バーン・アフター・リーディング

『バーン・アフター・リーディング』を観た。
コーエン兄弟監督作品。
馬鹿なキャラクターであふれた映画だった。しかしそんな馬鹿な人たちであるけれども、どこか病的というか、神経症とでもいうのか、何かに執着している感じもあり、そこを笑いながら不安にもなる。
しかしブラッド=ピットのお馬鹿役のハマリ具合が最高です。調子こいてたまたま拾ったCIAの機密情報が入ったCD-ROMで持ち主を脅そうとしても脅しきれないし、ハーイなんて言って相手を誤魔化そうとしても失敗するし…。
この映画である意味邪悪なのは彼の同僚で、整形手術しか頭にない女性だ。彼女の整形手術代欲しさにこの物語は展開していくといっても過言ではない。
物語の発端となるアル中のCIA捜査官と女医の妻の会話も興味深くて、結局お互いが人の話も聞かずただ言いたいことを言ってるだけなのは観ていて痛々しい。というよりこの映画に出てくる人々全員が言いたいことを言ってるだけ。そんな会話シーンを観ながら結局コミュニケーションというものの難しさを考えてしまう。大体言いたいことを言い合える仲は素晴らしいとはいうけれど、果たしてどこまで言い合うのだろう。口が臭いとか、わきが臭いとかまでいうだろうか。たぶんいったとしても、「あのちょっと臭うんだけど口が、オレは全然気にしないけどね」なんてフォローしたりするだろうし、相手の口臭について小一時間話しあったりする仲というのは…一体どうなんだろう…ある意味面白いか。
またこの夫婦どうやらお互いの貯金通帳が別々みたいなんだけどそれがアメリカだと普通なんだろうか。日本だと奥さんが家計の手綱を握っていることが多いけど。ドイツなんかは夫が握ってるとかいう話も聞いたことがある。二人別々の貯金があるとして、どうやって生活費とか分担するだろう、謎だ。
コンパクトで面白い映画だった*1

下記の動画はエンディングテーマ。映画だと字幕が出ているのだけど、かなり笑える。

*1:なんだそりゃ。