2018年3月2日/オーバードライブ(所持金の下限)

午後11時、残業からの帰りにデジタルサイネージで戯れる石原さとみをぼんやりと眺める。何を話しているのかとスマートフォンを取り出して広告の動画を視聴したところ、石原さとみが東京マラソンの選手を応援する言葉を考え、画面越しに頑張ってと声を掛けてくれるというものだった。それはともかく、どうにも耳に残ったBGMを調べたところ、歌い手は佐藤千亜姫と金子ノブアキと小林武史となっており、題名は「太陽に背いて」とある。なるほど、歌詞を聴けばメトロでの出会いを歌っているようにも解釈することはできる。ベタにジャジーなリズムが気に入り、何度も聴いている。

友人の営業を信頼して保険を契約しているが、最近の仕事の成果が悪かったこともあり、収入に対する支出が多過ぎて金欠になった。正直、病気にならなければ割に合わないと思う。

金欠で新たな音源の供給が無くなったため、スマートフォンに入った音源をランダムで再生して気を散じている。学生時代に聴いたプログレッシブロックは再聴すると新鮮である。Pink FloydにInterstellar Over Drive という曲があり、そんな題名の曲だったのかと驚くが、シド=バレットの影響下にあるアルバムの為、ドラッグによる宇宙遊泳を指すのではないかと思う。

綾辻行人の暗黒館の殺人を読み終える。非常に長い作品だが館シリーズにおいて非常に重要な作品であった。金欠になった手前、今後は余裕ができるまで積んでいた本を読み進めようと思う。

仕事で通っていた高校付近を訪ねることになる。帰りには両親が住む家も訪ねた。しかしながら、故郷とは遠きにありて思うものであった。

お金が無い程、空しく情けない気分になるものは無い。

2018年2月7日/出会い系

コンビニでIQOS本体が販売されていたため、購入する。ちなみにIQOSはフィリップモリスが販売しており、煙草のブランドはマルボロになる。煙草を燃焼させると香ばしいシナモンスティックのような匂いがあり、不味いし臭いというのが第一印象であった。また、普段は吸わないメンソール系を試したところ、燃焼した匂いとメンソールのにおいが相まって特に不快感が強い。とはいえ、使用を続けたところ、慣れてしまった。

コンビニでPloom TECHが販売されていたため、購入する。 ちなみにPloom TECH はJTが販売しており、煙草のブランドはメビウスになる。使用してみると水蒸気を吸っている感覚で匂いが無く、延々と吸い続けてしまう。

未だgloは使用していない。

石井ゆかりの星占いにさっと目を通してようやく今年というものを考える時間を得る。全く柄じゃないが。

無料の出会い系アプリを試した。概ね私が使用したアプリの構成はオープンな場所からコンタクトを取り、互いにしか見えないチャットへ移行するというものだった。一応、アイコンは自画像を使用したが、結局チャットとは言えコミュニケーションであり、相手の返事を待つのが煩わしく進展は一切無く、自らの不甲斐無さが良く理解出来た。

山田洋次の隠し剣鬼の爪とたそがれ清兵衛を再視聴した。どうしてもたまに観たくなる作品である。

日曜日の早朝からレンタカーで群馬県まで向かう。営業所に集まり行楽に心高ぶらせる若者の集団が眩しくも煩わしい。

雪が降った。さっさと帰れば良いものをだらだらと仕事を続けた結果、時間間隔の調整を各駅で続ける電車に乗る事になった。同僚の飼い犬の話を聞き続けたところ、犬の名前は「うどん」というらしい。笑ってしまった。

レンタカーを借りて都内から横須賀を越えて三浦半島に入る。

地下鉄の構内を薄化粧の女性が小走り、はらり、膝丈まで伸びたツイード調のジャケットのセンターベントがめくれベージュの下地を垣間見る。

同業者と共に客先へ向かう。どうにも遠回りな説明をする専門職、直裁で展開しない尋問にも似た質問をするもう一方の専門職…貧乏くじを摑まされていると思う。

寒さの為か、スマートフォンの電源が落ちた。地図アプリの誘導を失い、念の為に印刷した地図を片手に静岡市街をさまよう。

有料の出会い系サイトを使用した。セックスを誘う女性は概して最後の交渉で援助と称して二万円を要求してくる。風俗に通う友人の説明するところによれば、二万円があればそれなりのサービスが受けられると言う。市場が変われば相場は変わるといったところか。有料であるから、女性に興味を持てば課金が必要になる。サイトによっては、女性はメールのやり取りを何度かすれば、得をする仕組みなんてのもあるらしく、やり取りが途中で終わるのも珍しくない。未だ女性と出会える気配は無い。

2018年1月10日/新本格ミステリー・ダーティハリー・三連休

綾辻行人の館シリーズを読み進めている。現在は第四作目「人形館の殺人」まで読み進めた。「人形館の殺人」において、梅沢事件なる説明があり、史実かと思いネットを検索したところ、島田荘司の「占星術殺人事件」が元ネタであることが判った。あとがきを読んだところ、ミステリーファンのための挿話らしい。この後、「占星術殺人事件」を読むことが決まった。

仕事柄、柄でもない場所に行き、事務職の管理職に胡散臭そうな目つきで見られることが多々ある。それは仕方無いことである。そこでヘマをやらかすと、それはもうあげつらってその場を離れるまで馬鹿にされてしまう。

三連休をひたすら眠り、腰を痛めながらダーティハリーシリーズを全て観終えた。父親が酒の肴にヘラヘラしながら観ており、その横でぼんやりと観ていたものである。改めて観ると、ダーティハリーことハリー=キャラハンはまともであり、作品の中怠みは逆に心地良いものであった。ハリー=キャラハンは自らの仕事について「新しい秩序が生まれるまで必要」と言った趣旨を説明している。おそらく新しい秩序は生まれなかったのではないか、「ノーカントリー」のようにコイントスのルールが世の秩序になってしまったのではないか。「グラン・トリノ」のように拳銃を捨てることになったのは、多分に後ろ向きな姿勢の中で生まれた希望なのではないかと思う。

