読書/2021年1月頃~2021年7月

ブロガーのフミコフミオの著作。面白い。


トランプ関連の著作の締めとして本書を読んだ。しかし、気軽にKindleで読み始めたところ、購入後に大著であることを知り、結局読み終えるのに3ヶ月掛かった。本書を読む限り、ボルトンがホワイトハウスで仕事をしている間、日本の北朝鮮政策は概ねアメリカと連携して対応できていたようである。一方、イランに関する対応はトランプが安倍をボロカスにこき下ろしている。今後はオバマの自伝を読もうと考えている。


ジャズピアニスト南博のエッセイ。面白い。特にアイスランドでの体験の描写が素晴らしい。


森見登美彦を読むのは「四畳半神話大系」以来となる。割と幸福な話であった。俺も京都大学に入学して大学生活をやり直したいと思った。


トイアンナの著作に興味を持ち、今後の身の振り方等を考えるために読んだ。非常に実践的な話が記載されているため、読んだ方が良いと思う。


感情的にならない本 (ディスカヴァーebook選書)

感情的にならない本 (ディスカヴァーebook選書)

  • 作者:和田秀樹
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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日々の生活の中で精神の安定性に欠けるところがあると考えて本書を読む。こだわらないこと、気にしないことが大事であるという。


kotorikoこと山下泰平の講談速記本に関する大作。拳骨和尚に関する件から笑いながら読んでいた。


平野啓一郎の新作。近未来、選択的自由死を望んだ母親のVF(ヴァーチャルフィギュア)を作った主人公が亡くなった母親の本心に迫る物語。正直、ヴァーチャルフィギュアというギミック等に全く興味が持てず連載等を読むことも無かった。しかしながら、やはり、これがかなり面白い。また、主人公が母の本心に迫る一方、生活に変化が現れると共に母に対する気持ちもまた変化して行く様子が描かれている。また、様々なテーマが入り乱れて答えが出ないまま終わるところも現代的だなと思った。


kotorikoこと山下泰平の明治の簡易生活に関する新書。これも結構面白い。

読書/2019年12月頃~2021年1月頃

山形浩生がスノーデンの自伝を翻訳を刊行するに辺り参考図書を公開しており、それを参考に上記を読んだ。理由はWikiLeaks以降のリークに関する言説の最終的な帰結はエドワード=スノーデンと思われるから。スノーデンのリークの経緯を知るなら「暴露」を読むと面白いと思う。スノーデンに興味が無い人は「超監視社会」を読むと良い。


当時付き合っていた彼女の影響で読んだ。誰もがほっと楽しめるエンターテイメント作品だと思う。


元SDN48の著者が姉の勧めで57歳の男性と暮らし始める話。非常に面白い。なお、著者を知ったのは、車の外出中によく聴いているスカイロケットカンパニーの出演者である著者の双子の姉妹を経由してだと思う。


本書は非常に面白いのだが、現在の政局において、小池百合子がまだマシだと思えてしまう政治なのだという現実を直視しなければならないのが辛い。


本書の読了後、ダイエットに取り組み3kgの減量を果たすも、3ヶ月で諦めてしまい、体重が戻った。現在、6月から本書に倣ってダイエットに取り組んでいる。
本書は肥満症の治療方法に基づいおり、肥満症の治療において基本となるのは食事制限であるという。つまり、医学的には地道に食事を制限しながら運動をすることがダイエットの基本となるのだ。当たり前のことなのだが、ついつい違う方法を試しているのではないだろうか?


「サイバーセキュリティと国際政治」と上述した「超監視社会」は読んで損は無いと思う。スノーデンの自伝は上述の「暴露」や「スノーデンファイル」の間隙を概ね埋めてくれる。現在、エドワード=スノーデンはリークする以前から付き合っている女性とその子どもとロシアで暮らしている。


当時付き合っていた彼女の影響で読んだ。本書が王様のブランチで特集されていたことは憶えている。その後に本書がベストセラーになり、同番組で特集されていたような気がする。当時、俺は王様のブランチのよく観ていたのだと思う。


