2014年5月13日

雨、ゴミ出しをしてシャワーを浴び着替える。家を出ると傘を差す必要が無い程度に霧雨、実際傘を差す人は少ない。電車の中は湿気があり蒸し暑い。首筋から汗をたらす人々、電車に漂う匂いに顔をしかめる。満員電車で靴が壊れたのかしゃがんで靴に手を加える女性、満員電車に乗り込むのが億劫になるが、電車は嫌でも次から次へとやってくる。駅を出ると小雨、傘を差す。

客先へ向かう。帰りがてら傘を忘れた事に気がつく。傘を苦笑いしながら取りに戻りウンザリする。どうしてこんな顔をつくる必要があるだろう。道すがら上司に唐突に「楽しいか?」と尋ねられる。応えはもちろん「楽しくない」だ。

けもの「月とあの子」に慰められる。早く家に帰ろう。足場の組まれたあの家に。

日曜日に行った美術館での平野啓一郎の言葉を思い出す。「日常の生活に倦み、だからこそ芸術を求める。それこそ芸術の意味だ。」という趣旨だったと思う。誰もが毎日を倦んでしまうのだと自らを慰めるが、何か違うとも思う。朝と打って変わり晴れている。手元の傘が煩わしい。