2023年4月23日/神の子どもたちはみな踊る

村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」の次に「神の子どもたちはみな踊る」を再読した。「神の子どもたちはみな踊る」は何度か読み直している短編集になる(その他で再読している短編集は「女のいない男たち」)。本作は日常がその前とその後では否応なく変質してしまう悲しみやどうしようも無さ、つまり村上春樹作品のテーマの1つを阪神・淡路大震災という災害を軸に描いている。今回は本作が新海誠『すずめの戸締まり』にも影響を与えているとの言説から読み直した。以前読んだ際は上記テーマを素直に描いている「アイロンのある風景」を面白く思い、作品内で言及されるパール・ジャムの音楽も聴いた。しかし、今回はそこまで響かず、複数の設定が織り込まれた表題作「神の子どもたちはみな踊る」が面白かった。今後の予定は未読の『騎士団長殺し』、『一人称単数』から最新刊の『街とのその不確かな壁』を読むことになると思う。