『ゲンロン2 慰霊の空間』

東浩紀編『ゲンロン2 慰霊の空間』を読んだ。
読んだのが一年以上前になり、印象しか触れる気は無いのだが、面白かったのは哲学者カンタン=メイヤスーの著書『有限性の後で』に関する千葉雅也と東浩紀の対談「神は偶然にやってくる―思弁的実在論の展開について」だった。
しかしながら『有限性の後で』を読んでいない体たらくぶり。
次巻『ゲンロン3 脱戦後日本美術』を手に取り9/10は読み終えたのだが、如何せん読み終えることができないまま、ゲンロンの新刊に手を出せないでいる。
この辺りから哲学・思想・評論的な著作はほとんど読まなくなってしまったかもしれない。

ゲンロン2 慰霊の空間

ゲンロン2 慰霊の空間

  • 作者: 東浩紀,筒井康隆,中沢新一,津田大介,五十嵐太郎,市川真人,大澤聡,福嶋亮大,千葉雅也,海猫沢めろん
  • 出版社/メーカー: 株式会社ゲンロン
  • 発売日: 2016/04/27
  • メディア: Kindle版
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ゲンロン2 慰霊の空間

ゲンロン2 慰霊の空間

  • 作者: 東浩紀,筒井康隆,中沢新一,カオス*ラウンジ,新津保建秀,津田大介,藤村龍至,渡邉英徳,黒瀬陽平,五十嵐太郎,ボリス・グロイス,市川真人,大澤聡,福嶋亮大,さやわか,千葉雅也,クレイグ・オーウェンス,速水健朗,井出明,海猫沢めろん
  • 出版社/メーカー: 株式会社ゲンロン
  • 発売日: 2016/04/07
  • メディア: 単行本
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2018年1月2日/年の瀬の光景と新年の行動

乗り換えた電車で女性が座席に横になって眠っている。以前にも同じような光景を見たことがあったなと思う。

今年で約10kgの体重の上昇があったため、上司と共に年末に向けて減量を目標にしていたのだが三日坊主となり、体重が約3kg増えるという残念な結果になった。やはりジムに毎週通わなくなったことが大きい。問題は持ち前の怠惰さが前面に出ていることだろう。

今村昌弘の「屍人荘の殺人」を事前の仕込み無しで読んだのだが、クローズドサークルになる理由が本書を手に取る前の予想と一致していた状況だったため、面白さが半減したことは否めない。その後、新本格ミステリーというジャンルに興味が湧き、その元祖となる綾辻行人の「十角館の殺人」を読んだ。このまま館シリーズを全巻読破したい気分である。

仕事を納めた翌日の時間を睡眠に注いでしまった。

大晦日に起きると会社から支給されている携帯電話が鳴った。今年は仕事ばかりの1年だった。

大晦日は友人と年越し蕎麦を食べることになった。去年は深大寺の蕎麦となり、今年は麻布十番の更科蕎麦を食べた。行列に並ぶのは苦行だが店内で飲む熱燗は最高である。

2軒目の蕎麦屋の行列で先に並んでいたところ、目の前に並んだ家族が居た。その姉妹の一方がスマートフォンでドラマを観ていたところ、「パケットの無駄じゃん」ともう一方が咎め始めた。これに対して「えっ、皆50ギガずつでしょ。自分の経験を言われても…」と一方が返答したところ「お前は黙ってろよ」ともう一方が睨み返す。その後、家族のスマートフォンのパケット量の確認が始まる。年末の微笑ましい家族の光景に思わず笑ってしまう。

大抵大晦日の夜はさっさと寝てしまうのだが、今回は人の勧めもあり、近所の神社に初詣に行くことにした。境内に入ると出店の机で新年を祝う参拝客で溢れていた。人混みの中で過ごしていると若者のはしゃぎ振りが微笑ましいと同時に気分が冷めていった。このような心境をカラオケ店で年末休み無く働く友人に説明したところ「俺は年明け早々から酔った若者を相手にして来たんだけどな」とのことであった。

手を合わせども願掛けすることは無い。

スター・ウォーズ 最後のジェダイを観た。シナリオが不味過ぎなのではなかろうか。途中からその場面のみ楽しむように心掛けることにした。

年賀状が届いていた。

パソコンに向かってブログを更新する作業を続けている。

マチネの終わりに

平野啓一郎著『マチネの終わりに』を読んだ。

天才クラシックギタリストの男性と通信社で働く女性の恋愛を描いた作品。舞台は東京、バグダット、パリ、ニューヨーク。40代の苦悩や世界情勢や思想を絡めながら物語は進む。

当時は毎日新聞で掲載された後、noteに転載されるという仕組みになっていた。若手のアーティストとの競演が実施され展覧会もあった。当時は本書にどっぷり浸っており、当初はnoteで読んでいたものの、連載を先に読み進めたい余りに毎日新聞のアカウントを作成した始末。また、仕事終わりに展覧会にも足を運んだ。既に熱は冷めたが本書をきっかけにしてクラシックギターを聴く機会を得た。現在、平野啓一郎の作品を人に勧めるなら、本書を選ぶことは間違い無い。

何故に本書にそれ程引き込まれたのか考えるものの、明瞭な理屈は思い浮かばない。敢えて言えば、誰かに想いを寄せるようになった時の稚気めいた想い等を笑い飛ばすことも無く、登場人物の機微として描いているためだろうか。また分人主義をベースにした人間の狡猾さ、頑迷さを描き、悪人とも言うべき登場人物がいないためだろうか?

