本多猪四郎(本編)円谷英二(特撮)監督作品『三大怪獣 地球最大の決戦』を観た。
ゴジラ、ラドン、モスラ、キングギドラが登場。
異常気象に見舞われた日本、連夜空を覆う流星群、新聞記者である女性は円盤の飛来を信じる倶楽部を取材している、異常気象は何かが起こる前触れであるというのだ。
他方、モスラに会いたいという子どもたちの願いを応える為、テレビ出演する小美人。
警視庁の刑事である新聞記者の兄は極秘来日するセルジナ公国サルノ王女の護衛をするよう命じられる。
他方、サルノ王女の飛行機は公国のある一派の陰謀により爆発させられてしまう。
流星の一つが黒部ダム付近に墜落。同時に街には王女に瓜二つの予言者が現れ、ゴジラ、ラドン、キングギドラが近く現れると語る。
新聞記者妹が予言者を探す一方、刑事の兄も王女の可能性を探る為、内偵を始める。予言者は小美人が帰国する為に乗ろうとした船に現れこの船は危険だと語る。予言を信じた小美人は船を降りる。出航したまもなく洋上でゴジラに破壊されるのだった。
阿蘇山から現れたラドン、そして黒部ダムの隕石からキングギドラが現れる。
予言者を保護した新聞記者と刑事は精神医学の権威がいる研究所を訪れる。検査結果に異常は出ない。予言者は自らを地球に降り立った金星人の末裔だと語る。金星はキングギドラによって滅ぼされたのだという。
小美人はキングギドラを止める為、モスラをインファント島から呼び出し、ゴジラとラドンに助力して貰うという。富士山麓で争うゴジラとラドンに説得を試みるモスラの幼虫。しかしゴジラとラドンを聞く耳を持たない。姿を現したキングギドラに対し単身挑むモスラ。しかし一方的に攻撃されるばかりだ。それを見たゴジラとラドンはキングギドラに挑む。
セルジナ公国は中東的な雰囲気を醸しだしており、ゴジラVSビオランテに登場したサルジア共和国を想起させるが、おそらく本作のオマージュだろう。王女を若林映子が演じておりエキゾチックな魅力溢れている。本作での刑事と王女の関係はローマの休日の影響を受けているというが鑑賞時にはそこまで思い至らず。というのも劇中王女は予言者という狂言廻しの役割を担っており、終盤にそれらしい描写があるだけだからだ。
キングギドラ登場シーンの演出は格好良い。空中に金色の光が集合して姿を現す演出が着ぐるみでは出来ない演出だ。
モスラがゴジラとラドンを説得し、それを翻訳する小美人のシーンは滑稽だ。昭和ゴジラシリーズでは最終的にゴジラとアンギラスに吹き出しをつけてその心情を描く事になる。それを考えればまだこの頃はマシだったと言えるかもしれない。
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