2019年5月8日/珈琲と東山梨

友人が開業した珈琲店に赴く。開店日は令和元年5月1日である。

仕事であれば車や特急を利用するところだが、せっかくの休みである事や予算を考え、以前と同様に新宿から京王線と中央本線を利用した。なお、新宿から中央本線を利用するより京王線を利用した方が安価らしい。

電車内で「バナナフィッシュにうってつけの日」もしくは「バナナフィッシュ日和」を読む。お気に入りの作品ではあるが、何度も読めば新鮮さは無くなる。引鉄を何度を何度も引けば、引鉄を降ろすことに躊躇いは無くなるだろう。

電車内で多く見掛けたのはハイキングの支度をした乗客だった。高尾駅で京王線からJR中央本線に乗り換えると休日のためなのか乗客は多かったが大半は大月駅で下車した。おそらく富士急ハイランドや富士山を目指すのだろう。その後、勝沼ぶどう郷駅で割と多くの乗客が下車した。一方で部活動に勤しむ地元の高校生が乗車した。ほとんどの乗客は終点の甲府を目指していると思われた。

私は無人駅の東山梨駅で下車した。なお、私の他にも下車した乗客は2名程いたようだった。ここで簡易改札を通過しようとしたところ、金額不足と表示される。隣のホームに移動して金額をチャージする。

友人が開業した喫茶店に開店時刻前に辿り着く。無人駅とは言え、駅から徒歩1分という立地である。

喫茶店前で写真を撮っていると友人が店から顔を出した。朝食を摂っていたらしい。

店舗内は思いの外、落ち着いた趣である。居抜き物件で空調とフローリングは業者に依頼して新調する一方、壁クロスは自ら貼り替えたという。

店内の音源はパソコンのデータとレコードだった。当然、JASRACに連絡済みになるそうで月額7千円程が掛かるらしい。ちなみに友人は大学時代にメタル喫茶をつくると発言しており、その旨を伝えたところ、そんな事言ったっけ?との返答だった。

私はコーヒーに対するこだわりを特に持っておらず、喫茶店を開業した友人に教えてもらった知識しかない。友人が上京した際、喫茶店や飲食店、青山のコーヒーフェス等を周った。友人はコーヒーの苦味の濃淡から酸味や甘み等を感じ取っており、割とはっきりとした評価を口にしていた。なお、過去に友人と日本酒フェスに行った際、友人が同フェス内の利き酒のイベントに参加し、全問正解していたところを見ているので、五感等の官能的な素養は持っていると思う。

一通りのコーヒーを頼んだ。友人によれば苦味の質が異なるらしい。当然、美味いのだが、私のバカ舌では「濃厚」と「濃い目」の区別をする事ができなかった。ちなみに「普通」は多少の酸味が感じられるため、「濃厚」や「濃い目」と区別を付けることができた。

アイスコーヒーは他のコーヒーと淹れ方が異なる。店内は基本的に静的な空間ではあるが、アイスコーヒーを淹れる際はパフォーマンスを楽しむことができた。ミルクとガムシロップを入れて飲んだところ、かなり美味しかったので、アイスコーヒーを頼んでスッキリした後に濃い目のコーヒーを楽しむというのもありかもしれない。

軽食はコーヒー用のお菓子が無料で提供されていた。また、アルコールも提供するため、乾物等は有料で提供を予定しているという。ちなみに喫茶店なのでチャージ代は取らないらしい。私はルバイヤートの甲州 辛口の2017年産、ジョニー=ウォーカーのレッドレーベルを水割りで飲んだ。

客と友人の会話を聞いていると、お客は土地柄なのか舌が肥えている様子が見受けられた。

その後、友人の紹介を受け、国宝の清白寺を訪ねる。葡萄畑の先の山並みと青い空が美しい。