主人公がスランプに思い悩む重苦しさから、逃れ出て行く様が気持ち良い。また、差し迫ったソロ演奏の舞台を前にして主人公が亡くなった親友のギタリストと邂逅するシーンは、誰かの未来を幾分か支え得る生の重みを思いださせてくれる。

本書に登場するギター曲に興味が生じた場合、本書とタイアップした下記のCDを聴くのが良いと思う。

マチネの終わりに

マチネの終わりに

マチネの終わりに

マチネの終わりに

マチネの終わりに

マチネの終わりに

『スター・ウォーズ フォースの覚醒』

J=J=エイブラムス監督作品『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を観た。

何で『最後のジェダイ』が公開中のなか、『フォースの覚醒』を話をしているのかと思わず笑ってしまう。既に『最後のジェダイ』を劇場で観たが、1年半年後くらいに感想をブログに書くことになるのではないだろうか。

かなり迷った末に観に行ったが、本作は過去の作品の内容を出し惜しみせずに使用している潔さがあって好感が持てた一方、違和感もあった。どうやら私は普通の感性を持っているらしい。

登場人物に関して言うと、カイロ=レンの物に対して八つ当たりをするシーンが2回程有り、非常に小物感が出ていた。ダースベイダーに成りきれていないことが強調されているのだろうか。

レイとフィンの仲の良さがイマイチ判らないのは、私が内容を忘れているからなのだろうか。

レイが可愛いという声がちらほら聞こえたのだが、デイジー=リドリーを画像検索した時の期待感の裏切りようは何なのだろう。

エピソード1~3並のライトセーバーのチャンバラが観たいのだが、やはりエピソード6以降のジェダイという設定では望めないのだろうか?

『デューン 砂の惑星』

フランク=ハーバート著、酒井昭伸訳『デューン 砂の惑星』を読んだ。

当時、ドキュメンタリー映画「ホドロフスキーのDUNE」の公開前後で、本作の映画化が構想されたものの断念した云々といった話をTwitterで良く見掛けたことや新装版の発売が本作を手に取るきっかけだったと思う。

封建体制が敷かれた宇宙でメランジなる特殊能力の源となる香料の原産地である惑星アラキスで繰り広げられる権謀術数と冒険活劇といった内容で、有名なサンドワームの元祖は本書になるようだ。

中世的な世界観に古臭さを感じなくも無かったが、緻密な設定が後々になって解消されていくようになっており、のめり込むようにして読んだ。

デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (上) (ハヤカワ文庫SF)

デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (上) (ハヤカワ文庫SF)

デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (中) (ハヤカワ文庫SF)

デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (中) (ハヤカワ文庫SF)

デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (下) (ハヤカワ文庫SF)

デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (下) (ハヤカワ文庫SF)

『ゲンロン1 現代日本の批評』

東浩紀編『ゲンロン1 現代日本の批評』を読んだ。
もう読んだのがかれこれ一年以上前になる。
そんな中でも印象に残っているのは亀山郁夫・東浩紀・上田洋子の「ドストエフスキーとテロの文学」になり、亀山郁夫が「新カラマーゾフの兄弟」を書き上げていることを知った。
その他に速水健朗「独立国家論」、コラム連載の辻田真佐憲「軍歌は世界をどう変えたか」、西田亮介「日常の政治と非日常の政治」が面白かった。特に西田亮介の連載は何度も読んだ記憶がある。
一応全てのページを読んでいるが、話題になった「現代日本の批評」は読むのが精一杯だったというのが正直なところ。

ゲンロン1 現代日本の批評

ゲンロン1 現代日本の批評

  • 作者: 東浩紀,鈴木忠志,大澤聡,市川真人,福嶋亮大,佐々木敦,安藤礼二,黒瀬陽平,速水健朗,井出明
  • 出版社/メーカー: 株式会社ゲンロン
  • 発売日: 2015/12/23
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ゲンロン1 現代日本の批評

ゲンロン1 現代日本の批評

  • 作者: 東浩紀,鈴木忠志,大澤聡,市川真人,福嶋亮大,佐々木敦,安藤礼二,黒瀬陽平,速水健朗,井出明,亀山郁夫,上田洋子,ボリス・グロイス,クレイグ・オーウェンス,海猫沢めろん
  • 出版社/メーカー: 株式会社ゲンロン
  • 発売日: 2015/12/04
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2017年の音楽

2017年に聴いた音楽を以下にまとめた(→2016年の音楽)

アルバムをCDなりダウンロードで聴いており、未だにApple Musicなり、Spotifyと言った有料配信サービスは利用していないが、twitter等を閲覧する限り音源が充実してきたという評判を目にするようになった。おそらく、今後は有料配信サービスを使用することになるのではと考える一方、Bandcampの使い勝手が非常に良く、大手配信サービスでは聴けない楽曲をBandcampでダウンロードして聴いていくのではないかと思う。

何というか、非常にわかりやすいベタなメロディに心が奪われることが多くなっている気がしており、それがどういった理由なのかは判っていない。

今年は小埜涼子のNEW DUO seriesを聴いた。また、去年から引き続きバッハの楽曲をクラシックギタリストの益田展行、河野智美、打楽器奏者の加藤訓子、五嶋みどりの演奏で聴いた。
なお、聴取回数を確認したところ、トップはけもの『めたもるシティ』より「めたもるセブン」、次点はJeff Parker『The New Breed』、後は横並びに猪居亜美『Black Star』、Frederic Hand『Odyssey』、ねごと『ETERNALBEAT』だった。印象と結構違う。
大西順子のアルバム2枚のリリースも嬉しく、過去に遡って聴いていきたいと思っている。
アルトサックス奏者の吉田野乃子が参加しているトリオ深海の窓『目ヲ閉ジテ 見ル映画』の印象も非常に強い。

今年聴いたもので特に印象に残った作品は以下の通り。
猪居亜美『Black Star』
ねごと『ETERNALBEAT』
Frederic Hand『Odyssey』
三村奈々恵『マリンバ・クリスタル~祈り~』
Jeff Parker『The New Breed』
小田朋美『グッバイブルー』
河野智美『The BACH』
三舩優子/堀越彰『OBSESSION』
Keiichiro Shibuya『ATAK015 for maria』
けもの『めたもるシティ』
大西順子トリオ『Glamorous Life』
Daijiro Matsuda,Ryoko Ono『NEWDUO series 002』
Christian Scott aTunde Adjuah『The Centennial Trilogy CD Set』
トリオ深海ノ窓『目ヲ閉ジテ 見ル映画』