本書は2019年~2020年上半期までのコロナウイルスに対する日本政府の対応をまとまたものである。現在はワクチン接種も道半ばの中、東京は緊急事態宣言が発出された状況で感染者数が1,300人を越えた。一方、東京オリンピックは開催に至るようである。政府がオリンピックをしたいというメッセージは否が応でも判る、しかし、コロナウイルスの感染対策に関しては、東京に緊急事態宣言を発出しながらオリンピックを実施しようとしている時点で矛盾しており、メッセージになっていないことは明白だと思う。


小林泰三は中学生の頃に「ΑΩ」というウルトラマンとウルトラQ等を元ネタとした作品を読んで以降、手に取ることは無かった。Twitterで小林泰三が自身でレコメンドしている本書を読み終えた後、著者が亡くなっていた。お悔やみ申し上げます。


Kindleが安かったため読んだ。裁判の過程が描かれており、非常に面白かった。


平野啓一郎が提唱するスローリーディングの方法が判る本。


当時付き合っていた彼女の影響で読んだ。映画も観た。椎名誠等を結構読んだものの、群ようこの著作を読むのは初めてのこととなる。シナモンロールが食べたくなってきた。


映画「ショーシャンクの空に」の原作である「刑務所のリタ・ヘイワース」が読みたくなり購入した。スティーヴン=キングの作品を読むのは初めてとなる。非常に面白かった。そして翻訳小説は権利の関係なのか、電子書籍が少ないことに気が付いた。

読書/2019年1月頃~2019年12月頃

小川一水の大長編「天冥の標」の完結編。現代におけるパンデミックの流行が描かれた部分はⅡ巻となり、コロナウイルスの流行に伴い言及されることも多かったと思う。しかしながら、本書は十数巻でパンデミックの流行後の未来を描いており、種の存続に関して多様性と自由が必要という思想を見出すことができる。分断という言葉が流通する社会において、種や思想は多様性と自由を実践するのか、あるいは国家主義や民族主義を頼りにして細々を消えゆくのか、はたまた別の道があるのか等と思う。あと、読書を継続する一つの方法として続刊や連載中の作品を読むと良いのかもしれないと思う。


「天冥の標」を読み終えた後、読書をしていなかったと思ったのだが、漫画を経由して小説家になろうで連載されていた「駆除人」を読んでいたことを思い出した。しかも既に完結していたと勝手に思い込んでいたが連載中でもあった。小説家になろうで無料で読んでおり、お金を全く使っていないことに若干引け目を感じている。なお、その後に結構異世界転生系の話を途中まで読んだのが、本書はRPGの王道に走らないところが面白いと思った。


「天冥の標」を読み終えた後、なろう系を読む等、ちょっと読書に億劫になっていたところ、リハビリがてらに本書を読んだ。内容はほとんど憶えていないのだが、素朴で重要なやり取りが交わされていたと思う。


木澤佐登志の「ダークウェブ・アンダーグラウンド」以降、加速主義等が雑誌等で取り上げられていたように思う。私も興味を持ち、マーク=フィッシャーの各著作やニック=ランドの「暗黒の啓蒙書」を購入したものの、積読中である。なお、木澤等が関わっている「闇の自己啓発」は購入にも至っていない。実際に実生活で楽しんだのはヴェイパーウェイヴ関連の音楽だけで全く啓蒙されていないかも…まずは「ダークウェブ・アンダーグラウンド」から楽しむと良いと思う。お利口さんじゃない思想は楽しいのだと思う。


奥泉光のシリーズもので全く害の無い作品であるが、桑潟幸一准教授の貧乏振りだが生活を楽しむ様子はとても簡易生活的である。


ネットで本書の漫画版である「雪人」を数話読み、原作を読んだ。大沢在昌を読むのは初めてであったが、当然ながら面白かった。


山田風太郎の「人間臨終図鑑」をもじったバンドの解散等をまとめた本。非常に面白い。


勝田文が本書を原作にモーニングで「風太郎不戦日記」として連載を開始した影響で読んだ。なお、既に風太郎不戦日記は単行本3巻で完結している。まずは漫画から1945年の1年間を体験してはいかがだろうか?


