2014年8月15日

午前四時過ぎ、友人起床。俺が布団の中で適当に相槌を打つ間に着替え出て行った。眠るのも難しそうなので洗濯をする。良い天気だが、コミケに参加する人々に取っては厳しい一日になりそうだと思う。

若者が閉まろうとするドアの間をするりと入り込んできた。この時、自然に身体を横にして閉まるドアから逃げるように滑りこませた身体を軸に小さな弧を描いた。非常に感覚的な動きだと思う。

昨日上司が終戦記念日靖国神社の様子を確認したいと冗談半分で言っていた。朝の公園にプロテクターを纏った警官が複数名見廻りをしており、靖国通り沿いは街宣車用にバリケードが準備されている。余り使いたくない言葉だが、右翼のこういった行動が規制されるのが当然なら、左翼の抗議活動というものも規制される対象になり得る。喫茶店の前を勇壮な音楽を鳴らしたワゴン車が横切った。そう考えた時、抗議活動を繰り広げる左翼がいう公権力の横暴と言った言葉が都合の良いものにしか思えない。十二時を過ぎて人々の往来が増えていく。人々の生活は昨日と変わらない。

日本の転換点は現在まで三つあり、白村江の戦いの敗戦、明治維新第二次世界大戦の敗戦だと大学の講義で教授が語った。白村江の戦いには浅学の為にピンと来なかったものの、後者二つにはなるほどと思ったもののだった。政治的な体制の変更に伴う価値観の変換という事なのだろう。そんな転換点を迎えた一日をどう思えば良いのか。ただ終戦という言葉より敗戦という言葉こそ紛れもない現実という点で相応しいのでは無いかと思う。

友人とアルタ前で待ち合わせを歌舞伎町の焼肉店に入る。そして中東風の顔立ちの女性が美しい。ハラミから零れる油が甘い。

友人によれば俺はイビキをかいているらしい。これは笑える。余りに独りの時間が長かった為に、俺は俺の寝ている姿を知らない。