2016年に聴いた音楽をまとめた(→2015年下半期の音楽)。
上半期にまとめる予定が時期を逸して一年間に聴いたものをまとめる形になった。
今年は専ら音楽家である小埜涼子に関連する音源を聴いていたと思う。また、クラシックギターに興味を持ち、福田進一の演奏をよく聴いた。更にクラシックのソロ演奏を聴いていったという流れになるだろうか。なかでもパーカショニスト加藤訓子のアルバムは面白く聴いたと思う。
全く日々は流れ流れていくばかりのなか、耳に繋いたイヤフォンから流れる音色に感情を任せて何とか乗り切ったように感じる。音楽を途切らすことなく、常に聴きたいものを聴き続ける意欲があることは重要だと思う。「懐かしむには早過ぎる」と言わないまでも、聴き続けることで判らないことも判る時がやってくるものだと思う。
以下、聴取順の目次。クリックにて該当箇所へ。視覚的に寂しいためAMAZONのアートワークを貼った。但しBandcampのアートワークは楽曲が視聴可能。その他の各音源は文章中にYouTube等へリンクした。
- Tortoise『TNT』
- 山下和仁『J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲(全曲)』
- 河野智美『リュクス』
- 河野智美『祈り』
- John Lewis『J.S. Bach Preludes & Fugues Vol.1~Vol.4』
- GRAPEVINE『BABEL,BABEL』
- 入江陽『SF』
- SAX RUINS『Blimmguass』
- SAX RUINS『Yawiquo』
- Dave Douglas『High Risk』
- 林栄一 小埜涼子『Beyond The Dual 2』
- Tigran Hamasyan, Yerevan State Chamber Choir, Harutyun Topikyan『Luys I Luso』
- RS5pb『Unda』
- Rabbitoo『the torch』
- 林栄一 小埜涼子『Beyond The Dual』
- Snarky Puppy『We Like It Here』
- Moe and ghosts × 空間現代『RAP PHENOMENON』
- 福田進一『J.S.Bach 1 Chaconne』
- 福田進一『J.S.Bach 2 Jesus bleibet meine Freude』
- 福田進一『J.S.Bach 3 Air』
- 福田進一『J.S.Bach 4 Sinfonia』
- ROVO『ROVO presents MDT Festival 2015』
- 尾尻雅弘『ソロ・ギター・アドベンチャー』
- 福田進一『J.S.Bach 5 Wachet auf,ruft uns die Stimme』
- Radiohead『A Moon Shaped Pool』
- 稲垣稔 松本吉夫『J.S.バッハ:イタリア協奏曲 (ギター・デュオ版)』
- Marc Cary Focus Trio & Friends『Cosmic Indigenous』
- 田部京子『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第30番、第31番、第32番』
- 小埜涼子『Electronic Elments 2』
- 菊地成孔『機動戦士ガンダム サンダーボルト オリジナル・サウンドトラック』
- 大西順子『Tea Times』
- 山下和仁『展覧会の絵 & 火の鳥』
- 堀米ゆず子『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲 BWV1001-1006』
- 加藤訓子『kuniko plays reich』
- 加藤訓子『CANTUS』
- 加藤訓子『Ⅸ - IANNIS XENAKIS』
- D.A.N.『D.A.N.』
- 清水真弓『FANTASIE』
- 福田進一『マチネの終わりに』
- Keith Jarrett Trio『Changeless』
- 林正樹『Lull』
Tortoise『TNT』
- シカゴのインストゥルメンタルロックバンド。シカゴ音響派の傑作として知られている。