1945年以降、日本がアメリカの実質的な植民地といわれている言説は何に由来するのか?本書によれば、日米安保条約等が日本が実質的な植民地であることを裏付ける得るという。


日本を実質的な植民地とするアメリカの大統領は当時トランプであった。「炎と怒り」はホワイトハウスの混乱を面白可笑しく読むことができるだろう。そして冷や汗をかくことになる。一方、「恐怖の男」はトランプの人間性を感じることができるだろう。例えば、アメリカ軍の総司令官として殉職した兵士の家族をトランプが嘘を交えて兵士を称え励まし、本当に辛い仕事だったと呟くのである。なお、それでもトランプを支持する理由にはならなかったのだが…


なぜアメリカはクリントンではなくトランプを選んだのか?その理由はエリートである民主党の候補は一部の白人にとって全く共感や理解ができず接点が見出すことができないためだという。


アメリカを描いた作品といえば…という訳ではないが映画「ファイト・クラブ」の原作を読んだ。チャック=パラニュークの作品を読むのは本書が初めてとなる。


木澤佐登志が本書の紹介をしており読むことになった。サイバー空間、麻薬、薬局、金、殺人…非常に面白い。

官能小説を読む

ブログ上では読んだ本を一冊、もしくはシリーズや著者、テーマ等を区切って書く予定をしていたが、それが難しい状況になった。そこで以前から予定していた官能小説のみテーマ別に記録することとした。

私が官能小説を読むに至ったのは、簡単な話で日々に官能が全く無いと思った為である。読んでいた期間は2017年3月頃~2018年1月頃までである。なぜ、その後に継続して読まなかったと聞かれれば、官能を目的とするならその他に娯楽は幾らでもあるということだろうか?しかし、この回答は読書そのものに対しても言えることだ。

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読書/2017年12月頃~2018年12月頃

確か週刊文春を読んでいたら紹介されていたと思う。当時から週刊文春を購入してたまに読んでいた事実がここから確認できる。文春砲だけじゃなくコラムや本の紹介も充実している。週刊文春の話はともかく、本書をきっかけに綾辻行人の館シリーズを読み始めることとなる。本書はその後に映画化され、更に続編も出ていると聴いたが、どちらも手を出していない。


年末から3月までひたすら館シリーズを読み進めた。「暗黒館の殺人」はひたすら長いものの、その世界観にどっぷりと浸かって陰鬱な気分になれる。


柳瀬博一がラジオ番組で紹介していた。非常に評価が高く経済を語る上でよく紹介される本。別に経済に興味が無くても面白い。


平野啓一郎の「ある男」を 文學界2018年6月号で読む。単行本は購入したものの結局読んでいない。面白くはあるのだがきらびやかな話では無い。余り言語化できていないが、平野の現代を舞台にした作品は泥臭い現実に触れている。泥臭い現実にまるで興味が無いフリをして読み進める。しかし、コンクリートの上を歩いている途中から未整備のぬかるみの上を歩くように、いつしか泥の跳ねが気になってしまっている。なお、平野啓一郎は以前から海外でも活躍していたようだが、本書から英語圏で本格的にプロモーションをしているような印象がある。所属事務所の方針なのだろうか?おそらく海外の賞などの受賞も近いのではないかと思う。


いわゆる警察の警察の話。これも人間や組織のいやらしい部分を描いていてとても良い。


バッドカンパニーの続編。本当に痛快で好き。


2018年FIFAワールドカップの直前、代表監督であるハリルホジッチが解任された。ネット上ではあらゆる意見が展開された。はっきり言って何年もサッカーの試合を観ていない私も俄然興味が出てきた。そこで速水健朗が紹介していた本書を読んだという次第。その後も速水健朗が紹介していた本を読み進めた。


サッカー(スポーツ)と金と政治の話。最高に面白い。特にロシアのオルガルヒに関連するところが面白い。


ハリルホジッチが目指したサッカーを解説した本。現代のサッカーがどのような戦略と戦術でできているかが判る。


八神瑛子が帰ってきた。そして悪党どもをしばき倒す。


安田峰俊のルポルタージュ。非常に面白い。著者の作品は数冊が積んどる状態。


女性が好きな外国文学として挙げるのは、サリンジャーとリチャード=ブローティガンであるという個人的な調査の下、中学生の時に「ライ麦畑でつかまえて」を読んでうんざりしていたサリンジャーを読んだ。そして『ナイン・ストーリーズ』に収録された「バナナフィッシュにうってつけの日」に思わず柴田元幸の訳を購入して読み直す程の衝撃を受けた。全てを読む必要は無いが、『ナイン・ストーリーズ』や『フラニーとズーイ』は読んで損は無い。


