バレエ・メカニック

津原泰水著『バレエ・メカニック』を読んだ。
バレエ・メカニックという言葉で坂本龍一の作品を思い出し、更に遡れば短編映画の題名といううろ覚えの知識。最近では安藤ロイドなるテレビドラマで主人公がネットで将棋を指す際のハンドルネームだったとか。
造形作家が中央高速道で遭遇する一瞬の津波、巨大な蜘蛛が東京を徘徊する。その原因は昏睡状態にある造形作家の娘が引き起こしているという。
グロテスクなエピソードと東京で発生する超自然的な出来事。久しぶりにシュルレアリスム小説を読む悦びとの遭遇である。
今思えば私は小説にこういったものを、幻想を、求めていたのでは無かったか?泉鏡花を手に取り、しかし読む事無く図書館に返却した事を思い出す。


バレエ・メカニック (ハヤカワ文庫JA)

バレエ・メカニック (ハヤカワ文庫JA)