- 7年振りの新譜『The Catastrophist』に併せて音源が発売されていた為、これを機に購入した。
- 様々な楽器の音は激しく主張する事も無く並列に置かれているという印象を抱く。
- キッチンの換気扇の下で煙草を吸っていると、ボーンと低い音の反復がどこからか聴こえ、部屋に戻ってやっと「Four-Day Interval」という曲の中に構成された音だと判った。
- ジム=オルーク『Visitor』を連想したが、彼自身シカゴ出身で音響派と呼ばれていた事に気がついた。
山下和仁『J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲(全曲)』
- クラシックギタリスト山下和仁編曲による1990年に録音されたバッハの無伴奏チェロ組曲。
- クラシックギターに興味を持つようになった平野啓一郎の小説『マチネの終わり』でヒロインは戦火のイラク取材で心に傷を追いながら主人公が二十代後半に発表したバッハの無伴奏チェロ組曲を聴き感想をこう漏らす。「土台、雄渾なチェロという楽器の響きを、今の彼女は、とても受け止めきれなかった」。この感想は正にその通りで、クラシックギターの親しみやすさにすっかりはまってしまった。
- 無伴奏チェロ組曲第6番の演奏動画を見つけた。身動き一つせずに弾いているのかと想像していたのだが、全身を使って演奏している姿が意外であった。
河野智美『リュクス』
- クラシックギタリスト河野智美名義の2枚目の作品。
- JAZZ TOKYOに掲載された徳永伸一郎の記事にて興味を持った。ジャズとクラシックギターの取り合わせの為に辿り着いた記事だが、クラシックギター演奏の過去から現在のあらましが説明されている。
- ライナーノーツによれば、本作に収録された作品は20世紀に作曲された作品であり、これは民族音楽・ロック・ジャズの要素が取り入れられている事を意味する。
- ジャズクラシックをテーマとして、自身の感覚に訴えてくる作品、演奏することでもっと多くの人に知って欲しい作品を収録したと河野智美は語っている。
- 上記の記事に触発され、現在のクラシックギターのスタンダードを聴く為に本作を手に取った。これでフレデリック=ハンド、アンドリュー=ヨークと言ったメジャーなクラシックギタリスト兼作曲家を知る事が出来た。
- ジャズクラシックというテーマのためだろう、各楽曲の小粋さを感じやすい。例えば、カルロ=ドメコーニが作曲した「ラプソディ・イン・ブルー」のオマージュである「トッカータ・イン・ブルー」は技巧的で洒脱である。
- 本作はフレデリック=ハンド作曲「トリロジー」より始まり「祈り」で締めくくられる。
河野智美『祈り』
- クラシックギタリスト河野智美名義の1枚目の作品。
- 「リュクス」がジャズクラシックをテーマにしていたのに対し、本作は「祈り」をテーマにしたクラシック作品が収録されている。
- アウグスティン=バリオスがバッハの影響を受けて作曲したクラシックギターの名作「大聖堂」、バッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第一番ト単調 BWV1001」が冒頭に収められている。クラシックギターでは珍しい楽曲では無いようだが、初めて聴く作品であり、感銘を受けた。
- 本作はチャールズ=コンヴァース作曲、横尾幸弘編曲による「祈り」で締めくくられる。ここに河野智美の思いがはっきりと示されているように思う。宗教的には祈りとは信仰の真髄と察せられる。しかし日々の生活を過ごす人にとって手を取って祈る暇は無い。ここで言う祈りとは日々生きるなか言葉にしないにせよ他者を思う心持ちでは無いか。
- 野暮ではあるが、河野智美が目を閉じ何かを感じ取っているアートワークは美しく気に入っている。
John Lewis『J.S. Bach Preludes & Fugues Vol.1~Vol.4』
- ジャズピアニストのジョン=ルイスによるバッハの平均律クラヴィーア曲集1巻。
- プレリュードはジョン=ルイスのピアノソロ。フーガはアンサンブル。
- 是非、聴きたいなぁと思い、今年の前半に音源を揃えたものの、どうにも聴く気が起こらず適当に聴き流していた。
- 師走に入り、仕事を終え、明日になるかならないか、電車の座席に座ってスマートフォンを眺めて面倒な曲は聴きたくないなと思いつつ選曲しているとジョン=ルイスの名前が目に入る。
