FF6 ピクセルリマスター/感想

ファイナルファンタジー6 ピクセルリマスター」の総プレイ時間は57.7時間、Steamの実績解除数は31/37個になる。

ファイナルファンタジー6の世界における魔法の根源は三闘神になり、ケフカは三闘神の封印が解き、その力を吸収している。そのためケフカの死は魔法の消滅を意味し、エンディングにおいて魔石が消滅していく様が描かれる。

幻獣と人間のハーフであるティナも魔法の消滅によって存在の消滅が危惧される。しかしながら、ティナの父親である魔石マディンは消滅の際、幻獣は消えるものの、ティナが人間として何か大切なものを感じことができたなら、人間としてこの世界に残ることができるかもしれないと発言する。その後、ティナは魔力を失いながらも仲間を載せた飛空艇を誘導、力果てたかと思うものの、消滅することなく生還したのだった。

ケフカとの最終決戦に挑む際、ケフカとの問答がある。その際に仲間たちは大切なのは結果ではなく、人は生きる中で生の意味を見出すことなのだと語る。そしてティナが見出したのは人を愛する心だと言う。この世界における力の構造は三闘神を根源とする魔法によって序列される。よって三闘神の力を吸収したケフカこそ最上位とみなされ、幻獣たちもその序列から逃れることができない。一方、人はその力の序列とは異なる体系の中で生の意味を見出すことができるのである。

本作においてケフカは人には結果的に死しかないのだと語る。今の世相にも合致するのではないかと思う。このテーゼに対するアンチテーゼは上記のティナたちの回答、生きる意味の獲得に他ならない。


FINAL FANTASY VI

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  • SQUARE ENIX
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