以下、聴取順の47曲の目次。クリックにて該当箇所へ。引用内の画像はAmazon、楽曲名はYou Tubeへのリンクとなっている。感想の程度は概ね聴き込み具合と比例する。

Homei Yanagawa,Ryoko Ono『NEWDUO series 001』

  • アルトサックスによる即興演奏で知られる柳川芳命と音楽家でアルトサックス奏者の小埜涼子によるデュオ。
  • 即興演奏の妙を理解できているのかと言われると、理解できてはいない。しかしながら、やけに聴くタイミングによっては良くハマることもある。おそらくライブに行くのが一番の近道なのだと思う。

益田展行『バッハ作品集』

plays Bach バッハ作品集
無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012 第一楽章 PRELUDE〈編曲:益田展行)

  • クラシックギタリストの益田展行のバッハ作品集。 上記の引用楽曲に聞き惚れて聴いた。
  • 去年からバッハのギター演奏を聴いていたため、山下和仁、福田進一のBWV1012を聴き比べてみたが、三者三様の解釈の違いが浮き彫りになる。その中でより優美さと端正さを感じるのは本作のように感じる。

猪居亜美『Black Star』

Black Star
サグラレス:はちすずめ

  • はちすずめをきっかけに本作を聴いた。
  • おそらく超絶技巧な楽曲を演奏している模様。
  • パガニーニの24のカプリースを聴き、堂本光一と中谷美紀が主演のテレビドラマの「ハルモニア」を思い出し、篠田節子の同名の原作を読むという機会を得た。
  • You Tubeの猪井亜美の動画を探すとファイナルファンタジーやニーア ゲシュタルト/レプリカントのBGMをギター用に編曲して公開しているようだ。

ファジル=サイ『モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集』

モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331

五嶋みどり『バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ 全曲』

SONATEN & PARTITEN BWV 10
パルティータ第3番ホ長調 BWV1006: III. Gavotte en rondeau
パルティータ第2番ニ短調 BWV1004: V. Chaconne

  • 五嶋みどりバッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの全曲初録音のアルバム。
  • とりあえず五嶋みどりと堀米ゆず子の演奏を聴き比べてみたが、音の伸ばし方とかに若干の違いが感じられた。

ねごと『ETERNALBEAT』

ETERNALBEAT(通常盤)
ETERNALBEAT
アシンメトリ

  • BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之とROVOの益子樹がサウンドプロデューサーとして参加したねごとのアルバム。
  • エレクトロニカなアルバムとなっており、「ETERNALBEAT」、「アシメントリ」、「Ribbon」を良く聴く。特にアシメントリのエコーが好き。
  • ロックバンド的な路線はどのように継続するのだろうと考えていたら、何と年内に新たなアルバム『SOAK』が発表されて驚いた次第。

宇多田ヒカル『Fantôme』

Fantôme
花束を君に
二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎
真夏の通り雨
忘却 featuring KOHH
桜流し

  • 当初は感情移入することは無かったものの、改めて聴くと良いなと思う。
  • 「二時間だけのバカンス」、「桜流し」は良く聴いた。
  • 「二時間だけのバカンス」のMVがスター・ウォーズだった。あと、宇多田ヒカルと椎名林檎が綺麗だなと月並みに思った。

土岐麻子『PINK』

PINK
『PINK』ダイジェスト動画

SHAI MAESTRO TRIO『The Stone Skipper』

STONE SKIPPER
Water Colors (Home Session)

Frederic Hand『Odyssey』

Frederic Hand: Odyssey
Prayer
Sophia's Journey

  • クラシックギタリストにして作曲家であるフレデリック=ハンドの作品。
  • 表題曲の問い掛けのようなギターの旋律に心奪われる。

クーベリック・トリオ/石川静、カレル=フィアラ、クヴィータ=ビリンスカ『ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第3番 & 第7番「大公」』

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第3番、第7番「大公」

平野玲音/ペーター=バルツァバ『ピアニストのチェロ―ショパン:チェロ・ソナタ 他―』

ピアニストのチェロ ?ショパン:チェロ・ソナタ 他?

ECD + 空間現代『Live at Waseda 2010』

  • 空間現代を聴くようになったのは、本作の動画を観たことが理由になっている。
  • 本作はECDの闘病を支援するために空間現代がリリースした作品になるらしい。
  • 「関係ねー」

三村奈々恵『マリンバ・クリスタル~祈り~』

マリンバ・クリスタル~祈り~

  • マリンバ奏者である三村奈々恵のアルバム。
  • バッハから現代音楽の演奏が収録されているのだが、良い意味で内容が混沌としており、意表を突かれた。

北村陽子『ドビュッシー:前奏曲 第1集 & 第2集』

ドビュッシー:前奏曲第1集&第2集

Jeff Parker『The New Breed』

The New Breed [ボーナス・トラック1曲 / 解説付き / 正方形紙ジャケット仕様]
Cliche

  • TortoiseのJeff Parkerの作品。
  • ダウナー系のスローテンポのため、非常に心地良く聴けた。

D.A.N.『TEMPEST』

TEMPEST
TEMPEST

  • D.A.N.のミニアルバム。
  • グルーブのミニマリズム。

小田朋美『グッバイブルー』

グッバイブルー
『グッバイブルー』試聴動画

  • 小田朋美のソロアルバム。
  • 演奏・歌唱・歌詞に耳が離せない。前作『シャーマン狩り』と比較してより聴かせてくれる。
  • 「北へ」、「マリーアントワネットのうた」は聴く度に鳥肌が立つ。
  • 「陣痛かもしれない」

前田啓太『I Ching』

I Ching

  • ペア=ノアゴーの「イーチン」、クセナキスの「ルボン」と「サッファ」の演奏。

福田進一『マズルカ・アパシオナータ』

マズルカ・アパシオナータ 〜ベスト・オブ・バリオス〜

Pablo Casals『Bach:Cello Suites』

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)≪クラシック・マスターズ≫
Cello Suite #1 In G, BWV 1007 - Praeludium