既刊の館シリーズを読み終える。なお、館シリーズはあともう一作品の構想があるという…


谷甲州の「航空宇宙軍史 完全版」を読む。とにかく航空宇宙軍史は最高に面白い。更に「新・航空宇宙軍史」まであるという幸せ。

読書/2017年5月頃~2017年12月頃

日々の読書の記録をどうしようかなと思っていたのだが、最近はもっと自由に縦横無尽に記録する必要があるのかなと思い始めた。
そこで途中になって放棄していた読書記録をとりあえず現在まで更新することにした。
読書記録はブクログを使用しているものの、厳密に読み終わった日を記録している訳ではない。


「果てしなき渇き」を読んで以降、著者の作品を手に取ることが無かった。本書を口火にかなり読むことになる。特に本書は短編で手軽に読める娯楽小説となる。続編も面白い。シリーズ化希望。


当時、筒井康隆を読む気になった理由は憶えていない。戦争もの。


その後も筒井康隆を読んでいる。多重人格「的」な話。スプラッタな爽快感があった気がする。


映画が有名ではあるが観ていない。大学時代、今は音信不通となっている友人が映画に関して熱心に語っていたことを憶えている。おそらく本書を読む為に肩慣らしで筒井康隆を先に2冊読んだのだと思う。最初に筒井康隆を読んだのは中学校の本棚にあった「農協、月へ行く」だったと思う。学校で性的描写に興奮する背徳感があったような無かったような。さて、本書、夢の中に入り込む話だったと記憶しているが、主人公や相棒の男性のキャラクターのディテールは憶えているものの、その他はほとんど憶えていない。


2017年1月からトランプが大統領になった。それに際してTwitterで東浩紀が本書を紹介していたことがきっかけで読んだ。


西田亮介の著作は面白いと思う。内容は忘れた。


ミシェル=ウェルベックは初めて読んだ。フランスにイスラム教の政権ができて大学教授の主人公が右往左往するシミュレーション系の物語。


マチネの終わりには既に読んでいたが、わざわざKindleで購入して読んだらしい。平野啓一郎の作品の中では良い意味で平凡で非常に読みやすく、人に勧めやすい。


村井理子訳。著者はル・コルドン・ブルーを卒業した遅咲きの料理人兼ライター。料理教室に参加した人々の様々なエプソードと著者の考察が非常に面白い。


これより深町秋生の本を読みまくることとなる。本書は山形の女探偵の話。面白い。


八神瑛子シリーズ。最高。


ダメな狡猾なおっさんが主人公。面白い。


韓国映画の「新しき世界」のような感じ。


元暗殺者と若いヤクザのロードムービー的作品。本書は非常に面白くおすすめ。冒頭の薬剤で死体を溶かす描写でグッと引き込まれた。


あんまり覚えていない。保険金殺人事件が絡んでいた話かもしれない。


ここでようやく日本沈没を読む。どうやら「アメリカの壁」を読んだことがきっかけになるらしい。憶えているのは、日本沈没に際して日本政治のフィクサーが超優秀な人々を集めて根本から日本人の行末を考えるところ。


