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2015年下半期の音楽

メモ

2015年6月から2015年12月まで聴いた音楽をまとめた(→2015年上半期のまとめ)。
今年後半は主にブログを参考に音楽を聴いていた。特に id:joefreeid:zu-jaid:yorosz のブログからフリージャズ/インプロビゼーション/クラシックに関して影響があり、聴いたものに反映されている。また「Jazz The New Chapter3」を読んだりもした。こちらは余り影響が無かった。そういったなかで趣味嗜好がはっきりとして来たように思う。

フリージャズと言えばこういうものだろう、そんな期待を裏切らない作品だった。モスラの名を冠しているため購入したのだが、あくまでコンセプチュアルなものであって、モスラとは直接関係無い。当たり前だがモスラのテーマのフレーズが飛び出したりする訳では無い。しかし敢えてモスラが飛び立つ場所について言及しておこう。モスラの原案はフランス文学を専門とする三人の作家により作られた。原案では国会議事堂で蛹となり成虫として飛び立つ事になっていた。これは安保闘争を念頭にしたものであり、政治的意味合いが多分に強いものだった。これを嫌った製作者側は最初に飛び立つ場所を東京タワーに変更した。モスラが国会議事堂から飛び立つには政治的色彩が弱まるまで時間が必要だったのだ。

Momoteru Takagi Trio「Love Song / People in Sorrow」

まず『SANDARDS~』から聴いた。基本的にジャズのスタンダード曲を知らない訳だから勉強も兼ねていた。綺麗な歌声だと思った。また Red Hot Chili Peppersの「Californication」のカバーが非常に良かった。
その後、ジェーン・スーがコンセプト・プロデューサーとして参加した『Bittersweet』を聴いた。「都会で暮らす不惑の女性のサウンドトラック ~女は愛に忙しい~」がテーマに掲げられ『SANDARDS~』のテクニカルな美声から一転、地声をコンセプトに合わせて採用しているようだった。四十代前後の女性の感情を描いた「Beautiful day」、アナと雪の女王の「Let it go」のアンサーソングともいうべき「Don't let it go」が面白かったのだが、最終的に「地下鉄のシンデレラ」で今までの淀んだ雰囲気を昇華させるような風を呼ぶ。例え風が一瞬の慰めだとしても、四十代はそれすらも織り込み済みだろう。

土岐麻子「セ・ラ・ヴィ ~女は愛に忙しい~」
土岐麻子「BOYフロム世田谷」

  • ノーバート=クラフト『ヴィラ=ロボス:ギター独奏曲全集』

平野啓一郎毎日新聞にて連載していた「マチネの終わりに」という小説がある。主人公がクラシックギタリストのため楽曲や演奏に関する話題が頻出する。この音源に収録された「ブラジル民謡組曲No.4 Gavata Choros」はフランスに亡命したイラク人女性の為に演奏される、繊細で温もりのある楽曲である。小説内では主人公がジュリアン=ブリームの演奏を聴くよう勧めているが音源が探せなかった為、ヴィラ=ロボスのギター作品を網羅した音源を購入した次第である。尚、演奏者であるノーバート=クラフトはギタリストとして世に出た後、スタジオエンジニアとして活躍しているという。

Norbert Kraft「Heitor Villa-Lobos - Mazurka Choro」

  • Albert Ferber『Debussy : Estampes & Children's Corner (Mono Version)』

ドビュッシーの『版画』に収められた「雨の庭」に興味を持ち聴いた。『版画』は「塔(パゴダ)」「グラナダの夕べ」「雨の庭」の三曲で構成されたピアノ作品である。気分や雰囲気を喚起する印象主義的音楽と言う事らしい。

Albert Ferber「Claude Achille Debussy - Estampes No.1 Pagodes」

リヒテルのピアノ演奏を聴く為に購入した。ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ 第 1番 ト長調, 作品 78 雨の歌: 1. Vivace ma non troppo」、グリーグ「ヴァイオリン・ソナタ 第 2番 ト長調, 作品 13: 2. Allegro tranquillo」が印象深い。

Oleg Kagan and Sviatoslav Richter「Johannes Brahms - Sonate für Klavier und Violine Nr. 1 G-Dur op.78」

