロットたち、灯火管制を敷かれた街は第二次世界大戦末期の日本を連想させる。

ゴジラとアンギラスはやけに細かく落ち着きが全く無く、少し不安になるレベルである。アンギラス炎上シーンは割と笑えるのだが、ゴジラにしてもアンギラスにしても2匹目が昭和シリーズでは活躍しているのだ。ゴジラとアンギラスの戦い以降、昭和シリーズでは怪獣プロレスが繰り広げられる事になる。
ゴジラが上陸するきっかけになる囚人の脱走という仕掛けも、ゴジラに備え囚人を輸送する必要が迫られた結果であり、日常の反転というものが描かれていて面白い。



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