谷甲州が書いた日本沈没の続編。これで谷甲州を知り、航空宇宙軍史にのめり込むこととなる。


もしかしたら日本以外全部沈没を読む為に日本沈没を読んだのかもしれない。


小松左京の短編集。サイコトラベルという古めかしい言葉が出てくる。


おそらく文庫化した際に「地獄の犬たち」から「ヘルドッグス 地獄の犬たち」に改題されたと思われる。警官の潜入捜査の話となり、現在は漫画化もされている。


谷甲州の航空宇宙軍史の完全版。めちゃくちゃ面白い。Kindle版の発売が待てず、その後に文庫を全て買い直した。


ここから経済関連の本を読むようになる。その結果、たとえ不景気であっても当座は金を出す必要があり、財政再建化という考えに疑問を持つようになった。


リフレ派による医療や介護に積極的に財政を出動させて景気対策をすべしという本だったと思う。


財政再建を目指した政治の結果、割を食うのは最下層の人々という現実を描く。貧困を救うのは財政出動による景気回復なのだという話。


非常に判りやすい本だった。ただし、もう全て忘れた。でも判りやすい良い本だった。


経済の絵本。経済学者の田中秀臣がブログで推薦していた。


全く内容を憶えていない。


村井理子訳。子どもができた夫に読んで欲しい。子どもができた後の夫婦仲やライフスタイルを考えるのにとても良い本だと思う。何より面白い。


村井理子訳。「ゼロからトースターを作ってみた結果」の著者がヤギになろうとした話。イグノーベル賞受賞。


血と暴力ですっきり爽快です。

高い城の男

フィリップ=K=ディック著、浅倉久志訳「高い城の男」を読んだ。

本書は以前から購入していたものの積んドル(Kindleで購入しているが読んでいない状態)だったと記憶している。しかし、ピーター=トライアス著「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」の発売を受け、歴史改変小説ということで「高い城の男」が言及された。その機会にようやく読み始めたという訳である。なお、「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」は読んでいない。

枢軸国が第二次世界大戦に勝利し、アメリカ合衆国はドイツと日本の分割統治により3つの国に分断されていた。そしてアメリカ人の間では高い城の男なる人物が創作した連合国が第二次世界大戦に勝利した歴史改変小説「イナゴ身重く横たわる」が流行していた。また、登場人物の一部は物語内で流行している易経を指針に行動している。

本書を読んだものの、夢中になって読むということは無かった。おそらく私の読解力や解釈が凡俗なためなのだろう。

アメリカ人の美術商がアメリカ人が作成した装身具にアメリカ人として自信を見い出すところは興味深かった。やはり敗戦というものは個人のアイデンティティに影響を及ぼすということなのだろう。翻って実際に敗戦国を生きる私に日本人というアイデンティティがあるのかと問われれば当然あると思われるが、そういうものは試されて初めて現出する類のものだとも思う。ここでいう試すとは実際に国外の人と話したり、外国との比較で発生することを指すのだけれども、私生活で国外の人と話すことはまずほとんど無い。仕事ではまれに話すことがあるものの、そこまで込み入った話をするには至らない。例えば日本は素晴らしいよねと言われれば嬉しく思う反面、指摘された以外の点を思い出し、それを敢えて語らない私は苦笑いを浮かべていることだろう。また、日本が好きだという具体的な感想を持っているかと問われればそれも怪しい。ただし、否定されれば苛立つこともあろう。加えて、日本に対する感情と日本政府に対する感情はまた別である。
以上のように結果的に私は自国に対する具体的な感情や思いを考えるということは特にしていない。そういったことが本書に対して凡百な読みしかできなかった要因の一つではないかと思われる。

高い城の男

高い城の男

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下 (ハヤカワ文庫SF)

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下 (ハヤカワ文庫SF)

ジョーカー・ゲーム

柳広司著「ジョーカー・ゲーム」シリーズを読んだ。

Twitterを眺めているとたまたまこんなRTが閲覧することになった。


浅学のため著者を知らなかったものの、「仕事柄、日本の諜報・防諜関連資料に目を通す機会が多い」作家の作品は面白いに決まっていると思い、本シリーズを手に取った。なお、シリーズ最終巻である「ラスト・ワルツ」はKindleに無かったため読んでいない。また、Production I.GによるTVアニメ、TVアニメに準拠したコミカライズも発表されている。

第二次世界大戦前、陸軍の魔王こと結城中佐の発案によりスパイ養成学校であるD機関が設立される。D機関の訓練生たちは互いのことを知らないまま、優秀なスパイとして活躍するというのが本シリーズのあらすじとなる。D機関のモデルは陸軍中野学校とのこと。
D機関の設定や結城中佐の謎、短編の完成度の高さ等、人に勧めたくなる連作短編集である。

ジョーカー・ゲーム (角川文庫)

ジョーカー・ゲーム (角川文庫)

ダブル・ジョーカー ジョーカー・ゲーム (角川文庫)

ダブル・ジョーカー ジョーカー・ゲーム (角川文庫)

パラダイス・ロスト ジョーカー・ゲーム (角川文庫)

