日本の難点

 宮台真司著『日本の難点』を読んだ。
 宮台真司の本を読んだのはこれが初めてだ。友人が宮台真司の本をよく読んでいるとのことだったので、『日本の難点』は読んだ方が良いかのと質問したところ、今回の本は宮台真司初心者の人も読みやすいし、入門書として読んでみたらと勧められた。ちなみに私はこの友人から東浩紀宇野常寛の書籍を紹介されて読むようになった。つまりこの友人から「ニッポンの思想」を紹介されたといっても過言ではなく、非常に感謝している*1
 実際に読んでみると、分かったつもりで読んでいるのだが読み終わってみると一体何が分かっていたのかさっぱりわからないという恥ずかしい読み方をしていた。しかし、そこに書かれていたことは現代の日本の問題であり、その解決方法なり、対処法なのだろう。しかしそこに至るまで様々な社会学及び哲学を参照とする。その為、一度宮台真司が参照した知識を一度自分で文献をあたってみる必要を感じた。その為、再読が必要だと感じている。
最後に宮台真司が言うのは、ミメーシスを起こす利他的な人物が重要だという。
模倣を起こさせ、他人の利益の為に動く人間が私の周りにいるのかと問われれば、答えることは難しい。宮台真司がいう存在が、単純化して描かれているような気がする。利他というものが宗教的な存在ではなく、現代に対応した、というより現実に対応した、存在なのではないかと思う。また私が利他的という言葉に、純粋な存在を求め過ぎているからかもしれない。そもそも利他的な存在に出会う為には、利他的な存在に空間的にも精神的にも近づく必要があるようだ。
またこの時、ちょうど裁判員制度が気になっておりこの本の中で宮田真司は、裁判員制度によって情報が意図的に整理されること、国民の意見に司法が左右されることを問題にしていた。






日本の難点 (幻冬舎新書)

日本の難点 (幻冬舎新書)

*1:読む本が増えたという点では恨めしい気持ちも持っている(笑)