怪獣総進撃

本多猪四郎(本編)有川貞昌(特撮)監督作品『怪獣総進撃』を観た。
ゴジラ、ミニラ、アンギラスラドンモスラ、ゴロザウルス、バラン、バラゴン、マンダ、クモンガ、キングギドラが登場。

怪獣たちは国連によって小笠原諸島にある通称怪獣ランドで一括管理されていた。しかし突如怪獣ランドが黄色いガスに包まれてしまう。そして世界各地に怪獣たちが出現、都市の破壊を開始する。
一方、月では調査中のムーンライトSY-3号は謎の飛行物体を目撃、しかし月基地への帰還の為、追跡を離脱する。月基地へ戻ると怪獣ランドの異常事態を調査するよう命令が下る。
ムーンライトSY-3号は怪獣ランドに潜入、コントロール室では怪獣ランドの博士とムーンライトSY-3号の乗員の恋人でもある新人女性が現れる。彼らは怪獣のコントロール装置はキラアク星人より受け取ったと語る。ケープを纏ったキラアク星人の女性が後ろから姿を現し、地球に新たな科学文明を構築すると語る。SY-3号の乗員たちは攻撃を開始するもキラアク星人はバリアで身を守る。戦闘のなか博士と恋人を奪還しようとするも恋人は逃げ出してしまう。
奪還した博士は何も語らない。そしてホテルから身を投げ出してしまう。そして博士を取り戻そうとした恋人たちと博士を監視していた秘密警察の銃撃戦が海岸で始まる。
博士を検視すると耳許に埋め込まれた電波送信機が発見される。キラアク星人は電波送信機によって人や怪獣を操っていたのだ。世界各地で電波送信機が発見され国連はこれを回収にあたる。
日本にゴジララドンモスラ、マンダが現れ破壊を開始する。国連ビルは破壊されるも地下司令室は残されていた。国連はキラアク星人が密かに伊豆に秘密基地を建設している可能性があると報告を受ける。そこにムーンライトSY-3号の乗員の恋人でもある新人女性がキラアク星人の使者として現れ、キラアク星人の居住権を認めるよう言う。そこでムーンライトSY-3号の乗員が恋人のイヤリングを無理矢理外す。すると恋人は正気を取り戻す。しかし操られていた記憶は消えてしまっていた。
キラアク星人の秘密基地を探すべく伊豆の調査に乗り出すもキラアク星人に操られている怪獣たちが守りを固めていた。怪獣たちの攻撃を受けながらも謎の円盤を目撃、翌日には徒歩で探索を掛ける。ゴジラに追われるなか偶然見つけた洞窟の中でキラアク星人と接触、伊豆はキラアク星人の領土であり侵入するものは攻撃すると忠告し姿を消す。
怪獣ランドではキラアク星人が怪獣コントロール技術が解析されていた。そしてその電波発信場所は月にあるという。ムーンライトSY-3号で月への調査を実施、月地下に侵入する。キラアク星人の攻撃でムーンライトSY-3号が破壊されようとするなか、乗員たちの捨身の攻撃で遂にキラアク星人の基地と電波発信装置を止める事に成功。キラアク星人は温度調節機を失い低温によって鉱物に姿を変えてしまう。
怪獣をコントロール下に置いた国連はキラアク星人の基地を攻撃するべく防衛隊と怪獣を集結させる。すると空からキングギドラが現れ戦いが始まる。しかし多勢に無勢、キングギドラは怪獣たちに逃げる事も許されず倒されてしまう。しかし空から炎に包まれたファイアドラゴンが現れる。ラドンを倒し、怪獣たちのコントロールする怪獣ランドを破壊する。しかし人間のコントロール下に無いゴジラはキラアク星人の基地を発見し破壊、ファイアドラゴンは洋上におり為す術が無い。ムーンライトSY-3号がファイアドラゴンとドッグファイトを繰り広げこれを撃墜、ファイアドラゴンの正体はキラアク星人の円盤であり、これによってキラアク星人は全滅したのだった。

ゴジラたちが怪獣ランドで平和に暮らしている。馴致化はここまで至り、挙句異星人だけでなく人間にもコントロールされ、自らの意志でキラアク星人さえも倒してしまう。最早ゴジラに得たいのしれないものを感じ取る事は出来ない。
怪獣が世界各地に現れ都市を破壊するところは痛快であり、ゴロザウルスの凱旋門破壊は絵になっている。
ムーンライトSY-3号活躍シーンが多い。ゴジラの熱線にも絶える特に理屈っぽい説明も無い頑丈な機体である。またキラアク星人のファイアドラゴンもアニメーションでスタイリッシュに演出されており、本作はどちらかと言えば怪獣より円盤や宇宙船を眺めているのが面白い。