  • ようやくカザルスの演奏を聴いた。

JAZZ DOMMUNISTERS『Cupid & Bataille, Dirty Microphone』

Cupid & Bataille, Dirty Microphone
革命feat.I.C.I

  • 良かったのだが、そもそも余りラップを聴く訳では無いので比較ができない。
  • I.C.Iは前作から引き続き登場。朗読に近いラップの間隙に切り裂くように登場するサックスが最高。
  • 大谷能生こと谷王は「相模横浜オリジナルフロー」

挾間美帆『Time River』

Time River
The Urban Legend

  • ようやっと挾間美帆率いるm_unitを演奏を聴いた。

Nik Bärtsch's Ronin『Holon』

Holon
Modul 45

  • Nik Bärtsch's Roninの『Stoa』と『Llyria』の間隙を埋めるために聴いた。

河野智美『The BACH』

ザ・バッハ

  • クラシックギタリスト河野智美のバッハの演奏。聴かない訳にはいかない。
  • 河野智美の編曲が多数を占めている。
  • 柔らかな落ち着きのある演奏はバッハに対して親しみを感じさせてくれる。

猪居亜美『Moonlight』

Moonlight
moonlight視聴動画

三舩優子/堀越彰『OBSESSION』

OBSESSION
歌劇イーゴリ公 第2幕: ポロヴェツ人の踊り(ダッタン人の踊り)

  • ピアノとドラムスによるクラシック演奏。
  • 「ポロヴェツ人(ダッタン人)の踊り」をしっかりと聴くのは初めてだったのだが、その旋律に感銘を受けた。
  • ファイナルファンタジーのBGMに似たようなメロディの曲があった気がする。

Steve Lehman Octet『Mise en Abîme』

  • 以前ジャズを愛好する方々が年間のベストに挙げていた作品。

Keiichiro Shibuya『ATAK015 for maria』

ATAK015フォー・マリア
for maria

  • 渋谷慶一郎のATAKレーベルの配信解禁を機に聴いた。
  • 久しぶりに感情移入して聴いて涙腺をうるませることを許した。
  • 上記の掲載曲と比較して本作の「for maria」は相当意図的に重く演奏されている印象。

GRAPEVINE『ROADSIDE PROPHET』

ROADSIDE PROPHET(通常盤)
Arma

  • 「疲れなんか微塵も無いとは言わないこともない」GRAPEVINE20週年のアルバム。
  • 普通の人達が主役の楽曲。

高橋悠治『エリック=サティ:新・ピアノ作品集』

エリック・サティ:新・ピアノ作品集

加藤訓子『Bach:Solo Works For Marimba』

Bach, J.S.: Solo Works for Mar
Bach:Violin Sonata #3 In C, BWV 1005 - 1. Adagio

  • 加藤訓子の解説に「天上の音楽」という言葉があり、篠田節子の「ハルモニア」にも散見された。
  • 音楽を直観することにより私が真理を得ることはできないだろう。おそらく私は感極まって得た状態を以て真理と勘違いするだけだろう。
  • 教会で録音されており、響きがちょっと違う。

ものんくる『世界はここにしかないって上手に言って』

世界はここにしかないって上手に言って
ここにしかないって言って
空想飛行

  • 前作より洗練された印象で、一曲目の[Driving Out Of Town」から高揚感がある。
  • 「透明なセイウチ」の間奏のキーボードが最高。

けもの『めたもるシティ』

めたもるシティ
めたもるセブン

  • 表題曲「めたもるセブン」に感情を掻き立てられた。今を生かされているという所与を「時が私を選んだようです」と表現し、現在/2017年と近い将来に対する不安と期待を丁寧に描く一方、懐かしい印象も受ける。歌詞自体は東村アキコの東京タラレバ娘の影響があるらしい。
  • その他だと「第六感コンピューター」が面白い。
  • フィッシュ京子ちゃんのテーマも前作から引き続き収録。

CP Unit『Before the Heat Death』

  • 今年来日したクリス=ピッツィオコス。やっと聴いたクリス=ピッツィオコス。

Shuta Hiraki『Unicursal』

Unicursal

  • id:yoroszことShuta Hirakiのアルバム。

大西順子トリオ『Glamorous Life』

Glamorous Lifeグラマラス・ライフ

  • 「7/29/04 The Day Of」が格好良いのだが、映画「オーシャンズ12」のBGMらしい。

大西順子『Very Special』

Very Special ヴェリー・スペシャル

Daijiro Matsuda,Ryoko Ono『NEWDUO series 002』

  • デス声とアルトサックスの競演。聴くと元気になる。

Christian Scott aTunde Adjuah『Stretch Music』

  • トランペッターであるクリスチャン=スコットのアルバム。
  • 本作と次の三部作『The Centennial Trilogy』で色々と挑戦しているらしいが、すんなりと聴けた。

Chris Pitsiokos,Ryoko Ono『NEWDUO series 003』

  • 来日したクリス=ピッツィオコスと小埜涼子の競演。

Christian Scott aTunde Adjuah『The Centennial Trilogy CD Set』

  • 『The Centennial Trilogy』は『Ruler Rebel』、『Diaspora』、『The Emancipation Procrastination』の三部作。本作はセット販売(ダウンロード版)。

トリオ深海ノ窓『目ヲ閉ジテ 見ル映画』

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流転
さくら
空ヲ知ル

  • 吉田野乃子が組んだトリオになり、映画のBGMのような音楽を演奏するグルーブらしいのだが、あれっと言う間にドライブするサックスが快感である。

James McVinnie『Wesley: Organ Music』

Organ Music
序奏とフーガ 嬰ハ短調(1869年改訂版)

  • 年の瀬にパイプオルガンで精神を清め、物事を省みようと「怖い絵展」で提供されたというSamuel Sebastian Wesleyの作品を聴いた。
  • Samuel Sebastian Wesleyはオルガニストで作曲家となる。

