2014年6月21日

午前五時に目が覚める。昨日買ったシベリアを一切れ食べ、早々と洗濯し干す。軽く掃除機を掛ける。合間にPCを眺め、ジュースを飲む。午前中七時を越えると外から生活音が聞こえ始める。

気がつくと眠っていた。仕事で友人に同伴して客先へ向かった。途中、担当者である金髪の男性に出会うのだが、傍に居た老婆と午後から有給休暇を取るのだという。客先の会社を尋ねるが出入口は別の場所だと警備員に言われる。金髪の担当者から送られた書類を眺めるが、提出しようとすると姉と母のキメラのような存在に安易であると非難され苛立つ。

やる気も起こらず横になっている。ふと中学生の時、バレーボール部に所属していた事を思い出す。線審をしていた際、アウトを表示すると場外の客席から「絶対入っているよ。」と声が挙がった。しかし向かいにいるチームメイトの線審もやはりアウトを表示している。主審から呼び出されインとアウトの説明が繰り返される。言うまでもなくその説明通りに判断を下したまでだった。何か釈然としない気持ちが湧き上がる。家の外から学生の掛け声が聞こえる。この掛け声に反応して部活動の事を思い出したのだと気がつく。

シャワーを浴び自宅を出る。既に午後十四時を過ぎている。駅前でシャツ姿の中年男性がマンションの広告を配っている。改札を眺める駅員は赤ら顔で帽子を手元に置いている。細身の女性が子どもに手を引かれて小走りになる。子どもの前髪はおでこに沿ってなだらかな曲線を描いている。

ジムでエアロバイクを漕ぐが気乗りしない。「NAGATOMO」と書かれたオレンジ色のユニフォームを着ている白人がいる。長友なのかと何だか笑ってしまいそうになる。三十分で切り上げ、シャワーを浴び、汗が引くのを待つ。額に触れると指が湿る。ズボンで指を拭う。信号を待つ間、陽に照らされる。口の奥から、気持ちの余裕が干上がっていくような感覚。

スーパーに寄り自宅に戻る。夕飯の支度をしてゴジラ対メカゴジラを観る。前半、ゴジラに変装したメカゴジラゴジラとの戦闘シーンまでが素晴らしい。相変わらず宇宙人がヘマばかりしている。

友人たちとSkypeで通信。相変わらず下らない話ばかりしている。しかし何か憂さのようなものは晴れていく。部屋が暑い。雨戸を一部開け部屋に風を通す。視界に入った虫を叩く。手のひらに血の跡と黒く砕けた死骸が残る。腕に残った蚊の吸われた痕はもう消えようとしている。