パラダイス・ロスト ジョーカー・ゲーム (角川文庫)

ハルモニア

篠田節子著「ハルモニア」を読んだ。

クラシックギター奏者である猪居亜美の「Black Star」を聴いていたところ、日本テレビ系の土曜ドラマとして放送されていた「ハルモニア この愛の涯て」で演奏されていたフレーズを耳にした。テレビドラマではチェロの演奏だったが、印象的なフレーズが耳に残っていた。猪井亜美の演奏の楽曲を確認したところ、ニコロ=パガニーニの「24のカプリース(奇想曲)」とあり、福田進一の編曲によるものだった。

ニコロ=パガニーニはヴァイオリニスト・ヴィオリスト・ギタリスト・作曲家である。「24のカプリース(奇想曲)」はヴァイオリン無伴奏曲であるという。

テレビドラマでは堂本光一と中谷美紀が主人公とヒロインを演じていた。今日たまたまジムのテレビで堂本光一を見掛けたのだが、昔の容姿とほとんど変わりが無いことに驚いた。一方、中谷美紀について調べてみたところ、ヴィオラ奏者と国際結婚をしていた。

「24のカプリース(奇想曲)」を聴き、原作はどのような物語だったのかと本書を手に取った。著者の作品を読むのは初めてのことである。なお、テレビドラマの結末がどのようなものだったかは忘れてしまった。

後天的な脳障害で超感覚的知覚保持者の女性をチェリストの男性が個人教授をすることになる。女性は驚異的な才能を示していく一方、女性の周りで不可解な事象が発生する。作品紹介等を見るとホラー小説と記載されており、女性が音楽の才能と共に超能力を発揮する。しかし、この小説の面白さはそういった状況において、チェリストの男性と女性が「天上の音楽」のために全てを捧げ殉じる姿を描いているところにある。

ハルモニア (文春文庫)

ハルモニア (文春文庫)

Black Star

Black Star

  • 猪居亜美
  • クラシック
  • ¥1833

鈴木三重吉の諸作品を読む

鈴木三重吉の諸作品を読んだ。

鈴木三重吉は小説家・児童文学者となる。東京帝国大学では夏目漱石の講義を受け、夏目漱石の推薦により作品を発表したという。大学卒業後は中学校教諭等を務める傍ら、作品を発表して小説家としての評価を高める一方、娘のために児童文学を読み漁ったことをきっかけに児童文学作品を発表、その後は児童文学に集中し、児童文芸誌「赤い鳥」を創刊する。
芥川龍之介の蜘蛛の糸、新美南吉のごんぎつねは「赤い鳥」が初出となっており、鈴木三重吉は児童文学や教育界に与えた影響は多大との評価が与えられているそうだ。

さて、鈴木三重吉の諸作品を読むに至った理由は「走れメロス」を読んだところ、その末尾に「(古伝説と、シルレルの詩から。)」とあったためである。一体どんな伝説や詩なのかと調べた結果(主にWikipediaである)、ピタゴラス学派の教団員の団結力を示す逸話が「古伝説」であり、シルレルことフリードヒ=フォン=シラーが逸話を下に発表した「人質」という詩が「シルレルの詩」であることが判った。そこでピタゴラス学派の教団員の団結力を示す逸話を鈴木三重吉が「デイモンとピシアス」として発表していることを知ったという訳である。

私が読んだ鈴木三重吉の作品は以下の通りになる。児童文学ということもあり、作品は短時間で読み切ることができる。改めて「デイモンとピシアス」や「ダマスカスの賢者」を読んだが、テンポと小気味の良さ、子どもに媚びない文章が良い。何より物語に初めて触れた喜びを再発見できるような気がする。加えて青空文庫で読めるのが素晴らしい。

デイモンとピシアス

デイモンとピシアス

黄金鳥

黄金鳥

金魚

金魚

パナマ運河を開いた話

パナマ運河を開いた話

『平野啓一郎 タイアップ小説集』

平野啓一郎著「平野啓一郎 タイアップ小説集」を読んだ。

著者のまえがきによれば、本書は2008年から2016年にかけて、主に雑誌の依頼に応じて執筆されたタイアップ小説・エッセイ集となる。本書には月刊誌『FRaU』に連載された「Fashion Series」の作品が主に収録されている。著者はエッセイ等の依頼は受けていたものの、「~のための小説」は書かないと決めていたそうである。しかしながら、2004年頃からモードに関心を持ち、コマーシャルな媒体で与えられたテーマに触発されるがままに良い意味で少し遊んで見るのも良いと考えたとのこと。執筆にはモード写真の表現の影響を受けているという。
以下、目次。

