2014年6月8日

相変わらず朝が早い。雨は小降りになっているようだ。二週間振りに身体を動かした為か、身体の節々に違和感を覚える。強迫神経症なる病を被りながら作成したという女性の映像作品をTVで観る夢を見た。映像には包帯を巻いた身体の女性が牧歌的な田舎の小道の横に至るところに立ってこちらを気に掛けているというものだった。窓を開け、風を入れる。降り続けた雨による湿気で室内のクロスが浮き上がっている。

シャワーを浴び、洗濯物を干す。果たして部屋干しでどこまで乾くだろうか。スーパーに出掛ける。道すがら子どもを連れた親を見掛ける。自転車の座席から飴を落とした子どもに父親は「しょうがないから飴も買おうか。でもグミも家に戻ればあるよ?」と声を掛ける。子どもの「飴がいい。」との応えに笑いながら「そうか。」と父親は答える。

アパートの敷地内では小学生低学年の男の子が蟻の観察をしている。隣室の中年女性は部屋から出て男の子に声を掛け、一緒に砂糖や林檎を地面に並べている。母親が出て来て男の子を呼ぶ。中年女性は男の子に連れられ、足元を見つめる小さな冒険に出てしまった。中年女性が酒飲みで一年中長袖しか着れない旦那を罵っていても、男の子が役所から給付される支援によって生活が出来ていたとしても、この光景を前にしてそれが何だというのだろう。幸福は足元にあり、それを見つけ一歩一歩前へ進むしかない事は彼らが教えてくれるのではないか?

食事を取り本を読むが眠気に襲われ気がつけば午後十九時。パスタを茹で適当に作った挽肉のトマトソースに絡ませたスパゲティをサラダと共に食べる。最近スパゲティばかり食べている。スパゲティを食べるのを辞めていたのは簡単で安易に作ってしまうからだった事を思い出す。

雨は知らぬに止んだ。暗闇の中、路面は乾き始めているのだろう。部屋の洗濯物が発する柔軟剤の匂いと湿気。明日は朝靄が街を白く隠すのだろう。