High Risk『Dark Territory』

  • 以前、Dave Douglasの『High Risk』を聴いたのだが、どうやらユニット名でもあったらしい。
  • 『High Risk』と同様にドラムスはMark Guiliana。
  • NEU!っぽい感じがする。

ねごと『SOAK』

【早期購入特典あり】SOAK(初回生産限定盤)(DVD付)(SOAK オリジナルクリアファイル Original Ver.付)
DANCER IN THE HANABIRA

  • 前作『ETERNALBEAT』と同路線の作品だったため意外に思ったのだが、果たして次作はどうなるのだろう。
  • 「WORLDEND」、「サタデーナイト」が好き。
  • 本作を聴きながら、今村昌弘の「屍人荘の殺人」や弘綾辻行人の「十角館の殺人」といった新本格ミステリーを読んでいたため、聴いているとミステリーな気分になる副次効果が付いている。

ねごと『Mizuki Masuda Remixes - EP』

Mizuki Masuda Remixes

2017年12月24日/肖像の人類学的解析によりそのルーツは霊長類としてのボノボ

乗るべき電車を間違えた事に気がつき、電車を乗り換える。最近全く運動していないこともあり、息が上がる。腹周りに付いた贅肉は手で掴める程ある。

バスを降りるべき停車場に間違い無く降りたものの、目的地は川の向こう側にあった。印刷した経路図に目的地まで400mとある。なるほど、目的地まで一番近い場所に案内された事は間違いないらしい。

バスに乗っていると天気が良いためか富士山が見えた。埼玉からでも見えるのかと感心してしまう。

眠気に身を任せて一日が終わる。意味も無く解像度が高い夢と思考が混じり合い、夢と現が曖昧模糊としている。夜と夜が繋がり、二日間が一日になる。損得で言えば、損をした気になるだけだった。確かに休息を求めているが、身体は一日中眠る事を欲している訳では無いらしい。

十二月半ばの土曜日、仕事を回す為に土曜日に外出して普段は乗らない電車に乗ると、隣に座った少女がノートに眼鏡を掛けた男性の絵を描いている。隣に座るのは少女の父であり、その絵が父の肖像であることは間違いながった。子を持つ親だけでは無いだろうか、子どもの絵の肖像になり得るのは?

ニトロプラスの装甲悪鬼村正をプレイし、何とかシナリオを全てこなすことができた。主人公の独白だったり、一太刀振るうための文章量が余りにも多かったりするのに辟易したが、本筋のルートに入る頃には耐性が付いていた。

2017年11月20日/現代ギリシャのデフォルトと海上保険に関する考察

アリストテレス=ソクラテス=オナシス。ギリシャ人の実業家にしてミリオネア、二十世紀の海運王。何も金持ちを羨んだりしたいって訳じゃない、そうじゃない。彼が成功と金と名誉を手に入れただけでなく、古代ギリシャの哲学者の名を二つも有していることに注目したい。「君の名は?」「アリストテレス=ソクラテス=オナシス(もしかして、私たち、混ざり合ってるぅ〜‼︎)」「エウレイカ〜(最近だとクリストファー=ノーラン監督作品「インターステラー」における主人公の娘が想起されるのだろうか)」「タウマゼイン‼︎(哲学の始源は驚きにあると学んだものである)」となりやしないかい。しかし、そんなクリシェは一片たりとも聞いた事が無い。グリセリンの浣腸は官能小説の常套の手段。古代ギリシア哲学の講義で海運王の話題は冗談でも挙がらなかった。古代ギリシャ哲学の講義は海運王を学ぶ場では無かった。海運王よりラバーメンの海賊王の方が親しみやすかった。もしかしてオナシスっていうギリシャの哲学者がいてトリプルプレーなのか。哲学者達の3Pなのか、それともオナニーを連想すれば良いのか、疑いさえ抱き始めてしまう。アリストテレス=プラトン=ソクラテス=オナシスなのかもしれないとも疑い出してしまう。思わず検索して確かめてしまう。小池百合子のアウフヘーブンなんて目じゃない、メジャーじゃない。宇宙英雄ローダンシリーズを邦訳したことがあるドイツ語の先生が「アウフヘーブンって君らは哲学習っているから特別な用語だと思っているかもしれないけど、日常会話だと持ち上げるって意味だからね」と昔言っていた。アリストテレスもソクラテスも単にありふれた名前だったということかもしれない、「これだからヤポニカは…」とギリシャ人の溜息が聞こえてくるのかもしれない。そうこうしているうちにアドレナリンが切れ始めた。「そうか、今時はソクラテス=オナシスを知らない人もいるのか」(暗にアホと言っているように見えるが実はそんな気は無い)「アリストテレス=オナシスの名前に興奮している人がいますが、彼はJ=F=ケネディの妻と結婚しています」(豆知識を追加してマウントポジションを取ろうとしているように見えるが、そんな気は無い)「FF外から失礼…」(フォローフォロワーの意味だと最近知りました)等と再帰的になり、真顔に戻るかもしれない。

ノーマン=メイラーの「死者と裸者」を図書館で予約して借りた。図書館で司書は「保存状態が大変悪くなっています」と言い、本をパラパラと開いて見せる。おそらくこの厚さを読み終えるのは二週間では難しいだろう。なぜ、ノーマン=メイラーの「死者と裸者」に興味を持ったのかは思い出せない。ブラウザには「死者と裸者」のウィキペディアの履歴が残っているものの、検索の契機を確認するにはブラウザを三ヶ月以上遡る必要があった。

午前七時の新幹線に間に合うよう、早朝に最寄駅へ足早に向かう。後方から現れた女性が横並びになる。視線を前方へ戻すと、車道に赤黒い痕跡を発見して、何かを想起する前に、街路樹の下に硬直して伸び切った猫の死骸が横たわっていることに気が付く。顔をしかめた後、鮮明に連鎖的に記憶が蘇る。

