『天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと PART1』

小川一水著『天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと PART1』を読んだ。

『天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART2』の続刊。遂にⅨ巻まで来た。
既に本書の続刊である『天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと PART2』が刊行されているが、以下から本書の内容に触れる事を予めお伝えさせて頂く。
遂に物語の情勢は明らかになりつつある。ここでは物語を巨視的に確認しておく。
救世群(プラクティス)は異星人カンミアに施された甲殻化(クラストライゼーション)によって強靭な肉体を手に入れたものの子孫を残す事が出来無くなった。異星人カンミアによれば人間に戻すデータは異星人カンミアの母星に残されているという。救世群は人間の姿を取り戻す為、準惑星セレスにドロテア・ワットを設置し母星へ移動をしているらしい。
一方、異星人カンミアの母星でもおそらくオムニフロラと思われる勢力と戦闘が始まっているらしい。
また、人類は冥王斑によってほぼ滅び、準惑星セレスのメニー・メニー・シープに居住するのみかと思われたが、救世群を追い太陽系艦隊が派遣されているという。
準惑星セレスのメニー・メニー・シープでは、救世群と人類が戦闘を始めているが、人類側の大半はメニー・メニー・シープが準惑星セレスの地下の世界だという事も知らない。
そんな状況のなかで各登場人物が知らずにそれぞれの種を代表し存続を図ろうとしている。
簡単に概要を記したが、物語内で既に800年経過しており*1、それぞれの関係が寸断され各単語ですら方言化して一定では無く、また各勢力毎にそれぞれの呼称が異なる。それがまた面白い理由でもある。

既に『天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと PART2』を読み終えているが、続刊であるⅩ巻「青葉よ、豊かなれ」は分冊で2018年刊行予定との事。とりあえず1年は書き溜めの期間らしい。果たして「君は生き延びる事が出来るか(シューン!!)」という感じである。

天冥の標IX PART1──ヒトであるヒトとないヒトと (ハヤカワ文庫)

天冥の標IX PART1──ヒトであるヒトとないヒトと (ハヤカワ文庫)

天冥の標? PART1 ヒトであるヒトとないヒトと (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標? PART1 ヒトであるヒトとないヒトと (ハヤカワ文庫JA)

*1:色々な種がおり、非展開体を含めた歴史だととんでもない長さになるはずだ。