掌編小説

  • そよ風になった少年~CHANEL
  • 光を浴びて~ETRO
  • ポール~HERMES
  • まちあわせ~EMPORIO ARMANI
  • 老人とワイン畑~PRADA
  • 春眠~Louis Vuitton
  • 指輪と蓮の花~DE BEERS
  • エレベーターの前で~BURBERRY PRORSUM
  • 太陽の涙~Cartier
  • 魔術師の瞳~BVLGARI
  • 鍵を開けて、中を見て~TIFFANY&Co.
  • 心のいろ~BOTTEGA VENETA
  • 大理石の上の花瓶と花々~DOLCE&GABBANA
  • 残った花びらは二つ~TOD'S
  • あの花は誰から届けられたの?~Dior
  • 待ち人、来たる~FENDI
  • あの子の正体~LANVIN
  • 記憶カレンダー~BALENCIAGA
  • 時間の透明なマス目~エルメス銀座店
  • マネキンたち~シャネル銀座店
  • 旅のあとさき~GUERLAIN
  • 腕時計のなかった腕~HARRY WINSTON

エッセイ

  • 星空の時間
  • 釣り好きの祖父の酒
  • 猫のように、僕はコーヒーが好きだ
  • 時間の漫ろ歩き
  • 桜の中で、時が重なり合う

タイアップされているブランドを眺めるだけで溜め息が出る。以前から著者がファッション誌に小説を発表していたことは知っていたものの、読む機会が得られなかったため、そのような人に本書は嬉しいものであろう。

平野啓一郎 タイアップ小説集 〔電子版限定〕

平野啓一郎 タイアップ小説集 〔電子版限定〕

走れメロス

太宰治著「走れメロス」を読んだ。

ふと「走れメロス」とはどんな物語だったのかと思い手に取った。「走れメロス」を初めて読んだのは中学生頃だったと思われるがはっきりとしない。改めて読んだ結果、おそらく既に指摘されていることだと思うのだが、色々思うところがあったため、それをここに記しておきたいと思う。

走れメロスとは言えば「メロスは激怒した。」の冒頭が有名である。メロスは政治が判らない村の牧人であるが邪悪に敏感らしい。16歳になる婚姻を控えた妹の結婚式の準備のため、村からシラクスの市へ2年振りにやって来た。結婚式の品々を買い終えた後、市内に住む友人のセリヌンティウスの下を久しぶりに訪ねようとすると、市内の異変に気が付く。メロスは通りすがりの老爺から国王ディオニスが人を信じることができないために世継を含む近親者や賢臣、派手な暮らしをしている市民を次々と殺していることを知る。そして「呆れた王だ。生かしておけぬ。」と冒頭の通り、激怒するのである。激怒したメロスの行動は早い。買い物を背負ったまま王城に入りたちまち捕縛され懐から短剣が出てきて大騒ぎになる。その後、メロスを国王の下に引き出され、問答が始まる。メロスは短剣で国王を殺害するつもりだったことを認め、国王が人の心を疑うことは悪徳だと語る。一方、国王は人は私欲の塊で信じるには足らないのだと語る。そしてメロスを磔に処せれば泣いて詫びる口だけの男だと断じる。メロスは国王に対して、ここで死ぬ覚悟があり、命乞いはしないと言いつつも、丁寧語で妹の結婚式を挙げるための三日間を要求する。国王は一度逃せば戻ってくることは無いとメロスの言葉を信じない。そのためにメロスは自らの身代わりとして友人のセリヌンティウスを差し出すのである。

