ゴジラVSメカゴジラ

大河原孝夫(本編)川北紘一(特技)監督作品『ゴジラVSメカゴジラ』を観た。
平成版メカゴジラ、ベビーゴジララドンが登場。

本作はベビーゴジラの登場により他の作品には無い母性愛的なものが満ちている。
ベビーゴジラが孵化し立ち会った研究者が正に母性愛を体現した存在となっている。またラドンも托卵という形であれ、ベビーゴジラを仲間として認識し、そのために日本に飛来する。ゴジラもまた同種族としてベビーゴジラを探し求めている。サイキッカー三枝未希もベビーゴジラとの出会いによってゴジラを守るべきものという認識が醸成される。これは昭和ゴジラに於ける人間中心的な考えであり、また異種族間に生まれる愛情はグロテスクにも思える。本作はそういった点から好き嫌いが別れるのでは無いかと思う。

メカゴジラは、ゴジラ対策マシンとしてガルーダを完成させるも攻撃力に難有りと、海底から引き上げたメカキングギドラのオーバーテクノロジーを利用し完成させたという設定。戦闘スタイルはある程度の距離を維持したままホバリングしつつ飛び道具で攻撃するというスタイル。これはスーパーXと変わらない。ガルーダとの合体により機動力が高まると何か変化があるのかといえばあんまり気にならなかった。
ラドンは飛んだりつついたりしか能が無いはずなのだが、ゴジラの熱線を受けた事により自らも熱線を放射出来るファイヤーラドンになる。今考えるとベビーゴジラを含めてベーリング海アドノア島出身であり、ゴジラも未来人によってベーリング海に飛ばされた設定だから同郷という事になる。しかしそんなにベーリング海にはソ連やらロシアの核廃棄物が放棄されているものなのだろうか。

ベビーゴジラの孵化に立ち会い母親役を担う研究員五条梓を演じるのは佐野量子。今は武豊と夫婦らしい。この人の演技で本作が引っ張られているといっても過言では無い。ガルーダ及びメカゴジラの技師で調子の良い青木一馬を高嶋政宏メカゴジラ搭乗者で鬼上官を原田大二郎が演じている。三枝未希演じる小高恵美の活躍は多く、ゴジラ第二の心臓をスキャンし攻撃する為、メカゴジラに搭乗する。あと新人ガルーダ技師として中山忍の姿も伺える。