2022年の読書は以下の通り。
- SFマガジン2021年12月号
- 鈴木智彦『全員死刑:大牟田4人殺害事件「死刑囚」獄中手記』
- 鈴木智彦『サカナとヤクザ』
- 松尾諭『拾われた男』
- 村井理子『兄の終い』
- レイ=ブラッドベリ『華氏451度』
- J=R=R=トールキン『ホビットの冒険』
- J=R=R=トールキン『指輪物語』
- 筒井康隆『旅のラゴス』
- 安田峰俊『境界の民 難民、遺民、抵抗者。国と国の境界線に立つ人々』
- 稲垣諭『絶滅へようこそ 「終わり」からはじめる哲学入門』
- 村上春樹『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』『ダンス・ダンス・ダンス』
- 栗原裕一郎(編著)『村上春樹の100曲』
- ジョン=コルベット『フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き』
- アイリス=オーウェンス『 アフター・クロード』
- ライオネル=ホワイト『気狂いピエロ』
- ロバート=A=ハイライン『夏への扉』
- ユリア=エブナー『ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ』
- 藤原学思『Qを追う 陰謀論集団の正体』
- ジョナサン=ゴットシャル『ストーリーが世界を滅ぼす―物語があなたの脳を操作する』
- 綿野恵太『みんな政治でバカになる』
鈴木智彦『全員死刑:大牟田4人殺害事件「死刑囚」獄中手記』
死刑囚の獄中手記をヤクザライターの鈴木智彦氏が解説等を加えたもの。解説によれば、獄中手記は死刑中である家族4人の内、次男が金欲しさに執筆したとのことである。しかし、この文章を読んでみると、ネットで見受けられる文章より余程読みやすいということに衝撃を受ける。なお、当たり前のように書かれていることに関して、鈴木氏は淡々と「冷静に考えておかしい事態」だと指摘している。本書を読み、物語は誰にでも書けるものだということを認識した。
鈴木智彦『サカナとヤクザ』
著者が漁業とヤクザの関係を明らかにしたもの。本書によれば、私たちが食べる海産物は何らかの形でヤクザの商売と関わっている可能性があるという。
J=R=R=トールキン『指輪物語』
本書を読んだ際はApple Booksの電子書籍が確認できたものの、Amazonに電子書籍は無かった。そのため、単行本を買い求めることになった。しかしながら、その後にKindleで発売された。更に2022年10月には訳文の一部を見直した最新版の文庫本と電子書籍が発売された。なお、最新版の追補編やシルマリルの物語は2023年春に刊行予定だという。
村上春樹『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』『ダンス・ダンス・ダンス』
前傾書の村上春樹論を読み、著者のネズミ三部作、もしくはヒツジ四部作を読み直した。
ジョン=コルベット『フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き』
音楽の聴き方が変わった。今まではブルートゥースのイヤホンで適当に聴き流していたところ、ヘッドホンをパソコンに繋いで聴いている。そして言葉にする。当然、集中力が必要だ。単純に一曲一曲に向き合う根気がいる。聴いた音楽全てにできることではない。気が付くと違うことを考え、楽曲が数曲進んでしまっていることもある。しかしながら、きちんと聴いて言葉にした成果は嬉しいものである。
アイリス=オーウェンス『 アフター・クロード』
国書刊行会のドーキーアーカイヴの一冊。わきまえない女性の言動を面白おかしく読む内に、言動自体は唯の相手ありきのものだと判り、一気に転落していく様子が正に地獄巡り。
ユリア=エブナー『ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ』
現代の地獄巡り。つまり、我々は既に地獄にいる、と言うのは比喩になり、過激主義者たちはカジュアルに人々の支持を取り付ける戦略を取っている。
ジョナサン=ゴットシャル『ストーリーが世界を滅ぼす―物語があなたの脳を操作する』
本書は人は物語によって物事を理解する性質がある都合上、物語の影響から抜け出すことができないことを指摘したものである。物語の力が陰謀論を生み出しているのではないのか?そういった疑念を持ち、本書を手に取った次第である。
綿野恵太『みんな政治でバカになる』
脳内には「直観システム」と「推論システム」という異なる認知システムがあり、更に様々なバイアスがあるため、政治的にバカな発言をしてしまうという。本書は吉本隆明や認知科学や進化心理学等を参照した評論である。