- いざ、聴き始めると、嗚呼、馴染む、馴染むぞぉ、染み込んでくる。
- 電車を乗り換えながら、しかし、果たして、ジョン=ルイスによる演奏はジャズなのかという愚問が頭をよぎる。しかし、クラシックに即興を交えるのだから、クラシックであり、ジャズでもあるはずだ。それではクラシックやジャズの定義が私に判るのか?私は考えるのを辞めた。
- 駅を出ると師走の明日の風が身体に応える。しかし耳許ではピアノがやさしくゆっくりと音を跳ね上げて紡いでいく。
- バッハの曲であるから、オルガンやチェンバロを想定していた曲になるはずだが、アンサンブルの編曲でベースがブンブン鳴るのが新鮮で楽しい。
- YouTubeで全曲聴けるのに何故CDを買ったのか問われれば、CD音質で聴きたいという欲求が手間より勝ったからだが、聴き方は多様で言いはずだった。「Vol.1」、「Vol.2」、「Vol.3」」、「Vol.4」
GRAPEVINE『BABEL,BABEL』
- GRAPEVINEの今年の新譜。通算14枚目、所属事務所とレーベルを移籍して2枚目のアルバムとなる。
- このアルバムを聴き終えた感想は、本当にGRAPEVINEはこのアルバムで以て変わったということだった。
- そもそも、前作でも似たような感想を持ったのだが、その駄目押しとでも言うべきものだ。
- ずっとバンドの音源を聴いているとおそらく新譜を聴いて以前の作品との趣の違いというものを発見して、それに対してどう思うかが問題になってくると思う。しかし、どうやら趣の違いと言った変化では無い事が判ってくる。
- 例えば「SPF」のイントロは過去の楽曲「FLY」のイントロと同じだったりして、おそらくGRAPEVINEらしさというのは変わっていない。
- 同じバンドの音源を聴き続けることを、惰性という言葉で片付けてしまう私だが、ちょっと面白くなって来たなとほくそ笑んでいる。
- そういえば過去のアルバムを再現するライブを度々やるようになったらしい。確かに円熟した演奏による若書きの作品はもののあわれである。
入江陽『SF』
SAX RUINS『Blimmguass』
- 「Ruins」の楽曲をSaxの多重録音とドラムスで再構築するプロジェクトの2枚目のアルバムとなり、Ruinsの吉田達也と小埜涼子がメンバーとなる。
- そもそもRuinsって何というところから始まるかもしれないが、それは後で調べて見れば良いでは無いか。私はそうだった。君はどうする?
- とにかく格好良いのだが、お気に入りは「Blimmguass」である。二つの曲調がフェードアウトを何度も繰り返しており、大陸の辺境国家の栄枯盛衰とか歴史を思いやる気分になってしまう。個人では無く、国家とか、人工的な集合体のレベルの時間であるところがポイントだと思う。それだけの情報量の音が詰まっている。
SAX RUINS『Yawiquo』
- 上記プロジェクトの1枚目のアルバムとなる。上記と併せて聴きたい。
- 上記でそれっぽいことを書いたが、ドリフのコント調のような割と愛嬌のある楽曲もあることを付記しておきたい。
Dave Douglas『High Risk』
- ジョン=ゾーンのマサダに参加し、自身も独自のレーベルを持つデイヴ=ダグラスのエレクトリックユニット。ドラムはマーク=ジュリアナ。
- 浮遊感のあるデイヴ=ダグラスのトランペットが良い。
- よくよく考えてみると意識して聴いているトランペッターは類家心平くらいのものだなぁと気がついた。
林栄一 小埜涼子『Beyond The Dual 2』
- 「日本ジャズ界のリビングレジェンド」であるアルトサックス奏者林栄一と同じくアルトサックス奏者で音楽家の小埜涼子のデュオ音源とスタジオレコーディングによる多重録音を収録した作品。「2」と謳っている通り、二人のデュオ作品の二枚目であり、現行では「3」まで発表されている模様。「1」は後述。
- 小埜涼子が関わる作品である事、林栄一の名曲「Naadam」を聴く為に購入したのだが、多重録音でミックスされた壮大なアジアンなエキゾチズムに圧倒される。編曲は小埜涼子による。
- 「A to X」、「Naadam」、「At The End Of Path」の終盤の流れが最高である。
