『るろうに剣心 伝説の最期編』

大友啓史監督作品『るろうに剣心 伝説の最期編』を観た。
るろうに剣心』実写版の続編。志々雄真実内乱を描いた二部作の後編。

前編「京都大火編」より戦艦煉獄から海に落とされた薫を助ける為自らも海に飛び込んだ剣心。しかし薫を助ける事は出来ず波打ち際に倒れているところを福山雅治演じる飛天御剣流継承者比古清十郎に助けられる。そして何故か剣心は薫がどうなっているかも判らないにも関わらず奥義習得のため修行を始める。尚、薫も無事救出され病院にて療養。その後やるべき事を終えたと東京に戻る。一方、東京湾周辺に現れた志々雄は明治政府伊藤博文と会談。明治政府の重役が殺されるなか志々雄は剣心を捕らえるよう脅し、形だけではあれ剣心はお尋ね者になってしまう。
やたら尺が長い奥義習得のエピソードを終え、お尋ね者になった剣心は御庭番衆の助力により京都から東京まで抜け道を通る事になる。そこに現れたのは最強の二文字を手に入れるべく剣心を狙う四乃森蒼紫。翁と操がやたら絶叫するなか剣心と四乃森蒼紫の戦いが始まる。この戦いで剣心は天翔龍閃以外の技を大体使っており、割と地味な九頭龍閃で四乃森蒼紫を倒す。前半のアクションシーンの見所である。尚、この戦いで四乃森蒼紫と戦い負傷していた翁が絶命。正直殺す意味が判らない。神谷道場を訪れた剣心は留守を守っていた高荷恵と再会するが待ち伏せていた官憲が集合。剣心はおとなしく捕まる事になる。沿岸で志々雄真実の配下等が見守りつつ剣心の処刑が行われようとするなか薫たちも集合。剣心が暗殺した者たちが読み上げられる。その中には清里明良の名前もあったりするが映画の中で剣心と巴のエピソードは無く、あくまで左頬に傷を負うシーンが映画第一作にあるのみである。さてそこで処刑人として扮装していた斎藤一が剣心の縄を解き乱戦に突入。十本刀も登場するものの宇水が斎藤一牙突であっさり死ぬ程度。そのまま船で戦艦煉獄へ。剣心は宗次郎と戦い執拗に足を攻撃し宗次郎の早さを奪って倒す。一応船内の壁を使って攻撃するといった縮地っぽい演出がある。一方左之助は安慈と戦う。しかし安慈は十本刀の悲しい過去を紹介する役割のみのようで二重の極みも無く唯の肉弾戦で左之助に敗退。遂に志々雄真実との最終決戦、左之助とどこからともなく現れた四乃森蒼紫とは面識が無い志々雄真実は「何だお前」「邪魔だ」とか言っている。志々雄がやたら頑丈で強く、剣心、斎藤一左之助、四乃森蒼紫と互角に戦い切る。そして残った剣心と志々雄との戦いの末、駒形由美が身体を張って絶命。そして最終局面、剣心が天翔龍閃によって志々雄を原作通りふっ飛ばす。立ち上がった志々雄は駒形由美を抱き自ら発火して消える。
沿岸に戻り伊藤博文は「緋村剣心は死んだ」と言い、警官たちは海に向かって敬礼する。
その後、神谷道場でいつも通りの居候生活に戻った剣心の姿があり、薫に「共に生きよう」と告白するのだった。

るろうに剣心」は時代の変わり目に於いて罪を背負った人々、先の時代の価値観を捨て切れない人々、新しい時代に乗りきれない人々の生き様を描いた作品である。これが判るのに十年以上要した。大抵若い頃に手を伸ばした作品はもう一度読観賞する必要があるなと思う。