京都を散策する。

奈義町現代美術館』に友人に車で迎えに来て貰い、津山市内をふらふらとさまよった。
夜、友人の自宅に向かうなか、神社の巨大なケヤキを紹介して貰う。なんでも人面樹らしい。

 
 
【人面樹、らしい。立て看板によれば樹齢八百年。鎌倉時代頃から存在する事になる。】

そして友人の車のなかで、外を眺めていると、いたるところに赤い花が咲いている。岡山駅から津山線に乗っている時、車窓からもよく見かけていた。
友人にあの花は何かと問えば、「彼岸花」だと。東京には咲いていないのかと問われ、少なくとも東京では余り見かけない、実家でも見かけた憶えは無いと伝える。
友人は幾らでもこの辺りには咲いているけどなと答える。以前岡山市内に住んでいた時、彼岸花を見かけた事はあったのかなと思い出そうとするが、結局何も思い出せなかった。
友人の自宅に泊る。食事と風呂まで用意して貰い恐縮する。友人から京都に行くなら津山駅から出ている高速バスを使うと良いとアドバイスを貰う。
早速電話でバスの予約をしようと電話を掛け音声案内に従う。この音声案内には途中で電話が切れたり、音声を読み込まなかったりとかなりイライラした。

翌日、友人とその父に車で津山駅をまで送って貰う。
津山駅にて友人と別れた。バスに乗る前に飲み物を買い、バス停留所に向かうと前方から美術館で出会った女性とすれちがった。お互いの事は認識しているようだった。彼女は津山駅に向かった。俺は思わず苦笑するしかなかった。
高速バスに乗り、京都へ向かう。天気は非常に良く、少し暑い位だった。

京都に着くと、そのまま、市バスに乗り換え龍安寺に向かった。市バスは京都の有名私立大を経由して行った。
龍安寺について、先述の記事の通りで、子どもがやたら石庭の岩を数えているのが印象的であった。
近くに仁和寺もあるという事だったので仁和寺まで歩いた。仁和寺は敷地が広く、建物を見て周るのに骨を折った。
室内に自然を描く、という意味について考え、しかし昔の寺というのは豪華なものだなと思うのだった。

 
                    
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                   
仁和寺。広かった。】

仁和寺を出て電車で三十三間堂に向かおうと思ったが、スマートフォンで検索してもいまいちルートが判らない。スマートフォングーグルマップアプリが使えない状況だったのが痛かった。そのまま仁和寺を出て南に向かう。途中、心が折れて市バスに乗り換える。


【電車。ワンマン。ワンマンというのはワンマンな手法と同じ意味なのだなと独りごちる。】

市バスを途中で降り、地下鉄に乗り換える。途中、鴨川を眺める。鴨川といえば「四畳半神話大系」だかで出てきたな、等と思いながら。

 
鴨川。人が多い。】

三十三間堂は、修学旅行の時に行かなくて後悔した場所だった。ちなみに修学旅行時には新選組ゆかりの地を尋ねた。今思うとなかなか笑える。
弓道を嗜んだ人間としてやはり一度行っておきたいと思っていたのだった。
堂内に並んだ仏像は圧巻で、非常に面白かった。キメラの仏像とか非常に格好良かった。三十三間堂の通し矢の資料を眺めながら胸が熱くなった。

 
 
 
三十三間堂外観。通し矢の際には受け板として堂内の壁を使ったという。】

三十三間堂を出て、哲学の道を向かう。
しかし聞いてはいたが、哲学の道はお洒落スポット・デートスポット的なところらしく、独りの私は何だかむなしくなった。
目の前の男女が口ゲンカを始め、京都の空が夕暮れに染まるのを観ながら、とても疲れたなと思った。
帰りの市バスは非常に混んでいた。着物の若い女性がバスに乗っており、おーと思っていたら鼻水を大きな音をたてて吸い、その横にいた中年の女性が顔をしかめる様子を見かけた。お〜と私は二度頭のなかでつぶやく事になった。

 
 
 
哲学の道。男女、猫、鴨、そして京都の夕暮れ。】

京都駅を周辺に戻り、適当に宿を探した。居酒屋さんが営んでいる簡易宿泊所に泊まる事にした。
ツイッターを眺めていると日本人がノーベル賞を受賞したという話題を見かける。テレビを付けるとノーベル賞の話題が続く。食事をしようと京都駅周辺を歩いているとノーベル賞受賞の号外が配られていた。なるほど、関西圏の人にとっては地元の話題なんだなとラーメン屋で号外を眺めながら思うのだった。
休暇二日目はこのようにして終わった。