『天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART2』

小川一水著『天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART2』を読んだ。
「天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART1」の続編。第Ⅰ巻のイサリ視点だったPART1よりその先の物語が描かれる。フェロシアンにより重症を負ったカドムはラバーズの人口内蔵を移植され生還。メニーメニーシープの謎を解く為にアンチヨークスのオシアン、ラバーズのラゴス、元総督ユレイン、イサリ等と共に天蓋に向かう。一方、メイスンから目覚めたカルミアン・人類・ラバーズは、フェロシアンの侵攻に対して共に戦う事となる。また負傷したアクリラはカヨの元で目覚める。しかしカヨはオムニフラロの長い歴史について話し、アンチヨークス=アンチオックスの子孫であるアクリラに「アンチオックスはなぜ様々な挑戦して来たのか。そしてそのようなやり方で種を保つ事が出来るのか」と問う。

取り敢えず用語を使って簡単な概略を描いて見た。これまで内容を踏まえた用語の上、用語さえ使う人物によって意味合いが異なり、更に複数の物語が進行している為、物語を説明する事は無理そうだ。とはいえ、人類、天冥斑患者=救世群=フェロシアン、ラバーズ、カルミアン、ノルルスカイン、オムニフラロと役者は既に揃っている。次巻Ⅸのサブタイトルは「ヒトであるヒトとないヒトと」。このサブタイトルからしておそらくそれぞれがある決断をした後。最終巻Ⅹを迎えるのだろう。カドムとイサリは共に愛撫を重ねてその違いを越えようとしている。一方、オムニフラロもまたアクリラと接触する事によってその戦略を変えようとしている節がある。果たしてそれぞれの種はどのような決断を下し命脈を保つのだろうか?続刊が楽しみである。