片田舎で路上に死骸を見つける事は珍しい事では無い。内臓を撒き散らしたイタチ、狸、猫。後ろめたさを感じながら、私はそれに見入っていた事があったはずなのだ。

高校と最寄り駅の通学路に小さな池があった。蓮の葉と茎が水面と水中を巡り、池の中央には赤い鳥居と小さな社があった。その池には数羽の鴨がいた。「グワァグワァ」と時たま連呼する鴨を眺めながら、これから授業を受ける必要も無い鴨を恨めしく思ったものである。

ある朝、まだ肌寒い、マフラーが必要な時期だったと思う。早朝、部活の自主練習の為に池の前を通ると数羽の鴨が路上で血に塗れていた。一羽では無く数羽の死骸が横たわっていた事に故意性を感じさせた。しかし、故意だとして、それは何の為に行われたのだろう。

朝見た猫の死骸は帰宅した際には片付けられていたように、鴨の死骸も知らぬ間に片付けられていた。いや、正確に言えば、猫の死骸は帰宅する頃には忘れてしまっていて、この文章を書く際に事後的に把握したのだ。おそらく鴨の死体も。

最近、車の移動に体力を消耗するため、なるべく新幹線、在来線、バスを使用することにした。午前中に一仕事を終え、在来線の駅で時刻表を確認すると朝のように通勤快速の電車が無い。各駅停車に乗り込み、バッグを抱きしめて眠ろうと試みる。左前方に座る中年の女性はT字杖を傍に携え、ビニール袋からトリスハイボールのアルミ缶をあおり、巻き寿司を頬張る。その女性の前方に座る若い女性はコンビニで買ったであろうカップに入ったデザートをスプーンで掬っている。

警報と共に電車が止まる。イヤフォン越しの車内アナウンスによれば、ホームの安全確認を行うと言う。場面は既に東京の地下に移っている。

一日中、家で眠って過ごした後の早朝の休日出勤。やるべき事は全て後回しになって行く。キッチンの電灯が瞬く。この電灯を以前変えた日は思い出す事はできない。しっかりとはめ込まれた電灯を取り外そうと試みるものの、上手くいかない。

前髪を揃えた幼い女の子から前髪を揃えた2人の女子高生の化粧と細くメリハリの無い長い脚にマカロニを食べ過ぎて戻してしまった青年。

「ボージョレボージョレボージョレヌーヴォー」とスーパーで昼食の弁当を買おうと店内を巡っていると聞こえた意味の無い反復。

「バーニラバニラバーニラ」と路上で聞こえた女性を煽る職業案内。

2017年10月21日/投票の前に

私が住む自治体の選挙区は、希望の党の候補者が立候補しており、野党共闘が成立していない。そのため、自民党、希望の党、立憲民主党、共産党、無所属と投票先だけは豊富にある。週刊誌の記事を斜め読みしたところ、自民党の候補者の当選が見込まれており、次点が希望の党の候補者になっていた。過去の選挙結果の得票数に鑑みると、候補者が乱立している状況において、自民党の候補者の当選が確実だと言えるのではないかと思われた。加えて、選挙の終盤情勢によれば、与党は300議席を獲得する見込みだとも言う。私は与党を支持しないものの、経済政策に関しては、現政権の功績と方向性は認めるべきだと思っている。問題なのは、与党内や野党に現政権以上の経済政策が望めないことだ。

職場でパソコンの前に張り付いていると、外から選挙の候補者の街宣車の声が聞こえてくる。「結構うるさいな」「そうですね」と社員たちが苦笑いをしている。

けものの新譜『めたもるシティ』を聴いたところ、表題曲「めたもるセブン」に感情を掻き立てられた。今を生かされているという所与を「時が私を選んだようです」と表現し、現在/2017年と近い将来に対する不安と期待を丁寧に描いていると思う。

仕事を終えて一服するために喫茶店に入った。喫煙席に座ったにも関わらず、女性客に囲まれる形になった。どうやらランチタイムということらしい。煙草を吸いたいと思うものの、両隣の女性客のテーブルの上を眺めると、灰皿は置かれていない。弱ったなと思いながら、煙草の箱をテーブルの上に置き、ガラス越しのパチンコ店の真赤な看板と人の往来を眺めた。

2017年10月8日/3ヶ月後

気が付けば十月となり、先の雑記から余りに時間が経ち過ぎていた。

七月の三連休の初日に出勤し、面談相手に軽くあしらわれるのも仕事の内なのだから、溜め息が出るというものだ。

座席の仕切りに寄り掛かった美しい長身の女性。花柄のロングスカートからすえた匂いが漂う。

小松左京の「アメリカの壁」を読み終える。小松左京を読むのは初めてだが、かなり面白かった。

都議選の結果を考える。都民ファーストの会というより、まず、知事選が思い出されてくる。小池百合子の出馬表明を受けて思ったのは、都知事になることが政治家の影響力を復活する手段になるのだろうという事だった。豊洲市場の問題等を見ても、卓袱台をひっくり返しているだけにしか見えない。ラジオによれば「常に次に何をしようか考えている」そうである。

夢の中で城が燃え上がる。もっと燃えろと焚き付けていたのは自分だけだった。

仕事で木更津を訪れる。仕事を終えて友人と連絡を取り、駅前で待ち合わせる。ロータリーを行き交うバス、駅に向かう高校生。友人に連れられて訪れた喫茶店の扉を開くと女子高生しかいなかった。

「後輩にサカイさんって女性がいるのね。サカイさんは昔から付き合っている彼氏がいるらしいんだけど、彼氏が浮気をするらしいの。それで、また浮気されたから別れようかなって言うの」

twitterをアカウント無しで読むことが難しくなったため、観覧用のアカウントを作らざるを得なかった。

上司の勧めで「レッド・オクトーバーを終え!」を観た後、勢いベトナム戦争を描いた「ハンバーガー・ヒル」、加えて「プライベート・ライアン」を観た。また、「アフタースクール」、「鍵泥棒のメソッド」も観た。やっぱり映画は良い。しかしながら、映画館に通うという習慣が無くなって久しい。

