『ダンサー・イン・ザ・ダーク』

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を観た。ラース=フォン=トリアー監督作品。
やっと観る機会を得た。不幸な話なのだろうというのは判っていた。
しかし今まで映画館という環境、座席に縛られる事によって私はこの監督の作品を観る事が出来ていたのを知った。金曜日の夜、仕事を終えて緩みきった気持ちのなか、DVDを再生させていたのだが、ミュージカルシーンに突入するまでの冒頭を観ていられず、画面を何度か停める事になった。まぁ、工場で指や腕が潰れるのかなと思って気持ちが躊躇したのだが…そういった事態に陥らず、この監督らしい絶望を別に用意していた。そして、この手の絶望の方が、直接的な肉体の痛みより、耐えられるのだと思う。

先天的に失明する運命にある女性と、その子ども。工場勤務、アマチュアミュージカルでの練習する姿等が描かれる。しかしいずれ訪れる息子の病気のためにお金を貯める女性、しかし物語は何だかよくわからんうちに、死刑台へ向かっていく。途中の裁判シーンはそれこそアメリカって感じな訳だが。
物語の途中に、ミュージカルシーンに入り女性が歌うシーンが救い、実は女性がビョークだと知らなかったんだが、非常に良かった。
そして無音に包まれるなか、最後のミュージカルが終わった後、首の骨が折れる音と共に物語は終わる。
終わる。


ダンサー・イン・ザ・ダーク [DVD]

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