- インプロヴィゼーションよりしっかり構成されたものが好みなのかもしれないと思った。
Tigran Hamasyan, Yerevan State Chamber Choir, Harutyun Topikyan『Luys I Luso』
- ティグラン=ハマシアンとアルメニアのイェレヴァン室内聖歌楽隊により演奏。ECMから発表されている。
- 即興を取り入れた宗教音楽であり、ティグラン=ハマシアンのメタルやらプログレやらを連想させた旧譜とは世界観とは異なるものの、演奏するフレーズは旧譜を思い起こさせるところもある。
- イヤフォンで外出中に聴くような作品では無い。
- 既に本作の続編ともいうべき『Atmosphères』なるセッション作品も発表されている。
RS5pb『Unda』
- 類家心平のバンド。Ruike Shinpei 5 piece band,つまりRS5pbのスタジオレコーディング作品。略称にする必要が判らない。
- ロック色が強く聴きやすいが、骨太な内容となる。
- ギター、ベース、ピアノとどこを聴いていても勢いがあり、良いメンバーなのだと思う。
- 「Invisible」、「Pirarucu」を聴いていると感極まってしまう。
Rabbitoo『the torch』
- Rabbitooの新譜。今年の前半はまだかまだかとずっと発売時期を確認していた記憶がある。
- 旧譜「national anthem of unknown country」が名も無き国の国歌なら、新譜は何処かにある村の篝火に集まる人々が聴くような、小さな共同体の為の音楽とでも言うべきだろうか。
- 「火のこどもたち」、 「影に満ちて梟は雪のように眠る」、「渦巻」
林栄一 小埜涼子『Beyond The Dual』
- 林栄一と小埜涼子のデュオ作品。
- 本作は多重録音は無いため、二人のインプロヴィゼーションを純粋に楽しめる作品。
- 多重録音に比べて音の密度が簡素になって、いわゆる間が楽しめる。
- こちらにもNaadamのデュオが収録されている。
Snarky Puppy『We Like It Here』
- Snarky Puppyの旧譜。お目当てはメンバーのキーボードのCorey Henryが超絶技巧を繰り広げる「Lingus」を聴きたかったため。
- 他の楽曲はプログレっぽく楽しい。
Moe and ghosts × 空間現代『RAP PHENOMENON』
- ラップ担当の萌とトラック担当ユージーン・カイムによりMoe and ghostsと楽曲を再構成し続けるオルタナティブなバンド空間現代によるコラボレーション。
- 両名の音楽を聴き続けてきた経緯があるため、聴かない訳にはいかない。
- トラック担当のユージーン・カイムによる空間現代の楽曲のREMIX、空間現代の再構成された演奏、これらに萌のラップが含まれるという構成。
- ほぼ朗読に近い、バブルから現在の地方のロードサイド文化を生きた、東京出戻りの劇団員であるスガさんとの会話を描いた「可笑しい」はとても可笑しい。
- 「不通」
福田進一『J.S.Bach 1 Chaconne』
- クラシックギタリスト福田進一によるバッハ作品集第1弾。
- 収録曲は「シャコンヌ ニ短調(編曲:福田進一)(原曲:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004)」、「組曲 ト短調(編曲:福田進一)(原曲:無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV1009 」、「組曲 ニ長調(編曲:福田進一)(原曲:無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012)」となる。
- クラシックギタリストを主人公とした小説「マチネの終わりに」は福田進一のバッハ演奏から影響を受けていたと著者の平野啓一郎が発言しており、福田進一の作品をまとめて聴くことにした。
- なんと言えば良いのか、どのようにも楽曲を解釈できるような、多種多様な人々に向けた反射鏡のような音色を紡いでいく演奏だと思う。つまり、とても優しい。
福田進一『J.S.Bach 2 Jesus bleibet meine Freude』
