月曜日の朝。乗り込んだ車両に、何を話す訳でもなく手を握り合い額を寄せ合った三十代の男女を見掛ける。付き合いが順調な時は穏やかそうだが、何か問題があった時は修羅場になりそうな関係だと不安になる。しかし仲が悪くなる事を想定して付き合う人はいないか。
朝会社に訪れると随分散らかっている。他には誰もいない。仕方無く奥の部屋に入り、古ぼけたデスクトップのモニターを眺める。始業時刻前になると人が集まり始める。部屋を出て自分を席を探す。どうやら新入社員を迎えるにあたって席替えをしたらしい。自分の席に座ると隣にはサングラスを掛けた新入社員が座る。そして机の斜め向かいには高校時代の部活の同級生が座っている。彼は器用なので何の仕事でもこなすだろうと適当な事を思う。机の上に埃を被ったノートPCとバッテリーが積まれている。もう少し丁寧に席替えしてくれれば良いのにと思う。
どこぞかのアバートメント。大家の部屋は貸し引き出し運営しているらしい。汚れた作業着姿の老人が大家に金を払い引き出しに布で包んだ何かを入れ、その場を去った。母が現れ、あの男は米沢市出身だったと言う。父が苗字を尋ねる。母は「紺達」だと言い「そんな人は近所に居なかった。たぶん嘘を言っているのだ。この事は誰にも言わないように。」と俺に視線を向ける。俺はさあねと応えると母は激怒した。この後父の車で東京に向かう予定だったが、俺は激怒している母とは行きたくないと拒否するのだった。
夢の中の作業着の男性を思い起こし、誰だったか思い起こす。早朝コンビニに訪れる現場作業員だったろうと思うのだが確信が持てない。彼の何が俺に印象を与えたのか考える。ボロボロになっても人生は続くとか、老人になっても仕事をしなければならないとか、そんなところだろうか。
客先を尋ね久々に事務員と話す。異動の話題になり、私たちのところにはまだ話は無いという。先週金曜日の飲み会の時、上司たちは電話で何処から仕入れたのか、客先の異動の内容を知っているようだった。何処かにチャンネルを開けておく事の重要性が語られたのはピースメーカーという映画だったろうか。
吉田隆一のサックスは女がヘラヘラと笑うようにも鳴る。
仕事中、基本黙る事にした。どうも自分は発した言葉で興奮して行く節がある。
業務用スーパーでラム肉を買い食べる。
勝田文の新刊やまだ購入していなかった既刊を買い読む。原作を持つ作品より雑多なオリジナルの方が味わい深いといつも思う。