2014年8月12日

コンクリートで固められた床、積み上げられた本、本棚も埋まっている。古本屋らしく、小中学校の同級生たちが本棚を見上げており、坊主の友人は古びた仏教の教典を読み進めている。店が本と客の重みによって傾き始めたような感覚。店外の男が「皆さん、お気づきで無いでしょうが、集合の時間ですよ。」と声を挙げる。同級生たちが慌てて店を出ようとする。すると店は巨大な本棚になり同級生諸共横倒しになった。逃げ遅れた俺は本棚の一番上に居た為、踏み潰される事は無かった。

目覚め、まだ横になっていたい。食べ過ぎか睡眠不足なのか瞼が重い。目元に触れ瞼を挙げる。空は曇り、風の音が聞こえる。エアコンを停め、雨戸を開ける。網戸から入ってくる風が涼しい。なぜ夢の中の本棚が倒れなければならなかったのか?台所の椅子に身体を預けるとキリキリと支柱か傾いた。どうやら耐用年数超過という事らしい。煙草を咥えなおして独り合点が行く。

友人の話。サークル仲間に小岩井のコーヒー牛乳をこよなく愛する男がいた。水筒にはいつも小岩井のコーヒー牛乳が入っていたという。しかし最近会社の健康診断を受けた結果、このままでは糖尿病になると医者に診断された。「俺の唯一の楽しみなのに」彼はコーヒー牛乳を飲むのを辞めるか大変迷っているという。

サンドウィッチ。パン生地の下に溶けたマーガリン。レタスの苦味と卵とマヨネーズの風味。味覚を分けて行き着く鈍感さ。

事務所を出ると小雨。相合傘をする良い歳の男女を見つけ、それも良いかもしれないと思いつつ鼻で笑う自分もいる。

一服しようと台所の椅子に身体を預けると椅子の支柱が折れてしまった。騙し騙しは使えないらしい。