毎週毎週、幸か不幸か映画ばかり観てブログに感想を書き散らしているが、実は観ている映画で触れていないものがある。
それは時代劇もの。何で触れないかといえば、特に意味があるわけではなく、一応言葉にすると「なんかとっても私的な感じがするので」としか言いようがない。
そう、俺はチャンバラが好きなのだ、スター・ウォーズが好きなように。暇だなぁと思って観直したスター・ウォーズの感想を綴る気にはなれないから。
で、スター・ウォーズのアクロバティックなチャンバラも良いのだが、時代劇の対峙した武士の冷たい刀がシュッとなってサッとなって血がピューっていうのはやはり素晴らしい。
特に藤沢周平の必殺剣シリーズを映像化した「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」「武士の一分」が良い。
今回はそれをちょろちょろレンタルショップから借りて観直していた。その後、物足りなくなって「必死剣鳥刺し」新旧「椿三十郎」「御法度」も観直して俺はとても満足だ。
必殺剣シリーズの映画はやはり素晴らしくただの貧乏侍と思われた男が実は剣の腕は一流で、かといって普通の人間という設定、ああこうなりたいな〜なんて思わせる。
この「こうなりたいな〜」っていうのは能ある鷹は爪を隠す的な人間になりたいという訳ではなく、自分の宿命―貧乏侍を引き受けて生きる―という事で、まぁ毎日仕事行きたくないな〜という自分が引き受ける事はおそらく出来ない訳です。
同時に彼ら必殺剣を持つ貧乏侍が貧乏侍を引き受けられるのは、身分制度があるからで、ノマドとか生きがいとか言っている現代ではもう無理な頼みってもんです。そんな訳で貧乏侍を見ながら、流動性っ流動性っとかいいながら浅ましくも貧乏侍を羨望の眼差しで見つめている事になる。
ええ、結構くずだ、煮え切らない、だ。
でもそれって大企業の正社員になりたい若者が多いっていうのとニアリーイコール、しかも私は大企業の正社員ではないので、江戸時代の武士をいいなぁ〜って思う位許されてもいいだろう。ただしすぐ腹詰めるのは勘弁して下さい。たぶんこうやって時代劇を観ているから私はとても「私的な感じ」がするのだ。
あと、なんだかんだラストのチャンバラだけを期待しているからというのもある。ガチガチの緊張感と柄を握って離せなくなるあの感じ、とってもいい。
以上は「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」「武士の一分」「必死剣鳥刺し」の世界観です。
他方、「椿三十郎」とか「御法度」はちょっと違う。
「御法度」のチャンバラが一番好みではある。一方「椿三十郎」はラスト以外は好かん。
かといって「五条霊戦記」みたいな甲冑きているのにどいつもこいつも首から動脈をピューっしているのも好かん。
しかし「御法度」っていうのは何だか爆笑ばかりして最初に観た時の「美しさ」はいずこへ…。
と、結局、藤沢周平原作作品を押しているかたちになるのは、私が藤沢周平の原作、特に必殺剣シリーズを中学生時代に読み耽っていたからだ。
そういう感じで、欧米かっ!っていうような映画を観ている一方、時代劇映画も観ていましたという話です。
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