2014年4月6日

夜に雨が降った。気温も低く雪が降る可能性もあったという。二度寝して起きると部屋が冷えている。部屋を掃除するため窓を開けると軒先に桜の花びら。鞄を開ければ知らぬ間に紛れ込んだ花びら。髪に落ちた花びらに気がつかず並木道を男性と歩く女性がよぎる。

洗濯をしようにも洗剤が切れている。ジムに出掛ける。外は陽が差しているものの気温が低く寒い。

ジムで猿の毛繕いの如く中年の男性と女性がストレッチをしている。モニターでプロ野球を観る。神宮球場ヤクルトスワローズ阪神タイガースが戦っている。序盤から丁々発止、阪神タイガースのショートがボールを捕らえきれていない。その為、送球が一塁に間に合わない。ジムのトレーナーが自らのトレーニングなのかひたすらストレッチを繰り返している。母からのメールが届く。来週に姉の婚約者やら孫の顔を見に行くのだという。甥は今年で五歳になるという。子供の成長は早い。

寝る。また寝る。浅い眠りを繰り返す。排水管用のパイプクリーナーが水垢を溶かしていく。箸を刺すと崩れ落ちるメークイン。春雨を降らした雨雲は足早にどこかへ流れ、雷鳴を響かせる。

日曜の夜は静かな夜。けもの「すごいエンジン」、少年はエリィに忠節を誓った。忠節は過去、多くの人が一人に誓った。The Cabs「二月の兵隊」、シベリアの墓標に彼女の名前が刻まれているという。シベリア、祖父はシベリアに抑留されていた事を知ったのは小学生の頃だったろうか。私が生まれた時には亡くなっていたので写真でしか顔を知らない。雪の中、仲間が倒れていくなかひたすら作業に従事し、立ち小便をすればたちまちに凍りついていく世界だと母を聴いたそうだ。日本に戻った後は駅員をしていたのだという。彼が暮らした東北の故郷、死ぬまで見続けた降り積もる雪に何を見出していたのだろうか。

耳栓、止まった音楽、一日の残響。