- クラシックギタリスト福田進一によるバッハ作品集第2弾。
- 収録曲は「前奏曲、フーガとアレグロ ニ長調(編曲:オスカー=ギリア)(原曲:前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV998)」、「組曲 イ短調(編曲:福田進一)(原曲:無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011、リュート組曲 第3番 ト短調 BWV995)」、「パルティータ ロ短調(編曲:福田進一)(原曲:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002)」「カンタータ147番より「主よ、人の望みの喜びよ」BWV147(編曲:デイヴィッド=ラッセル)」となる。
福田進一『J.S.Bach 3 Air』
- クラシックギタリスト福田進一によるバッハ作品集第3弾。
- 収録曲は「パルティータ ホ長調(編曲:福田進一)(原曲:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006、リュート組曲 第4番 ホ長調 BWV1006a)」、「組曲 変イ長調(編曲:福田進一)(原曲:無伴奏チェロ組曲 第4番変ホ長調 BWV1010)」、「ソナタ イ短調(編曲:福田進一)(原曲:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ短調 BWV1003、チェンバロ・ソナタ ニ短調 BWV964」、「アリア G線上のアリア ニ長調(編曲:福田進一)(原曲:管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068より第2楽章)」となる。
- ボーナストラックのG線上のアリアはゆっくりと音量も抑えられていて聴き入ってしまう。
福田進一『J.S.Bach 4 Sinfonia』
- クラシックギタリスト福田進一によるバッハ作品集第4弾。
- 収録曲は「組曲 ニ長調(編曲:福田進一)(原曲:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト短調 BWV1007)」、「組曲 イ短調(編曲:福田進一)(原曲:無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008)」、「組曲 ホ短調(編曲:福田進一)(原曲:リュート組曲第1番 ホ短調 BWV996)」、「「アンナ=マグダレーナ=バッハの音楽帖」より、「メヌエット ト長調 BWV Anh.114」、「メヌエット ト短調 BWV Anh.115」、「マーチ ト長調 BWV Anh.124」、「メヌエット ニ短調 BWV Anh.132」、「マーチ ニ長調 BWV Anh.122」、「ミュゼット ニ長調 BWV Anh.126」 」、「シンフォニア ハ長調(編曲:福田進一)(原曲:カンタータ BWV156 「我が片足は墓穴にありて」より)」となる。
ROVO『ROVO presents MDT Festival 2015』
- ototoyで高音質が無料ダウンロードというメールに釣られて聴いた。
- 楽曲が大きく展開され、電子ヴァイオリンの音色で宇宙までトリップできる。
- 今後、ちょっと聴いて行こうかなと考えている。
福田進一『J.S.Bach 5 Wachet auf,ruft uns die Stimme』
- クラシックギタリスト福田進一によるバッハ作品集第5弾。
- 収録曲は「プレリュード ニ短調(編曲:福田進一)(原曲:リュートのためのプレリュード ハ短調 BWV999)」、「フーガ イ短調(編曲:福田進一)(原曲:リュートのためのフーガ ト短調 BWV100)」、「パルティータ ハ短調(編曲:福田進一)(原曲:リュート組曲(第2番)ハ短調 BWV997)」、「ソナタハ長調(編曲:福田進一)(原曲:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005)」、「コラール・プレリュード「目覚めよと呼ぶ声あり」 BWV645」となる。
Radiohead『A Moon Shaped Pool』