  • Battles『La Di Da Di』

Battlesの新譜。全曲インストゥルメンタルとなりミニマリズムが極まった。

Battles「The Yabba」

  • Blacksheep『+ -Beast-』『Blacksheep』『2』

まず『+ -Beast-』から聴いた。テーマは架空のアニメのイメージ・アルバムとなっており、今までもアート・ワークに参加していた西島大介がコンセプト、アニメーター寺尾洋之がキャラクター・メカニックデザインを手掛けている。作品も物語の進捗に従って「時間象限」「Φ-Phase-」「地球、買います」と盛り上がりをみせていく。
次に旧譜『Blacksheep』『2』を聴いた。何より「切り取られた空と回転する断片」が印象に残る。

blacksheep「時間象限」

  • 志人・スガダイロー『詩種』

BlackSheepを聴いて以降、スガダイローに興味を持ち、「Jazz The New Chapter」で紹介されていた『詩種』を聴いた。ラップはどちらかと言えば朗読に近いもののように感じるが、これに応えるピアノもまた力強い。物語は擬人化された動物たちが現れ、特に白猿と赤天狗の物語を中心に進むという構成になっている。この詩の世界観の完成度が非常に高く、簡単に聴き流す事は出来難いものとなっている。

志人・スガダイロー「ニルヴァーナ-涅槃寂静-」

  • スガダイロー『刃文』『sugadairo piano solo at velvetsun』

引き続きスガダイローを聴いた。まず『刃文』から聴いた。トリオの演奏になりキャッチーだがしっとりと濡れた日陰の擁壁の手触りのような印象が残る。
次に『sugadairo piano solo at velvetsun』を聴いた。上記の『詩種』でも聴いたフレーズが聴こえたりする。特に印象に残るのが「はとぽっぽ」の演奏だったのは我ながら驚いている。

スガダイロー「刃文」
スガダイロー「蓮の花」
スガダイロー「無題(ペール・ギュント習作2)」

  • GRAPEVINE『EVIL EYE』『EAST OF THE SUN / UNOMI』

未だに聴いている。そもそも未だに聴けるのは何故かと考えれば惰性が一番とも言えるが、ブラックミュージックに影響を受けた音楽である事が根底にあるのかもしれないと後付ながら考えている。

GRAPEVINE「EVIL EYE」
GRAPEVINE「EAST OF THE SUN」

ギタリスト尾尻雅弘による七弦ギターによる演奏。端正な印象を抱く。

  • Nonoko Yoshida『Lotus』

アルトサックス奏者吉田野乃子の『Lotus』を聴く。多重録音されたアルトサックスの反復と変調は日常に最適化されて狂った身体を解放してくれる。

Nonoko Yoshida「Lotus」試聴用動画
Nonoko Yoshida「Take The F Train」Live ver.

  • Ryoko Ono『Alternate Flash Heads』『Undine』

アルトサックス奏者小埜涼子の作品を聴く。まずは『Alternate Flash Heads』を聴いた。九十九の数秒から一分程のトラックが収録されており、聴き方は一から九十九まで順に聴くのも良し、ランダム再生で九十九の九十九乗という殆ど違う曲順でも聴く事も可能になっている。ランダム再生でアルバムリピートにすれば、激しく息を乱した永遠とか無限とか言った存在を意識してしまう。
次に『Undine』を聴いた。一.五倍速「タルカス」の印象がどうしても強いのは十五分もある曲を見事な編曲で飽きさせず聴かせてくれるからだろう。多重録音による「Piano Phase」、チャーリー=パーカーのメドレーに化粧品ブランドを歌詞に添えた「birds」と密度が濃い。

Ono Ryoko「Undine」digest
Ono Ryoko「esoteric」
Ono Ryoko「birds」

  • Colin Vallon Trio『Les Ombres』

ECMにて作品を発表するようになったコリン=ヴァロンのデビューアルバム。認識したの「Jazz The New Chapter」だが、たまたま検索をしているところに下記楽曲を聴き、すっかり気に入ってしまった。「Un rose en hiver」の躊躇いがちな鍵盤の進みに知らぬ間に同調してしまう。

Colin Vallon Trio「Juste Une」

John Lewis の平均律クラヴィーアが聴きたいと思うようになったものの、よくよく考えてみるとそもそも平均律クラヴィーアを聴いた事が無い。そこで全曲揃ったヴァレリー=アファナシエフの演奏を購入した。音楽理論的な話題で頻出する事は知っているものの、よくよくどこか聴かされていたフレーズがそんな事を忘れさせてくれる。

Valery Afanassiev「Das Wohltemperirte Clavier BWV846 - BWV851」

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