惑星トンガリ/第6回

彼の凸恒星系の制御理論は彼の外縁部が担った。外縁部は制御理論に従い活動を続けた一方、彼が自らに質した凸恒星系に対する高次な存在の関与という問題の影響を受けていた。彼は自らの意志に従って惑星トンガリに降り立った。しかし、実際のところ、高次な存在の意志によって手を引かれた幼子と変わりが無いのではないか。彼の外縁部は自らの意志決定に疑いを抱きながら、凸恒星系の制御理論の修正を開始した。

長い時間が流れた。彼の外縁部は開かれた宇宙を指向し、閉ざされた凸恒星系を解放した。凍てついた凸恒星系に熱が生まれ、風が吹き、雨が降った。恒星は死を恐れず、新たな生命のためにその身を焦がした。凸恒星系は生命と文明の栄華を極めた。