稲垣稔 松本吉夫『J.S.バッハ:イタリア協奏曲 (ギター・デュオ版)』
- ギター・デュオとはどんなものかと聴くに至る。
- 収録曲は「バッハ:イタリア組曲 BWV971」、「メンデルスゾーン:無言歌集」、「ソル:ロシアの思い出」、「中南米の民謡集より6作品の演奏」、「パウル=ヒンデミット:3つのギターのためのロンド」、「バッハ:フランス組曲 BWV814」となる。
Marc Cary Focus Trio & Friends『Cosmic Indigenous』
- ラーガの影響が色濃い「12 Stories(For Moseka)」を聴きたくて購入した。
- ヴォーカルも入っていたり、ラーガのことを気にしなくても割とすんなり聴ける。
- しかし改めて聴いてみるとラーガ色が強いが、聴いている内にジャズになってしまう。
小埜涼子『Electronic Elments 2』
- 小埜涼子による打ち込み、コラージュ、自演奏の編曲によるソロ・アルバム。
- 何でもいじれる状態ならここまでやるぞという気概が感じられるが、サックスの演奏が入っているものを割と聴く。
菊地成孔『機動戦士ガンダム サンダーボルト オリジナル・サウンドトラック』
- 「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」のサウンドトラック。
- サウンドトラックだが、劇中のキャラクターが聴いている音楽―フリージャズ、ポップスが収録されており、作詞作曲は菊地成孔となる。
- ジャズピアニスト大西順子の復帰第1作という扱いになるらしい。
- アルバムだけでなく映画も観賞しているが、映画は映画で第2次大戦の宇宙版とでもいうべき泥臭さで、劇中でフリージャズと名指されている演奏が疾走する。
- ちょっとポップスは聴き込む気力は無いのだが、「あたしのカントリー・ソング~Fan of the hay~」はアコースティックで良いなと思った。
- エンディングテーマとなっているdCprG「Ronald Reagan Other Side」は映画ではソロが聴きやすかったという印象を抱いた。
大西順子『Tea Times』
- 大西順子の新譜。プロデュースは菊地成孔。
- 大西順子をきちんと聴くのは、上記のサウンドトラックと併せて初めてになる訳だが、力強さとブラックな演奏に引き込まれる。
- 基本的に菊地成孔作曲だが挾間美帆作曲「The Intersection」が収録されている。
- ラップ曲もあるがピアノを聴いている気がする。
- 「Tea time 2」が冒頭で「Tea time」が後から演奏されるのは何か意図があるのだろうか。
- 菊地成孔プロデュースの定番ポリリズム「GL/JM」も収録されている。
- ホーンの印象が割と強い。
山下和仁『展覧会の絵 & 火の鳥』
- クラシックギタリスト山口和仁の演奏。
- 「展覧会の絵」はピアノ曲からオーケストラに編曲された経緯があるのだが、クラシックギターによる編曲は再現度が高くてちょっと笑ってしまうレベル。実際、最初聴いた時は笑ってしまった。
堀米ゆず子『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲 BWV1001-1006』
- 視聴していたらやたら音質が良い演奏だったので思わず購入してしまった堀米ゆず子の演奏。
- 正直、ヴァイオリンの演奏を聴くのは体力が要すると思って敬遠したのだが、これは本当に音質が良くてずっと聴いていられる。
- 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータは去年から今年に掛けて当たり年で、五嶋みどりも発表しているとか。聴き比べて見ようかと算段しているが実現には至っていない。
- クラシックギターによる編曲の定番でもあり、福田進一と河野智美の演奏も含めて今年は相当聴いている事になる。
- 「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 BWV1004 1~4」、「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 BWV1004 5」」
加藤訓子『kuniko plays reich』