西田亮介の「不寛容の本質」を読んだが、今まで著作の要旨を簡潔に記したといった内容であった。

日中、電車で移動していると、修学旅行のしおりを持った中学生を見掛ける。名札の校名を検索すると岩手県!?。わざわざ遠いところからご苦労様だ。

ミシェル=ウェルベックの「服従」を読んだ。初めてミシェル=ウェルベックを読んだが、途中で放り出すことは無かった。

伊豆を車で走らせている時、果たして仕事以外で伊豆に行くことがあるのだろうかと思う。上司が伊豆のホテルに泊まったと言い、調べれば、湯船から水平線を拝むことができるホテルだった。

「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」を読んだ。料理がしたくなる本である。なお、日本式のカレールウに関する話題が印象的。塩分が多いってよ。

怒りは換金できない。感情を換金した時のこれじゃない感じ。

Kindleで発売されている深町秋生の作品を全て読んだ。「ショットガン・ロード」がお勧めだ。組織犯罪対策課が登場する作品も良い。

以前の職場の同僚からメールが届く。資格取得をしたという自慢メールだったが、勘違いして退社1年後の安否確認メールだと思った俺は幸せである。

「当て屋の椿」を読もうと試みたが、3巻まで読んで力尽きた。

冷静に考えた結果、貯金が無いため、結婚ができないことが判った。何故今まで気が付かなかったのか、我ながら不思議である。

小松左京の「日本沈没」、谷甲州が引き継いだ「日本沈没第二部」を読み終える。最終的に日本人とは何かと言った内容までに話が及ぶ。更に東浩紀がセレクションした小松左京短編集を読んだ。サイコトラベルという言葉の響きが新鮮である。

昔、寝る前にスター・ウォーズもどきの物語を頭で繰り広げていたのだが、記憶で展開したものは、記憶できている限り、時間的な差が無い。これを文章化した時、やっと作業となり時間差が出来るのではないか。そんなことないか。

谷甲州の「航空宇宙軍史」を読み始める。最高に面白いのだが、Kindleで完全版が全て出版されていない。

午後2時に喫茶店。ホワイトオムライスを頼むも売り切れと言われノーマルオムライスを食べる。

太った。8kg太った。安定感半端無い。

勝田文のマリーマリーマリーが終わる。楽しみが一つ減った。

上司に連れられて通な感じがする日本料理屋で酒を飲む。お通しが美味しくて感動した。お通しが美味いのは良い事である。

小池百合子の希望の党と民進党の合流に驚き呆れる。小池百合子を上述した理由は都民ファーストの会の議席数を受けてしたものだが、展開が早過ぎるし、稚拙にも見える。

自民党も消費税を増税するらしい。私はリフレを支持している。しかしながらその理由は、読んだ本の著者がリフレ派、加えて欧州の左派がリフレ政策を支持、尚且つ海外の著名な経済学者がリフレ政策を支持しているからという浅薄なものである。さすがにこれではいけないと思い、若田部昌澄と栗原裕一郎の「本当の経済の話をしよう」、松尾匡の「この経済政策が民主主義を救う 安倍政権に勝てる対案」を読み終える。更に飯田泰之の「世界一わかりやすい 経済の教室」を読み進めている。

2017年7月5日/台風一過

あさりよしとおの宇宙家族カールビンソンとるくるくを読み終える。リスのター君の布団叩きに笑ってしまった。

筒井康隆の馬の首風雲録、おれの血は地人の血、パプリカを読み終える。どうも筒井康隆の小説は自らのリビドーを認識させられるところがあり、読みながら悶々とする事が多い。

仕事に飽き、都議会の候補先を眺めてみた。基本的に皆50歳以上、告示用に撮影された写真はポスターのように加工もされておらず、皆年相応の皮膚の張りと艶である。正直、候補先は無いと思っていたのだが、気になる候補者を見つける事が出来た。

高校時代からの友人と大学時代からの友人にアフロ田中の主人公田中宏に似ていると指摘されることがある。正直不本意であるが「俺は何時まで性欲に振り回されなければならないのだろう?」といった思考回路が似通っているという。なるほど、その指摘は的を得ているかもしれない。また、友人達は気遣って指摘しないのだろうが、職を転々としているという来歴などの影響もあるのだろう。とはいえ、アフロ田中は時折立読みで斜め読みする程度の認識である。しかも似通った思考回路の主人公の物語を読むという行為は自らの追体験でしかないと読まない理由を考えてしまう。

確かに性欲に振り回されているのは間違いは無く、俺の日々の疲れは自慰行為によるところが多くを負っていると思う。

女性の小さな膝を可愛らしいと思ったが、今までそんな事は一切考えた事は無かった。

母から連絡が有り、病気で都内に通院する事になったという。甲状腺の不調との事で、こうやって要支援、要介護度を認定されて行くのだろうなと思い、近い将来を憂いたくなる。

仕事中、スラックスの尻の部分が裂ける事態に陥る。やはり、ジム通いが滞り、太ったのだと思う。しかし、そんな事より当座の危機をどのように乗り越えるのかが問題だ。ガムテープを内側に貼ったり、ホチキスで留める処置は上手くいかず、仕方無くダプルクリップで誤魔化す事にした。さっさと帰宅しようとした時に限ってこうなってしまう。

痩せた母親から家族の近況を聞きながら、その端々に表れる不満の色にウンザリし、自分は一人で暮らす事に慣れ過ぎたのかもしれないと思う。どうやら母は義理の息子達に何か思うところがあるらしい。

スーツを買いに出掛ける。スーツを割引にする為にクレジットカードを作る必要があるというのだからウンザリしてしまう。全く馬鹿げた仕組みだと思う。

都議選の結果を眺めながら、色々思うところがあるのだが、感想は後にする。

最近、結局のところ、物事に対して確たる考えが無く、自らの論理の帰結で何か考えるという事が稀、端的に言えば無く、あらゆる結論から都合の良いものを選んでいるに過ぎないのではないかと思うに至る。

スピリッツはアイアムヒーローが終わって以来読んでいないのだが、ふと思い立ってアフロ田中を読んだところ、この主人公がお前だと言われれば、否定する事は無いと思った。