2014年5月10日

午前三時、布団の上で裸になって寝ていた。知らぬ間に裸になっていたのが気になるが、暑かったのだろう。雨戸を開けると朝焼けが東の空に見える。朝は夏に向けて早くなる。シャワーを浴びて再度布団に入る。

夢を観たが詳しく思い出せない。それらしい用語が挙がっていたのは思い出せる。良い天気だ。布団からシーツを剥がしタオルケットと共に洗濯機に放り込む。布団を干し、部屋に掃除機を掛ける。洗濯を終えたシーツとタオルケットを干す。網戸の外で揺れるシーツとタオルケット、布団の上に身体を放り出し、何もしたくなくなる。部屋に入る風、道路から聴こえる自動車のエンジン音とブレーキ。眠ってしまうか、しかし、起きた時の身体の気怠さを思い、身体を起こす。顔を洗い、着替えてジムに行く準備をする。

植栽の桜に茂る青葉に生命の貪欲さを見出す。支流沿いの道に黒人の男女がいた。連想したのはミシェル=レリス「幻のアフリカ」だが、現在ザールと呼ばれる精霊の憑依者の家を行き来し、その様子を記録し続けている箇所を読んでいる。ジムでも黒人の男性を見掛ける。身体をほぐしていると、メリハリのついた身体の女性が丹念にストレッチをしている。トレーニングウェアは身体のシルエットを露わにする。じろじろと見ている訳も、その気も無く、気がつけば女性は消えていた。モニターを眺めていると有吉弘行生野陽子が街を散策している。生野陽子が画面の隅で買い物の精算をしている様子に生活感を見出だす。

簡単に買い物を済ませ、散歩に出る。音楽に注意を向け、脚を動かす。すると頭の中が空っぽになっていく。そうやって数分歩くと、集中力が途切れた。なぜ自分が働いているのか考えていた。一番の目的は実家を出る事では無かったか?大学進学時に実家を出る機会を逸した俺は何としても一人で生活をしたかった。奨学金というローンも払っていかなければならない。俺が働く事に見出していたのは第一に生活する事そのものだったのだ。すると今の生活こそ、求めていたものだという事になる。「なんだ」と歩きながら一人拍子抜けしてしまった。

散歩から戻り脚を洗う。裸足で履くとやはり足は臭う。デッキシューズを洗濯機で洗う。新調したばかりのデッキシューズは靴擦れを起こすので、何度か靴下を着用して履き、キャンパス生地を柔らかくした方が良い。キャンパス生地は柔らかいだろうと新調したばかりデッキシューズで出掛けた際、靴擦れを何箇所も起こしウンザリした記憶がある。