- パーカショニスト加藤訓子によるスティーヴ=ライヒのカウンターポイント三作品の演奏を収録した作品。
- これはよくよく考えてみると途轍もない作品なので聴いた方が良い。
- 本作に加えて『CANTUS』と『Ⅸ - IANNIS XENAKIS』を聴けたのはとても嬉しい。
- 「Electric Counterpoint(version for percussions)」
- 「Six Marimbas Counterpoint」
- 「Vermont Counterpoint(Version for Vibraphone)」
加藤訓子『CANTUS』
- パーカショニスト加藤訓子によるスティーヴ=ライヒ、アルヴォ=ペルト、ハイウェル=デイビーズの作品の演奏を収録した作品。
- スティーヴ=ライヒの「New York Counterpoint」が収録されている。加藤訓子に本作で以てライヒのカウンターポイントシリーズを全て編曲したらしい。
- エストニアの作曲家アルヴォ=ペルトやハイウェル=デイビーズに関しては私自身が無知であることを加え、スマートフォンのイヤフォン聴きのため、きちんと聴けていない。
- 「Fratres(Arvo Pärt)」
- 「Purl Ground(Hywel Davies)」
- 「Spiegel im Spiegel(Arvo Pärt)」
加藤訓子『Ⅸ - IANNIS XENAKIS』
- パーカショニスト加藤訓子によるヤニス=クセナキスの作品の演奏を収録した作品。
- クセナキスをまともに聴くことなど無いと思っていたのだが…
- 加藤訓子によれば、そもそも本作に収録されたクセナキスの作品は打楽器用に作曲されたものであり、これまでの作品のように編曲をしていないらしい。
- 1曲目から散り散りになった美しい響きが降ってくる。
- 「Pléïades 2 Métaux(Metals)」
- 「Pléïades 3 Claviers(Keyboards)」
- 「Pléïades 4 Peaux (Skins)」
- 「Rebonds Part A,B」
D.A.N.『D.A.N.』
- ミニマルミュージック界隈で取り上げられているD.A.Nの1枚目のアルバム。
- サポートメンバーに蓮沼執太フィルや坂本美雨の作品で活躍している小林うてなが参加している。
- 熱く無い、冷めた高揚感が非常に心地良い。
- 音に溶け込んだフレーズが印象的。はっきりと歌詞を聞き取れていないので視聴して確認して欲しい。「Zidane」、「Ghana」、「Native Dancer」、Dive (Live ver.)」
清水真弓『FANTASIE』
- トロンボーン奏者清水真弓のアルバム。ピアニストのフランソワ=キリアンとの演奏。
- 本作はクラシックアルバムで人気が高いという事から手に取ったのだが、こういうのが好まれるのかという率直な感想を持った。
- トロンボーンの音の空気の溶け込み具合が良いなと思う。仰々しくない音とでも言えばいいのだろうか。
- オーケストラでの演奏動画があった。
福田進一『マチネの終わりに』
- 平野啓一郎著「マチネの終わりに」にて演奏された作品を、福田進一の過去の演奏や新たに録音したものを収録したアルバムとなる。また、小説内で登場する架空のギター曲「幸福の硬貨」は作曲家林そよかの書下ろしで収録されている。
- 小説を読んだ人はこれを聴いた方が圧倒的に楽しめる。
- 「ガヴォット・ショーロ」は平野啓一郎の注文により福田進一が新たに録音したものらしい。また、「この素晴らしき世界」は鈴木大介による編曲で新たに録音したものとのことだった。
- さて、小説のテーマソングとでも言うべき「幸福の硬貨」はどんなものなのか。それは聴くしかないが映画音楽という設定のため、親しみやすい、優しい曲であることは判る。なお、本作では小説の演奏に合わせて福田進一が弾き分けて2曲収録している。
Keith Jarrett Trio『Changeless』
- アルカジー&ボリス=ストルガツキーのSF作品を去年から今年の始めに読み終え、ブログに記事を書くに辺り、色々と他のブログでの紹介を読み漁っていたのだが、そんななかで偶然キース=ジャレットの演奏を聴くに至った。
- 即興でこの美しさはどういう事なのだろうと思う。