2015年8月24日~2015年8月30日

外は意外にも涼しかった。自宅から百メートル程歩いたところでベルトを締め忘れた事に気がついた。来た道を引き返す。

女性が着ているポロシャツがおそらくそのまま会社のユニフォームだった。エンジニアらしい。

若い男女の睦まじい様を眺める。耳許で流れる音楽はそんな事を意に介さない。

急に涼しくなり落ち着かない。もう秋が来てしまう。

喫茶店の隣に座った人々が東日本大震災に遭遇した時の事を話し始めた。あれから四年経っている。

どうにも職場で色々と動きがある。異動は無いにしても近い将来今の業務から離れる事になりそうだ…と考えていたところ、翌日に上司たちに呼び出され、隣席に座っている同僚が長期出張の候補である事を報告された。業務内容は多忙を極めるので安堵すべきなのだろうが、これからの会社での立場を考えると惜しいと言ったところか。よくよく考えてみれば、こういった時の為にさっさと夏休みを使ったのだった。どちらにせよ仕事については、早い時期に鑑みるべき必要があった。

電車に乗り込むと子どもが母親の脚元にしがみついていた。おそらくこんな関係は一瞬の事なのだ。

涼しくなり、曇天の空模様が眠気を誘う。

テニスバッグを持った日焼けした十代の女性の若さに眩しさを感じた。

安全確認の為に停まった電車。停まった理由はイヤフォンから流れる音楽に遮られている。約束の時間に間に合わないかもしれない。駅員が構内を走る姿が見える。

時間には何とか間に合ったものの、最後の一人だった。今日は事務所の同僚の送別会と各事務所合同の懇親会だった。久しぶりに刺身を食べたが風情も無く酒も飲める状況でも無い。無難に切り抜けたというか、手応えにいちいち欠ける時間となった。

送別会と懇親会の帰路、電車に乗るのが煩わしくなり一駅程歩いた。人気の無い住宅街を歩く。耳許のイヤフォンではクラシックギターが鳴り続けている。