2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

描かない『バートルビーと仲間たち』

エンリーケ・ビラ=マタス著木村螢一訳『バートルビーと仲間たち』を読んだ。 こちらの本も「文学地図」同様、購入してから放置していたものだが、発売当初は非常に話題になっており「文学地図」の時評でも取り上げられている。その時評では「自分は何者でも…

2013年上半期の音楽

今年上半期に聴いた音楽リストと感想。 Xinlisupreme「4 Bombs」 XINLISUPREME - Seaside Voice Guitar B.C. (Lyrics ...今年、というより年末に音楽評論家等が去年のベストソングとして挙げていたもの。その来歴等については無知だが、ノイズ・ミュージック…

「関係の原的負荷」を中心に―『文学地図』

加藤典洋著『文学地図』を読んだ。 本書は、著者の文芸時評と文芸評論が収められたものである。 文芸時評は第一部として「文芸時評の二十年」と題されており、三つの期間に別れている。 一九八九年~一九九〇年の共同通信配信のもので著者曰く「地方新聞に掲…

ポストモダンの共産主義

スラヴォイ=ジジェク著栗原百代訳『ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として』を読んだ。 題名にある悲劇と笑劇は2001年9・11同時多発テロと2008年の金融大崩壊を指す。 本書は、ベルリンの壁崩壊以降、リベラル民主主義と資本主義…

ほうかごのロケッティア

大樹連司著『ほうかごのロケッティア』を読んだ。 友人からライトノベルを勧められ読んだ次第。以前からこの友人にライトノベルを読めと言われていたものの、特に興味がある訳でも無いという状況だった。過去に「ブギーポップ」シリーズをやはりライトノベル…

物語 哲学の歴史

伊藤邦武著『物語 哲学の歴史 自分と世界を考えるために』を読んだ。 本書は哲学史を一つの物語として古代から現代、そして将来を見通そうとしており、 (省略)本書で展開しようとする哲学史のストーリーは、主として「人間の精神」をどのようなものとして…