『まんが 哲学入門』

森岡正博+寺田にゃんこふ著『まんが 哲学入門 生きるって何だろう?』を読んだ。
森岡正博と言えば「草食系男子の恋愛学」、「感じない男」と言ったセクシャリティの問題を扱った著作が有名であるが、私のこれらの著作を読んでいない。
そんなところで本書を発表したと聞き、手に取った次第である。
まんがなので非常に読みやすく、2~3時間で読み終える事が出来るだろう。

内容は時間論、存在論、私、生命論であり、高度なものであるが、まんがという表現によって理解しやすいものに、また、まんがならではの表現によって哲学が語る言葉を理解出来るものになっている。
そしてそこで説明される哲学は生を肯定的に捉えたものであり、森岡正博の哲学の一端に触れる事が出来る。

一応、哲学書等を手に取る事は多いが、理解出来るものは事前、事後に類書、解説書を読んだ上でだ。そういった点に於いては本書は非常に参考となる。
また巻末には相当量の読書案内がついており、非常に役に立つ。

今思えば、私も哲学に興味を持った時は「図解雑学シリーズ」のニーチェやらサルトルを手始めに読んだものである。
本書はこれらと同じによう哲学への興味を持たせてくれる。
他方、これらと本書の違いがあるとすれば、上述した通りまんが表現そのものによって哲学の言葉を表した事だと思う。
それは一体どのような表現なのか。それは本書を読んでみてのお楽しみである。


まんが 哲学入門――生きるって何だろう? (講談社現代新書)

まんが 哲学入門――生きるって何だろう? (講談社現代新書)