2014年6月26日

暴力団の新米らしい。設けられた祝宴では自分の座席があるにも関わらず、ひたすら席を周って酒注ぎに徹する。席をはずし外の空気を吸う。酔った女性が千鳥足で姿を現す。「もうお酒の席では女中さんが脱がされ始めちゃって。」幹部の娘である彼女は酔いながら話す。
母は暴力団から手を引くという。それを聞きつけ現れた下っ端の組員。「誰が今の生活を出来るようにしてやったんだ?」恫喝の常套句、どうやらこの見知らぬ美しい母は貧しさから水商売に行き着き、暴力団の力添えに寄ってまともな職に付き、俺を育てたらしい。

曇天、目覚めは相変わらず悪い。横になりながらノートPCを引き寄せ起動させる。雨戸が閉められた部屋は暗い。三十分程眠気と格闘した後、雨戸を開け一服する。シャワーを浴びて着替える。服から飛び出した糸を鋏で断つ。

黒革に包まれた色褪せた文庫本。電車の揺れに同期する耳飾り。スマートフォンの液晶に擦り付けられた手脂。テキストは常に何か遮られ光の元に晒されている。要は読むか読まないかという事だ。

レッドホットチリペッパーズ「ダニカルフォルニア」が耳許で流れた。米国が拷問の際にこのバンドの曲を使用している事が暴露され、これを知ったバンドのメンバーは「メタルの曲を使用しているのかと思った。」と語った。このコメントはともかく映画「エッセンシャルキリング」を思い出した。アラブ人テロリストが米兵に捉えられ砂漠からロシアへ輸送される。輸送中の事故にかこつけ逃げ出した男はたまたま見つけ出した車の主を殺し逃亡する。しかしカーオーディオの使い方が解らない男は延々と喧しい音楽を車中で聴く事になる。