メロスは政治が判らないものの、司法取引は行うのである。また、老爺に対して国王の行動が乱心に基づくかの確認もしている。加えて、最終的に友人を身代わりとして差し出すという行動も取っている。これらは、どうにも老爺の言葉を一切に確かめることもせずに信じたり、国王の殺害を決定したりする行動とは相容れないようにも思われる。メロスが単純素朴であるならば、その場で磔にされて死を受け入れれば良いし、友人を差し出す提案をするのではあれば、村に戻って妹の結婚式を挙げた後、国王を殺害するためにシラクスの市へ戻れば良いし、市へ戻る刻限を三日間と言わず五日間にすれば良いのである。しかしメロスは自らが走るためかのように物語の舞台を整えるのである。

走れメロス

走れメロス

『天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと PART2』

小川一水著『天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと PART2』を読んだ。

既に本シリーズは本書の続刊である「天冥の標Ⅹ PART1~3」を以て結末を迎えている。おそらくこの記事を見ることになった人は天冥の標に少しでも興味を持っている人であろうから、もし読んでいないのではあれば、さっさと本書を全てを買い揃えて読み始めるべきであると思われる。そうすれば、おそらく最高の年末を迎えることが約束できる。

天冥の標IX PART2 ヒトであるヒトとないヒトと(ハヤカワ文庫JA)

天冥の標IX PART2 ヒトであるヒトとないヒトと(ハヤカワ文庫JA)

天冥の標? ヒトであるヒトとないヒトと PART2 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標? ヒトであるヒトとないヒトと PART2 (ハヤカワ文庫JA)

メディアと自民党

西田亮介著「メディアと自民党」を読んだ。

私が何を思って本書を手に取ったのかは3年前になるためすっかり忘れてしまったが、本書は題名の通り、メディアと自民党の関係を解説した本である。例えば、ある国政選挙の際、自民党は世耕弘成を中心にメディア対策を蓄積して内製化しており、選挙では各候補者に配られたiPadから毎日演説の際にネタ等が提供されていたという。

現在の自民党のメディア戦力はどのようになっているのか考える時、ファッション誌と自民党のコレボレーション、自民党の#自民党2019プロジェクト、首相のInstagram等に話題に挙がったことが記憶に新しい。また、他党でも国会議員がYou tubeを開設している。これらは政治に対するイメージを刷新するのには有効であると思われるが、イメージ戦略が先行し、その内実が蔑ろにされている気もする。実際のところはどうなのだろうか?

同年代の同僚と選挙の話になったことがある。ちょうど選挙の時期だったのだと思う。同僚は「選挙に行っても仕方が無い。選挙に行って何か変わることがありますか?」という。確かに何かが変わったという認識をミクロ的な観点から得られたことは無いような気がする。私は同僚の話に適当に相槌を打った。最近、その同年代の同僚が新居を購入した。しかしながら、増税前の家電の購入等はしなかったという。また、奥さんがスーパーの野菜の値段を細かくチェックしているともいう。そういった話を聞きながら、ミクロ的ではなくマクロ的な観点から見れば、選挙に行っていれば消費税が増税されることは無かったのではないか、眉唾ではあるが野菜の値段を気にすることも無かったのではないかと思いがよぎる。

メディアと自民党 (角川新書)

メディアと自民党 (角川新書)

『羊の歌―わが回想』『続 羊の歌―わが回想』

加藤周一著『羊の歌―わが回想』『続 羊の歌―わが回想』を読んだ。

テニスの練習を一生懸命したとか、日本人女性の付き合いがあったとか、外国人女性とも付き合ったとか、海外を放浪していた…といった断片的な記憶しか残っていない。

最近、山田風太郎の「戦中派不戦日記」を読み終えたのだが、本書と比較すると、日記とエッセイという体裁の違いもあると思われるが、世界観が全く異なる印象を受ける。なお、偶然であるものの、2人共医学を志し、肋膜炎により兵役を免除になったという一致がある。

以前も説明した通り、私が加藤周一を意識するようになったのは高校生の時に国語の教科書に掲載されていた「日本の庭」が面白かったことによる。また、朝日新聞で連載されていた夕陽妄語を読んでいた記憶がある。本書内で触れられていたかは忘れたがモスラの原作者である中村真一郎、福永武彦とも親交があったと言う。

羊の歌?わが回想 (岩波新書)

羊の歌?わが回想 (岩波新書)

続 羊の歌?わが回想 (岩波新書)

続 羊の歌?わが回想 (岩波新書)