『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』

福田純監督作品『地球攻撃命令 ゴジラガイガン』を観た。
ゴジラアンギラスキングギドラガイガンが登場。

売れないイラストレーターの元に美人マネージャーが仕事を持って来た。仕事は世界子どもランドなるテーマパークの怪獣デザイン。依頼先に出向くと世界子どもランドの会長を名乗る十代の子どもが偉そうにしている。そんな折り、イラストレーターは彼らのオフィス前で女性とぶつかる。彼女は慌ててその場を去るが磁気テープを一つ落として行く。磁気テープを拾ったイラストレーターは自宅の帰り道、女性とその友人だというヒッピーに尾行される。話を聴けば、女性はコンピュータ技師の兄が世界子どもランドの仕事を携わったのち行方不明となっているという。彼女は世界子どもランドが兄の行方を知っているのでは無いかとオフィスから磁気テープを持ち去ったのだ。イラストレーターの家で磁気テープを再生させるも奇妙な音が発せられるばかり。しかし、世界子どもランドの会長たちは磁気テープから発せられた事に気がつき慌て出し、またゴジラも怪獣島からアンギラスを偵察に出すのだった。
イラストレーターたちは世界子どもランドの会長たちについて調べ始める。本籍地へ赴き彼らの自宅を尋ねると既に事故で亡くなっているという。一方アンギラスは日本に上陸するも防衛隊の攻撃に引き返してしまう。イラストレーターは自宅で女性とヒッピーと今後の相談をしていると世界子どもランドの職員たちに襲撃を受けるが、現れた美人マネージャーは空手で彼らを倒す。しかし磁気テープは奪われてしまうのだった。
コンピュータ技師の兄を救う為、世界子どもランドに侵入するイラストレーターたちだがあっさり捕まってしまい世界子どもランドの正体を知る。世界子どもランドの職員はM宇宙ハンター星雲人であり、寿命の尽きた母星から地球の征服と移住を画策していたのだ。彼らに光を当てるとゴキブリのシルエットが浮かび上がる。彼らの母星は人類が支配していたが環境汚染で滅び、知能を持ったゴキブリが繁栄、その子孫なのだという。彼らは磁気テープを使いガイガンキングギドラで東京周辺の破壊を図る。一方、ゴジラアンギラスはこの危機を察知し怪獣島から東京を目指していた。
監禁されたイラストレーターたちは仲間たちの手配により世界子どもランドから脱出に成功。一方、キングギドラガイガンゴジラアンギラスの戦いが始まる。ガイガンの胸に付いた回転鋸でゴジラアンギラスは流血、特にアンギラスは徹底的に痛めつけられる。挙句、世界子どもランドのゴジラを模したタワーから発せられるレーザー光線をゴジラを苦しめる。しかし防衛軍の攻撃によってタワーは破壊され、M宇宙ハンター星雲人は全滅。ガイガンキングギドラの統制が破れ、ゴジラアンギラスが勝利を治めるのであった。

正義の味方になったゴジラが何だかグチャグチャやっているという感じ。そしてその舎弟アンギラスが、防衛軍から攻撃されて退いたり、ガイガンキングギドラにボコられたりと損な役割を担う。ゴジラに燃やされたりするそのやられっぷりは当時も健在だったのだ!!大体、ゴジラアンギラスが吹き出しで喋っているのだが「急げ」とか特に内容も無く、そもそもこいつらの知能ってどんなもんなんだといういう気がして来た。ガイガンはあからさまにヒールな造形やサイボーグ怪獣という設定が良いなぁと思う。ただ胸元の回転鋸が強力なばかりに飛び上がってゴジラに襲い掛かるのだが、ゴジラが見切って飛行中に放射火炎を浴びて撃墜されたりとサイボーグ怪獣の癖に頭が悪すぎる。キングギドラは金星を一日で滅ぼした割にはもはや負けが決定した怪獣で、そもそもあんな不安定な首三本では引力光線の狙いがつけられないのではといつも思う。まともなキングギドラはメカキングギドラだけなんだ。
美人マネージャーは本当に美人で良いところを持っていくのだが、ウルトラセブンで知られるひし美ゆり子が演じていた。物語もフリーの売れないイラストレーターが事件に巻き込まれ~という流れは昨今のドラマによくある設定で、ヒッピーが出てくるのも当時の風俗を採用しているのだなという印象だった。だけど世界子どもランドなんてほんとナメていると思うし、そもそも動けない建物に強力な光線を装備してどうするつもりだったんだ、M宇宙ハンター星雲人は?という思いである。