1995年

速水健朗著『1995年』を読んだ。
友人から借りた本の中の一冊。

見田宗介大澤真幸東浩紀等が「理想の時代/虚構の時代」の終わりの転換点として捉える1995年。この一年を分析したのが本書の内容になっている。

1995年を個人史から捉えるならば、阪神淡路大震災も東京で起きた地下鉄サリン事件もニュース番組で見ていたものの、子どもであった私にとってはどこか遠いところの出来事であり他人事でしか無かった。その頃熱中していたのはスーパーファミコン用ソフト「クロノ・トリガー」、タイムトラベルが題材であったこのゲームの中で紀元前65000000年から西暦2300年を飛び回っていた。自意識に目覚めるのはもう少し後、片田舎の学校で相対的に勉強が出来る事に気が付き、親や兄弟の影響で本を読み始めた頃と今思えば重なる。当時の私は考えもしなかっただろうが、東京の当の事故が起きた電車に毎日乗り、勤務先では阪神淡路大震災の為に現場に駆けつけた社員が経験豊富な管理職になっている。度重なるテロをニュースで眺め、東日本大震災を経験した今となっては、どこか遠いところの出来事でも他人事でも無かったのだと思う。

本書は上記に挙げた事件以外にも文化的な事象等を詳細に挙げていく構成になっている。一体あの一年に何が起きていたのかを知るのは悪く無いと思う。

1995年 (ちくま新書)

1995年 (ちくま新書)